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mikinの勉強部屋

改装し、現在は映画の記憶倉庫。(これは過去です→日々の学習成果を記していきます。少しずつ、着実に…。)

ビデオに録画しておいてあった映画「Il y a longtemps que je t'aime」(ずっとあなたを愛してる)を見ました。フランス映画です。
監督はフィリップ・クローデル。この映画で、英国アカデミー賞外国語映画賞を受賞しています。また、小説家でもあるそうです。
ストーリーは、15年の刑期を得て出所してきた歳の離れた姉を、フランスの地方都市に住む妹が空港に迎えに行き、家に連れて戻ります。そして、妹は、姉の再生活を献身的に支えようとします。
姉は殺人を犯したのであり、妹の夫などは警戒心がたっぷりです。しかし、姉の殺人には大きな事情があり、愛のための殺人だったのです。
出所してきた者が社会で受ける扱いとか、その社会で自立していくこと、心を開いてくれない人を信じて愛すること、などなど、多くのテーマが重奏的に流れており、じっくりと見ることのできるドラマに仕上がっています。
どうして殺人を犯してしまったかが大きな秘密として、この映画を引っ張っていきますが、その秘密が明らかになることで、この姉は次のステップへ踏み出すことができるのです。秘密の告白は、浄化の作用があるのだと思います。
また、彼女たちの母親は痴呆症になっており、専門施設にいます。妹は、その母親の見舞いに定期的に行っていますが、もうその妹さえも、母は娘だということがわかっていません。しかし、姉が訪れると、「ああ、私のかわいいジュリエット」と言って、抱きつくのです。事件以来、姉の存在はないこととして振舞ってきた母親なのにです。
私の祖母も最後は痴呆症になりました。祖母は、実の娘である私の母のことは知らない人としか認識できませんでしたが、私の父のことは、勤め先までよく覚えており、知人としてちゃんとわかっているようでした。この辺の頭の動きって、なんか特別なものがあるのでしょうね。
世の中にはハッピーな話も多いですけれど、この映画の中の登場人物の多くのように(例えば、離婚で子どもと別れ別れになってしまったオリノコ川のことを語る警部、妻を事故で失った妹の同僚など)、人生の中に不運を背負ってしまった人々がほんとうはかなり多いのだと思います。最愛の人をなくすということが、どんなに、人を打ちのめしてしまうのか。これは、最愛の人をなくした経験がないとわからないのではないかと思います。
この映画では、姉は、なんとか心の傷を受け止め、再生活に意欲を見せるところまで描かれて、ある意味でハッピーエンドなのでよかったです。
この人に心を開かない、暗い感じで、知的な感じも受ける主人公の姉役は、「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマスです。この役にぴったりでうまく演じています。他の登場人物も役柄にうまくはまっており、見ていて違和感がなかったです。
とても良い映画です。シリアスな映画ですが、人間ドラマや、愛や孤独ということに関心がある人にはおすすめです。


映画「Wonder Boys」(ワンダー・ボーイズ)をTVで見ました。
キャストが、マイケル・ダグラス、トビー・マグワイア、ロバート・ダウニー・Jr、ケイティ・ホームズ、フランシス・マクドーマンドと大物揃いだったので、期待して見たのですが、はっきり言って、駄作でした。
2000年の映画だけれど、映像が古く感じられ、またショットがTVドラマみたいでした。
監督はカーティス・ハンソン。「L.A.コンフィデンシャル 」や「8 Mile」の監督です。これらの映画は良かったのになあ。
ストーリーは、過去に一世を風靡した作家で、現在教授をしている中年の男と、その教え子で才能を秘めた青年のシリアスコメディです。ヒューマンドラマ的色彩もあります。うまい役者さんばかりで、ところどころコメディとして笑えるシーンもあり、あまり期待しすぎなければ、それなりに楽しく見れるかも。
私は、トビー・マグワイア好きなんですけど、この人って、表情にあまり変化が出せないので、同じような雰囲気の役しかできませんよね。でもそれで、この映画業界にちゃんと生き残っているなんてすごいと思います。


ヴィム・ヴェンダース監督の「ベルリン・天使の詩」。はじめて見たのは、銀座の映画館。とても良い映画として印象に残っていました。見たのは1990年代のことです。
もう一度見たいと思っていましたが、最近TVで放映があったので録画して見ました。「Der Himmel über Berlin」というタイトルで、字幕はオランダ語でした。オランダ語とドイツ語はかなり似ているので、字幕を読んでいると、実際に流れてくる音と響きがあって、いい感じでした。しかし、ダイアローグは詩的なので、オランダ語でじっくり理解するには私の理解力が足りず、いまひとつ堪能はできませんでした。
こういう作品は、良質の日本語字幕があってこそ、十分に味わうことができるのだなと痛感しました。
この作品、映画というより、映像作品という雰囲気です。ベルリンの壁崩壊以前のベルリンの姿が映し出されています。国際的都市の一面を感じさせます。サーカスの踊り子はフランス語を話し、コロンボ刑事で有名なピーター・フォークは英語を話し、そしてライブハウスの観客の声は日本語を話します。
ベルリンの壁崩壊は1989年のことですから、この映画の製作の2,3年後に起こったのですね。
白黒の映像から、カラー映像に移り変わるとハッとします。色、臭い、味、手触り、音、痛み、こういう感覚は、生きているからこそ感じられるものです。あまりにも普通に得られているこれらの感覚の贅沢さを、それらを持たない天使という視点から見ることで再認識させられ、生きるということの豊かさを感じさせてくれます。
この映画のハリウッドリメイク版「シティ・オブ・エンジェル」もとても良い映画です。ニコラス・ケイジ主演で、ストーリーはとてもわかりやすくなっており、おすすめです。