てっきり、イラクのバグダッドが舞台の映画やと思い込んでたよ。
アメリカ カリフォルニア州の砂漠地帯にあるバグダッド・カフェが舞台の人間ドラマやった。
なんちゅう、間違いを・・・。
でも、すばらしい脚本で、映像美やった。
余計なセリフなく、役者の演技でみせる。
長年愛されている作品なの、よく分かる。
30年も前の作品なのに、まったく色あせて見えない鮮やかさがあるのだ。
BGMにながれる「CLLING YOU」も、また素敵。
余談だが、この曲90年代にマツダのCMで流れてて、めちゃくちゃ気になってた音楽なのだが、
バグダッド・カフェがオリジナルやったと初めて知った。
原曲もめちゃくちゃ、いい。
この砂漠地帯のザラついた画像の質感としっくりくる。
ドイツから夫婦でアメリカに旅行にきたジャスミン。夫が運転する車の中で、夫婦喧嘩をし、砂漠のど真ん中で車を降り、街を徒歩で目指す。ジャスミンがたどりついたのは、しょぼくれたバグダッド・カフェ。カフェと、ガソスタと、モーテルを兼業しているブレンダは、店のしきりと、子育てに追われ、終始イライラと怒鳴り散らす。
そんな鬼の形相で経営していたら、客はほとんど来ない。儲けが少ないから、余計に苛立ち怒鳴り声が大きくなる。そんなイライラの中、モーテルに宿泊しにきたのがジャスミン。見慣れないドイツ人女が、ひとりで、徒歩でしょぼくれたモーテルに泊まりに来た。
不信感でいっぱいのブレンダは、ジャスミンを追い出そうと冷たくあたるのだが、ジャスミンはブレンダの役に立とうとおせっかいをしはじめる。
掃除をしたり、子どもたちの世話をしたり、店を手伝ったり。しだいに、ブレンダの攻撃性もおちつき、ジャスミンを受け入れると、閑散とした店に人が集まり始め、ブレンダも人が変わったかのように、毎日を楽しみはじめるハッピーエンド。
はなしはリアルなのに、めちゃくちゃファンタジックな世界で、どんどん惹きこまれていく。
ぽっちゃりとしたドイツ人のジャスミンは、凛とした気品が漂って、ドイツ人のプライドと奥ゆかしさを感じる佇まい。ブレンダに受け入れてもらうたび、どんどん色気のある女性にかわっていくところが、女の怖さだと思った 笑。
ラストちかくにミュージカルのような演出があり、そこがとても楽しかった。ブレンダの人生に、花が咲いてよかったで。
見知らぬ女同士の、友情というより、唯一無二の信頼感というか、
ふたりの間につくられた絆のようなものの表現が、めちゃくちゃ素敵だった。
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1987年西ドイツ
脚本・監督:パーシー・アドロン
出演:マリアンネ・ゼーゲブレヒト、CCH・パウンダー、ジャック・パランス
音楽:ジェヴェッタ・スティール「コーリング・ユー」
映画の舞台となったカリフォルニアのカフェは、映画上映後、店名を「Bagdad cafe」に変えていまもなお営業中とのこと。
ただ、経年劣化のため、ほとんど立ち寄る人がいないようです。
残念ね。
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<今日のいちまい>
3日前から、大阪でも雪が降るようになった。
15時。
陽が射すのに、雪がふっていたの窓をのぞいてみると、
めちゃくちゃ近くのマンションから虹が生えていた。
とてもクッキリと。
マンションの手前から。
あまりにもキレイで、写真を撮るのを忘れてしまった。
いいもの見れたな。