日本の子役の演技力が、おそろしくあがっている。
子役養成所の講師の腕前があがっているのか、メソッドが進化しているのか、
子供たちの観察力と、想像力が、高まっているのか。
星川依里(ヨリ)を演じた柊木陽太の演技が特にエグかった。
「こちらあみ子」の 大沢一菜並みにエグかった。
どちらもイジメられっ子なんだけど、どっちも鈍感とは違う、
独特な感情をOFFにしている、ある意味サイコパス感が漂う演技がすごい。
湊と、ヨリが廃電車の中で動物あてゲームをしているとき、
<なまけもの>カードがでたとき、よりのセリフが秀逸。
セリフも秀逸だけど、ヨリがいじめを受けても傷つかないすべを言い表していて、
その時の表情が、なんとも切ないのだ。
「それはね、スゴイ技をもってます。・・・・敵に襲われたときに体中の力をぜんぶ抜いて諦めます。感じないようにします」
イジメられているヨリを助けられない自分に歯がゆさを感じる湊。
ヨリに特別な感情をもってしまった湊。
人に言えない複雑な感情を抱え苦しむ湊。
湊の様子がおかしいのは、学校でイジメにあってるのではと心配するシングルマザーの母。
湊が自分がかかえる問題に耐えられなくなって、教室で起こした問題の発端を、
自分のせいにされてしまった保利先生。
映画は、この3者の視点で描かれるのだが、
湊の問題の本質が、どこにあるのか、誰も気づかず、的が外れたママ問題は大きくなる。
「怪物だーれだ」
愛する人、大切な人を守ろうとした思い込みや嘘が、
集合体となって怪物化する。
人間はあるがまま、正直に、素直に生きることができない。
それは社会という集合体に属する以上、仕方がないのかね。
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2023年日本
脚本:坂元裕二
監督:是枝裕和
出演:安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子
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日本酒をしこたま飲んだ後、
心斎橋のウィスキー専門店に入った。
しかし、心斎橋で飲むのなんて20年ぶりちゃうやろうか。
後輩・谷新と。
東京から出張で来ているという40代前半らしき女性客がおり、
「ざ・大阪の女」と話がしたかったと言い出したから、適当に話をふってたら、
大笑いして、ものすごいスピードで酔っぱらいだしてた。
東京では、会社の後輩は一緒にのんでくれなくて、飲む相手がいないんだそう。
なんか不憫やなとおもってしもうた。
しかし、ウィスキーが500種ぐらいあって、おもしろいラベルがたくさんあって、
いいお店だったわ。また行こう。