変わりゆく「商いの本質」と「消費者の欲求」
「お腹いっぱいモノを食べて幸せを感じる時代は終わりを告げた」
こんなショッキングな見出しを目にする
機会が多くなりました。
高度成長時代にはたくさんの「量」という
食料が必要となり、ともかくお腹を満たすことが
最優先された時代だったんです。
消費者のの「欲求」と「行動」は明確ですべての
モノに対する意識は小さく「商い」の照準は合わせ
やすかったのです。
「流通」がいきわたるとすると、「欲求」は
次の段階に移行しました。
「量」の食事が楽しめた後は、
次第に「選ぶ消費」と「縮む消費」が共存するようになり、
品質要件(味、盛り付け、鮮度)や健康要件(安全、栄養)、
さらに倫理要件(環境、人権、地域)といったことにまで
広がっていると指摘され、食が「知識の欲求」となったのです。
そして、私たちは「実感」が湧かぬまま、
次の「欲求」に対峙していかなければいけなくなったのです。
社会全体が「個」から「共」へ「利己」から「利他」へ
「私有」から「シェア」へ「ブランド」から「シンプル・カジュアル」へ
さらに、「欧米」から「日本」へ「都市」から「地方」へ
「集中」から「分散」へ「物」から「サービス」へ動いています。
お金を払い「モノを買う」“所有権の移転”の
価値には魅力はありません。
消費者がお金を支払う「価値」があると
考えているものは一体何でしょう?
その「価値」とは、「ココロの豊かさ」と
「精神的な悦び」なんです。
・商品を作り、流通させ、販売する。
・安全なものを、美味しく、安く、大量に売る。
今までの「方法」では、これからの
「消費者」には通用しません。
これだけは断言できます。
「ビジネス」は厳しく、大変なコトかもしれません。
それでも、「商いの本質」を今まで
考えたことがなかったのかもしれません。
今まで、見えていなかったのかもしれません。
「本質」という“考え”と「売り上げ」という“仕組み”
ヒトが人らしく、あなたがアナタらしく、
「商いの本質」はヒトを大切にし、
ココロを大事にする必要があるのです。
「すべてはお客さまのため」を思い、
ヒトのために労して、対価を得る。
それが、商いの本質。
それは、利益を優先すれば「商いの本質」から
外れるということにつながります。
「すべてはお客さまのため」が本筋であれば、
労働や努力は何のためにするのでしょう?
自分のタメと考えず、全て「お客様のため」なのです。
結果として「利益が得られる」と考える必要があります。
目先の利益を求めずに、「商いの本質」という
「仕組み」を考え、理解する。
それを、私たちの「思い」としなければいけない
時代になってきているのです。