かっこよすぎたキャサリン・メーニッヒをもう一度みたくなり、ツタヤディスカスで久しぶりにレンタル。
衝撃の登場シーン。ボサボサの頭で、二日酔っぽい気だるさでエスプレッソを一気飲みするシーン。めちゃくちゃ異色なキャラクターで、すぐに注目してしまった。キャサリン・メーニッヒ!
毎晩パーティーで女をひっかけて、彼女をつくらないと公言する遊び人シェーン。
これを演じてるキャサリン・メーニッヒがめちゃくちゃカッコいい。
女として見てるのか、男として見てるのか、頭がバグる。
こんな俳優、日本はおろか、アメリカにもほかにおらんのではないか。
ものすごく独特な色気をもっている。
私生活でもレズビアンで、女性と結婚もしている。だからなのか、仕草や、姿勢、スタイリングがめちゃカッコいいねん。
でも相当、研究された女たらしやと思う。仕草や喋り方、首をかしげる角度、媚びてないのに相手をうなずかせる上目遣い、どれも完璧に女好みの仕草なのだ。なんで、胸がふくらんでんのか不思議なくらいかっこいい。女たらしとしての説得力があるのだ。
女たらしなんだけど博愛主義なところも、魅力的。攻撃性がほとんどないキャラだったのもいい。
このドラマはアメリカで2004年~2009年に放送された人気ドラマで、ドハマリした。20年ぐらいむかしのドラマなのに、まったく色あせて見えない。15年ぶりにみても、すごく新鮮。
カリフォルニアのウエストハリウッドで暮らす、仲のいい女友だち5人を中心に展開されるのだが、この5人みなゲイ(レズビアン)なのだ。レズビアンの世界(Lの世界)を赤裸々に綴ったドラマなのだ。いろんな不自由にぶち当たるけど、基本はSEX ON THE CITYなみに、楽しい友情物語なのだ。
惚れた、付き合った、セックスをした、別れたの合間に、仕事をしている5人。18時にはBARに集合して、朝帰り。カミングアウトするか悩んだり、捨てた女に嫌がらせされたり、なかなか妊娠できなかったり、浮気したり、束縛されたり、めちゃくちゃ充実している毎日を送っているのだ。ジェニファー・ビールズ演じるベットだけが、働きまくっている。
基本は人目もはばからず、あっちこっちでキスしまくり。主演の5人中4人はオープンゲイで、解放された人生をいきている。そのオープンさが、めちゃくちゃ楽しいドラマなのだ。いろんな差別が存在するアメリカで、自分を解放して生きている30代の女性たちをイキイキと描いている。これはこれで、アメリカのリアルなんだろうなと、久しぶりにみて思った。
Season1は、ベットとティナの子どもが流産し、ベットは浮気。ティナは専業主婦な自分に疑問をだきはじめた。アリスは、ビアンの粘着質愛にうんざりし、男を探すも男のレズビアンを捕まえてしまい恋愛不具合中。ティナはゲイのテニスプレーヤーとしてCM出演が決まり、ようやくカミングアウト。シェーンはハリウッドセレブに気に入られ、クスリにはまり・・・。
そしてストレートで恋人ティムと結婚するはずだったジェニーが加わる。まだ仲間に加わってないが、ビアンデビューし男と女の間をいったりきたりする。このジェニーがなかなかメンドクサイ女で、超自己中心。ティムを傷つけたことに気がついて、落ち込みすぎて逆にティムに慰められるという・・・女に嫌われる女のステレオタイプ。感傷的になると、すぐに木漏れ日の中で詩を書く女で、ほんま腹が立つ 笑。ストレートからレズビアンの世界に足を踏み入れた女の物語が、ちょいちょい入ってくる。
カミングアウトできずに、一人でなやんでるLの人の勇気なのか、参考なのかになるドラマじゃないだろうか。ここまで直球にレズビアンのドラマを放送したのは、アメリカ史上初だったらしい。
原案者・脚本家・監督・プロデューサーの一人であるアイリーン・チェイケンをはじめ、主要脚本家の10人中9人がレズビアンだから、安心してみれるんよね。そんで、ドラマの中でみんな脱ぎまくってる。カラッとしたドラマだから、まったくやらしく見えないのは、わたしだけだろうか。
なんにしろ、解放された人をみるの、すごく好き。
アリスが男のレズビアン・リサと付き合ってるのを複雑な気持ちで見守っていた4人に、
ベットの姉キットがみなに言うた言葉が衝撃。
「白人男性という特権をすてて、二流市民になりさがってんのよ」
アメリカの差別構造を的確に表現してるセリフで驚いた。
白人男性のストレートの富裕層が、ヒエラルキーの頂点という構造なんだな。
Season6とジェネレーションQもあるから、あと50話ぐらいあるけど、はよみたい。
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2004年アメリカ
原案者・脚本家・監督・プロデューサー:アイリーン・チェイケン
出演:ジェニファー・ビールス、ミア・カーシュナー、パム・グリア、ローレル・ホロマン、キャサリン・メーニッヒ、レイシャ・ヘイリー、エリン・ダニエルズ
少し前に見たチェチェン共和国のゲイ狩りドキュメンタリー映画「チェチェンへようこそゲイの粛清ー」と環境があまりにも違いすぎて、ロシア圏の人が気の毒。同じ白人なのにね。
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<今日のいちまい>
シリアとトルコの地震で、違和感が。
シリアは、いまも内戦が続き、シリア政府軍がシリア国民に爆撃を落とすという、惨事はいまだに続いている。
そんな中で、地震による建物の倒壊。
シリアのドキュメンタリー映画を10本以上みていると、
ガレキから救出される人々の映像は、政府に攻撃された住居から市民を救出する映像となんら変わらない。
シリア政府は、地震の被害よりも大きい被害を与え続けているのだ。
そんな生死の境目で、ぎりぎり生きているシリアのことを伝えなさすぎる。
トルコも惨劇だが、シリアは神に見捨てられた土地なのか?と思うほど、いろんな不幸が重なっているのだ。
そしてどの国ももう、助ける術をもたない。
そういった事情をちゃんと伝えてるニュース少なくて、ヤになる。