最悪なフラットメイトのせいで、二年半心地よく住んでいた家を出ることになったいきさつです。
フラットメイトって何?!という方はニュージーランドの住宅事情を説明した前回の記事を参考までに。
コロナの真っ最中だというのに、アメリカに住んでいる娘夫婦と息子夫婦に会いにいくため、一年ほどアメリカに行くことに決めた韓国人の家主さん。
コロナ前、家主さんが海外旅行で家を空けた時など、私と彼で家の面倒を見ていたこともあり、「私がどんな風に家を管理してきたか知ってるし、この家を頼むわね」と。
留守の間、家主さんが使っていた二部屋にフラットメイトを入れることに。
家主さんがフラットメイトに選んだのは、夫(K)、妻(M)と12歳の男の子(J)の三人家族。
国籍は伏せておきますが、ニュージーランド人、日本人、韓国人ではないとだけ言っておきます。
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さて、9月の末の木曜日に家主さんは家を出ていきました。
K一家が引っ越してくるのは金曜日。
一晩のみだけれど、まるごと家を使えるので、友人カップル(彼の高校生時代の友人とその彼女さん)を焼き肉パーティーに招待しました。
牛肉、豚肉、鶏肉を買いそろえ、前菜やサラダ、飲み物やデザートも用意し、準備万端!
夕方六時頃に家にやってきた友人と楽しいひと時を過ごしていたのですが……
なんか人の声が外から聞こえたなと思ったら、玄関が開く音がし、Kが居間に入ってきました。
(この時点で、私の彼は外をチェックするために裏口から外に出て行ったので、ダイニングルームに残っていたのは私と私の友人のみ。)
少し驚いたものの、「あぁ、あなたはKですよね?私は数独、よろしく!」と友好的に挨拶すると、Kは「あぁ、よろしく。で、お前たちは誰?」と私の友人にぶっきらぼうに聞いてくる。
え?
何、この態度?
「いや、私の友達だけど」とすかさず答える私にKは「家の前にとめてあるのは誰の車?俺の車がとめられないんだけど」と、私の友人に挨拶もせずに、聞いてくる。
なんだ、この失礼なおっさんは?!
「あぁ、それ、俺の車だから動かすよ」と大人な対応をする私の友人。
それに対し、“ありがとう”さえ言わないK。
「いや、引っ越し日は明日って聞いてたんだけど」とKに伝えると「今日だよ」とぶっきらぼうに返してくる。
私への態度よりも、私の友人への態度が失礼なことにイライラし、まだ飛行機搭乗前の家主さんに急いで電話をかける。
「引っ越し日って明日だよね?なんか今晩引っ越そうとしてるんだけど」と伝えると「え?明日のはず!ちょっとMに確認してみるね」と。
数分後に家主さんからのメッセージが。
「ほんとは明日の予定だったんだけど、もう前の家から出ちゃったから、今晩引っ越さなきゃいけないみたい。ごめんね。」と。
いや、家主さんがいないの分かってて、勝手に乗り込むことにしたパターンでしょ、と疑念を抱きつつも、後から家に入ってきたMに自己紹介をしておく。
Mは旦那のKよりも友好的な感じ。
引っ越し日は本当は明日じゃなくて今日だっただの、家主さんとのコミュニケーションがうまく取れなかっただの、いろいろ言ってくるが、こちらからしたら見苦しい言い訳にしか聞こえず。
しかし、「晩ご飯の邪魔をしたくないし、まだ荷物は運ばないでおくわね」と言うMの気遣いに、胸の中にあるモヤモヤ感は忘れることにしよう、と。
焼き肉パーティーの続きは無事に終わり、友人たちも「すっごくおいしかったし、楽しかった!今度は私たちがごちそうするね!」と言いながら帰っていきました。
Kのせいで気を悪くさせちゃったんじゃないか、と少し心配だったものの、友人二人の帰り際の反応を見て、私もホッとしました。
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さて、その夜。
夜中の二時頃。
ガガガガガガガガガガガガガガガガ………
と、私たちの部屋の外の廊下から変な音が。
夢なのか空耳なのか、わけが分からない状態で目が覚める。
夢でもない、空耳でもない、確かに変な音がする!と確信するまでに少し時間がかかったのは寝ぼけていたせいだろうか。
その間、隣で寝ていた彼もハッと起きる。
「何、この音?」と彼。
恐る恐る二人で廊下に出てみると…
金魚の水槽のモーターかポンプが、まるで道路工事のような音をたてている!(金魚の水槽はK一家のもの)。
電源を切ると音は止まったものの、私も彼も眠気がすっかり覚めてしまい、また眠りに戻るまでに時間がかかりました。
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次の日の朝。
よく眠れなったせいか、体がだるい。
そんな状態で、朝ご飯とコーヒーを作りに台所に向かうと、居間からいびきが聞こえてくる。
居間を覗くと、見知らぬおっさんがグースカ寝ている。
え、誰?
私が驚いたのにはちゃんと理由がありまして。
フラットメイト全員が承諾しなければ、友人知人のお泊りは基本ダメ。
契約書にもそう書いてあるし、家の所有者である家主さんでさえ、友人がお泊りする時は私たちにいいかどうか聞いてくれていました。
その結果、見ず知らずの人が居間で寝ているのは、私にとってはかなりのショック。(ましてや、男の人だし)
後でMから聞いたのですが、引っ越しを手伝ってくれた友人を泊まらせたそうな。
なんで一言言ってくれなかったのかなぁ、契約書に書いてあることは一切無視なのかなぁ、とモヤモヤするものの、引っ越しを手伝った友達も疲れていたんだろう、と自分に言い聞かせることにしました。
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水槽の電源を切りっぱなしだと金魚もかわいそうなので、水槽がこんな音を立ててたよ、と電源を入れてMに報告。
「あぁ、引っ越すために水をたくさん抜いたから、それでこの音がしたのよ。水を入れれば大丈夫!」とM。
いやいやいや、原因聞いてませんから!
はっきり言わないと分かんないのかなぁ。
「真夜中にこの音で私たち目が覚めちゃったんだよね」と言うと、やっと「あぁ、ごめんごめん!」と。
なんか鈍いなぁ。
Mは申し訳なさそうにしていたし、水槽がうるさかったのもわざとではないとは分かってる。
でも、初対面で失礼だったKのこと、引っ越し日前に引っ越してきたこと、真夜中に騒音に起こされたこと、承諾もなしに勝手に友人を泊まらせたこと。
引っ越し日当日からいろいろ起きたせいか、どうしてもモヤモヤ感が払えない。
しかし、この時点では、これが悪夢の始まりだとは彼も私も一切想像していませんでした(またしても大袈裟)。