松尾スズキは、舞台でも女優達に大胆な演出をつけるが、
この映画では、大竹しのぶがすごかった。
頭の悪いギャル風の衣装にカツラ、そしてメイクに、しゃべりかたよ。
ギャルのにくたらしさがよく出てた。
この映画の舞台は精神科病棟。
過食症、拒食症、自殺未遂、いろいろな理由を抱えた女たちが、
家族の希望で精神科病棟に強制入院させられている。
大竹しのぶはその患者のひとり。
ほんまにこの人、化け物やわ。
主演の内田有紀はそれほどぶっ壊れてもなく、
キャラクターのイジリはなかった。
サブキャラの蒼井優も、りょうも。
妻夫木聡は、壊れてた。TVの脚本家役で、
内田有紀の旦那の友達役なのだが、どうしようもなく
社会生活になじめなさそうな不思議キャラだった。
この俳優は映画「パラダイス・ネクスト」を観てから好きになった。
某企業の配信イベントに出演している様子をみていたのだけど、
人柄もめちゃくちゃ良いんだと思う。気遣いが、自然にできる人だと感じた。
内田有紀の旦那役の宮藤官九郎は、
とてもノーマルでよい旦那を演じていた。
この映画は、精神科病棟でのドタバタを描いたコメディー映画なのだが、
症状や、患者の行動を笑うのでなく、
患者たちの葛藤をけっこうマジメに取り扱っている。
“精神科病棟”って、おかしくしようとしたら、
どうとでもできそうだけど、リアルさを残して、
コメディー仕立てにしてるところが好感もてた。
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2007年日本
脚本・監督:松尾スズキ
出演:内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、りょう、妻夫木聡、大竹しのぶ