映画 15ミニッツ・ウォー どうして子どもを平気で殺せるのか?の答え | 気むずかしい いろいろ

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1976年 ジブチ共和国バスハイジャック事件を下敷きにしたフィクション。
日本語で検索するかぎり、事件の真相は分からん。

「奇跡の人質救出作戦」と称賛される活動だったらしい。

奇跡とは思わんがね。この映画も遠回しに“奇跡”否定している。

 

1976年、ジブチはフランスの植民地だった。

ジブチの民は、フランスから独立したく。あっちこっちで独立派(フランス反対派)がくすぶっていたようだ。

 

軍関係者の子どもたちのったスクールバスが、4人の反対派にジャックされた。

子どもたちをソマリアまで連れて行き、ジブチの独立と逮捕された独立派の解放を交渉するつもだった。だが、国境手前で、バスは止まった。

 

子どもたち11人とあとから強引にバスにのったアメリカ人女教師を救出するため、わざわざフランスから特殊部隊5名が現地に派遣され、人質を救出しようとするのだが・・・。

 

「奇跡の人質救出」と称賛されておるが、フランス反対派の犯人は全滅。人質の少女一人、フランス側の兵士も、スクールバスの人質も死亡しておる。

しかも、この事件の翌年にソマリアは独立している。フランス反対派は、翌年には正統派になるのだ。

 

バスジャック犯のリーダーが、女教師と薪の前でしている会話に長年いだいていた疑問の答えがすこしみえた。

 

犯 なんでソマリアにきた?

教 教える気はない

犯 フランス人が好きなのか?

教 国は関係ないわ 子供が好きなの

犯 白人の子どもだぞ

教 何色でもいいわ

 

~

 

犯 オレもむかし教師だった 大昔にね 子どもも好きだ オレの国の子どもたちだ 自由を与えたい

 

 

 

戦争で、敵国の子どもたちを無情に殺すやつらの心情がまったく理解できなかったのだが、

フランス人が憎いフランス反対派の人たちにとっては、大人だろうが、子どもだろうが、憎い人種として十パひとからげなのだろう。

 

自分たちを虐げる奴らは、みな同じアイコンで処理される。個人差は関係なく、みないっしょくたにして、憎しみの対象とするのが、紛争や、戦争のはじまりなんだろう。

 

このシーンで、ようやく肌感覚で腑に落ちた。あの黒人のリーダーの人の目、めちゃくちゃイイ演技やった。三白眼って、目力があるな。

 

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2018年フランス・ベルギー

監督:フレッド・グリヴォワ

出演:アルバン・ルノワールオルガ・キュリレンコ

 

 

劇中、男たちがしがんでいたハッパは「カート」。

ハッパの汁に覚醒作用がある。

 

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<今日のいちまい>

阿波座Kと家の近所の居酒屋へ。

ヨットスクールと揶揄される、昭和風ふかす厳しい男のプロジェクトにほりこまれ

「希望がない」「絶望している」「いつまで続くのか」と嘆き悲しんでいるので、ガス抜きにご飯に連れて行った。

 

19時半スタート、25時半解散。

 

24歳、彼氏は売れない36歳のホスト。彼氏と半同棲中。ウィークデーはホストが仕事が終わった26時~27時に、阿波座からミナミまでチャリをこいで、迎えに行く。ホストが、女とアフターに行く日は、相席居酒屋に一人で行き、タダめしにありつく、ツワモノだ。だが、みためは小っちゃくて、引っ込み思案っぽく、とても子供っぽいのだ。

 

今、わたしが一番かわいがっている後輩。

 

そして新ネタ。「お父さん、刑務所はいってたんで」と、ニコニコしながらぶっこんでくる。これは、わたしが試されているのか?間をおかずに、ドン引きせずに「あんた、どんだけネタもってんねん?!」と返すのが精いっぱい。阿波座Kが高校生だった頃、早朝にチャイムが鳴り、警察がお父さんをつれていった、と楽しそうに言う。お父さんの事件が、Yahooニュースにのったんですよ!とさらに嬉しそうに言う。

 

わたし、試されているのか?

 

お父さん、公務員だったんですけど、けっこうな額を横領して、実刑判決をうけたんです。といっても、数カ月なんですけど。おばあちゃんが、けっこうな金持ちで、仮釈放するのにいっぱいお金つかったって言ってました。それで、お母さんは、これがチャンス!と即離婚しちゃって。あん時、すごかったです。人生、こんなにかわるんやーって思って。

 

5月に、お父さん、彼女とイタリアに一カ月遊びに行くって言うてました。刑務所入っても、イタリアに一カ月もいけるんやと思ったら、どうでもなるんやなって。刑務所はいっても、楽しく生きていけるんやー、って思ったんですよ。

 

わたし、試されているのか?

 

こんな波乱万丈な子、はじめて。そして、こんなコトをニコニコしながら喋れる阿波座Kのハートが強い。ほんとうに、ホストなんかにいれあげず、幸せになってほしい。だが、10代でこんな経験したら、普通の男では刺激がなくて、つまらんのだそう。そら、お父さんをこえる刺激物は、なかなかおらんわな。きけば、お母さんも楽観的な人らしい。だから、ニコニコしながら、過酷だったはずの経験を人に卑下せず話できるのだろう。とても、よいこ。大好き。

 

28歳も年の差があるのに、いっしょにゴハン行きたがってくれる。めちゃありがたい。もちろん全額、ごちそうするのだけど。相席居酒屋で、しらんオッサンとゴハンたべるぐらいなら、いつでもご馳走したるから、連絡ちょうだいと、1時半に解散した。