舞台映像 M&Oplays「白昼夢」 赤堀雅秋×三宅弘城×吉岡里帆×荒川良々×風間杜夫 | 気むずかしい いろいろ

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録画ストックから。

荒川良々の演技が好きだから、ついつい見てしまうのだ。

 

荒川良々は、高橋家の次男・薫役で引きこもりの中年。

三宅弘城は、高橋家の長男・治役で普通のサラリーマンで、家族思い。だが、難がある。

風間杜夫は、高橋家の父役で、最近、妻を亡くし、不精な生活を稔と送っている。

赤堀雅秋は、稔の自立を支援するNPO法人の職員・若林。

吉岡里帆は、若林のアシスタント・石川で、自信も引きこもりの経験がある。

 

以上、5人による芝居。コロナ禍に公演された演劇である。

 

「引きこもり家族」ときけば、ギスギスした家族のツライ話かとおもって構えてしまったが、とてもほのぼのしているのだ。薫の自立に向けて、NPO法人の職員ふたりと、父と兄の春夏秋冬をテンポよく描いている。その中で、薫だけでなく、それぞれに、どうしようもない不安を抱えていることが、明らかになっている。でも、周りに漏らすわけにもいかず、ぐっと堪えて、薫のサポートをするところが、とても人間らしいなと思った。

 

みな本当は、人の世話を焼いてる場合ではない。それでも、いちばん大変な思いをしている薫をサポートする。

 

人は、どうやって苦難を乗り越えているのか。

 

わたしはサラリーウーマンであるから、この兄の治が抱える問題を、こんな状況でうかつに口に出せず、平常心で家族と接するキャラクターに親近感を覚えてしまった。

 

そしてNPO職員のふたりは、信じていいのか、何か裏があるのか、怪しさがずっと拭えずみていたのだけど、決して胸をはれない問題を抱えているから、あんな風に、自信なさげな態度をとっていたんだろう。

 

どこかで、バッーーーーン!と誰かがはじけるのでは?とハラハラしていたが、平穏なまま幕が下りてほっとした。

 

「引きこもり」という繊細なテーマを扱っているが、この芝居がよいなと思うのは、誰も責めないことだ。薫がなぜ引きこもりになったのか、その理由も深堀しない。「はたらけ」「家をでろ」を父が、強要しないこと。薫が外に出たきっかけを明確にしていないこと。

 

引きこもりの中年がいる家族を、ものすごく客観的に、遠くからながめる芝居になっていた。

 

生きているとみな、大なり、小なり、問題をかかえていて、

口にしないだけで、みな精いっぱいもがいているんだ。

がんばって、今日も生きよう!

 

というメッセージなのかな。

 

あたたかい気持ちになる。

 

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2021年

脚本・演出:赤堀雅秋

出演:三宅弘城、吉岡里帆、荒川良々、風間杜夫

 

 

▼赤堀雅秋のインタビュー

 

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<今日のいちまい>

この景色がみれる場所に、住みたいと思うているのだが、

会社から1時間半かかりそう。

東京なら、ありえる距離なんやろうけど、なかなか覚悟がきまらん。

 

23時が最終。

タクシーで17000円。

 

終電のがしたときにどうするかと、終演時間からダッシュで間に合うんか。

 

ものすごく、覚悟がきまらん。

 

あと、鼻水がのどにずるずる垂れてくるのが、なおらん!

Bスポット治療したら、いつもすぐにおさまるのに。

医務室、いくか!