最近は暇があればコーエン監督のDVDを見ていますが、先日、家人が「『The Hudsucker Proxy』って見たことある?」と訊かれて、「ない」と答えて、見始めたのですが、数分見て気づきました。「これ、見たことあるよ。『未来は今』だよ!」。そう、原題は「The Hudsucker Proxy」で、Hudsuckerの代理という意味で、この映画のストーリー、大企業のトップHudsucker氏が突然亡くなってしまったので、ある策略のもと、青二才の男が代理としてトップに据えられ…、どたばたといろいろなことが起こり、というもの。
この代理の男役がティム・ロビンスです。ティム・ロビンスは私はあまり好きではないのですが、この映画ではうまくはまっていました。また、ポール・ニューマンがこの企業の重役役として出演しており、重要な役割をうまく演じています。
時代は1958年。いつものことながら、この時代の雰囲気をよく捉えていて、大道具、小道具が凝っていて、見ていて楽しいです。
コーエン監督作品の中ではトップクラスの制作費をかけたにかかわらず、興行的にはあまり成功しなかったようです。どうしてかなあ。娯楽作品として、かなり楽しめますよ。でも私の頭の中でコーエン作品だとインプットされていなかったように、コーエン作品独自の雰囲気が少し削がれていて、無難なハリウッド作品になっている感じがします。でもそれだけに一般受けするんじゃないかなって思うんですけど。まあ、時間が止まったりするので、ちょっとファンタジーマインドが受け入れられる人じゃないと、「なんだこの映画は!」なんて思うかもしれませんが…・。
脚本は、イーサン・コーエン、ジョエル・コーエンにプラスして、サム・ライミが加わっています。空中に宙ぶらりんになるシーンがあるのですが、スパイダーマンのことを思い出してしまいました。
この映画で特に印象に残ったのは、音楽の使い方。うまいです。古典的な音楽をアレンジして使っているのですが、シーンにマッチしていて、感情を盛り上げます。そして、とてもコミカルな感じが醸し出されています。音楽の担当は、カーター・バーウェル。ほとんどすべてのコーエン監督作品の音楽を担当しています。
1958年頃、また手作業と機械が全盛な時代の話です。機械も時計のように見ればなんとなく仕組みがわかるようなものばかり。でもだんだん世知辛くなってきだした時代のことですが、この映画、ちょっとほのぼのとした雰囲気があり、それも良い味です。