南だ、北だと言うてないで、いっしょに生き残る方法を考えようや!という、実話ベースのめちゃくちゃいい話だった。この映画、1991年にソマリアで韓国大使をされていた本人が、実体験を基に書いた小説がベース。
時代はソマリアの人々が独裁政権に抵抗しつづけ反乱軍となり、政府軍を制圧しはじめた1991年。ソマリア政府への攻撃のみならず、ソマリア政府を支援していた海外の大使館を、反乱軍が襲いはじめた。その襲い方が、略奪者そのもので怖い怖い。銃をぶっぱなしながら押し入り、金品を強奪する。時には抵抗する大使館員を殺しもする。こんな行為に、政治的な意思があるとは思えんのだが。外交をしていた高官たちが、突然命の危険に晒されるのだ。
北朝鮮の大使館は、もう館内にいられないほど襲われて、中国大使館など国交のある国の大使館に助けを求めるも失敗つづき。北朝鮮大使は、職員とその家族の命を優先し、韓国大使館に助けを求める。なにかの工作でないかと疑うも、危険はそこまで迫っている。子どもたちは今にも泣きだしそうな顔をしている。腹をきめ、北朝鮮の人たちを受け入れる。
そこからが、もう素敵。韓国と北朝鮮の立場はそのままだが、生き延びることだけを考え、互いに協力しあうのだ。あの韓国と、北朝鮮が!一般市民ならまだしも、高官たちが協力しあうなんて。ほんと美しい人間のありかたのドラマなのだが、ちょいちょいクスッとわらえる場面もあり、人間クサくていいのだ。
だけど、この私小説が世に出た時、北朝鮮の元大使はどうなったんだろうか?関係者はみな処刑されてはないだろうか。脱北してないとはいえ、南と協力したらスパイ認定されないだろうか。と、余計なことも考える。
もひとつ余計なことを考えてしまうのは、ソマリア内戦だ。あれから33年、いまだに終わらないソマリア内戦。当時のバーレ大統領は失脚したが、後釜をめぐり争いがつづく。その争いは、ソマリア国内だけでなく、イスラム原理主義者、国連、ヨーロッパ、エチオピア、アメリカが絡んできて泥沼だ。
わたしが注目しているシリア以上に希望がない。
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2022年韓国
原作:カン・シンソン
脚本・監督:リュ・スンワン
出演:キム・ユンソク、ホ・ジュノ、チョ・インソン、ク・ギョファン
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