「数学力」や「数学センス」といった言葉がよく使われますが、よくよく考えると曖昧な言葉ですよね。
数学センスを良くしたいというのは、要するに「どうすれば数学ができるようになるのか?」を知りたいのだと思いますが、数学ができると言ってもいろいろな段階があります。
苦手を克服するのか、そこそこできる人が学年トップクラスを狙うのか、中学ではなく高校数学でも通用する力を身につけたいのか、もっと先の大学を見通してなのか、さらに広く人生で役立つ数学的思考力を指しているのか。
目指すものによってその内容が変わってきますし、それに合わせて勉強法も変わってきます。もちろん共通する部分もありますが、まったく一緒では無いのです。
・・・などと書くと余計に分かりにくいですね(笑)
ただ、素人が同じ1つのものとして定義するものを、プロとしては細かくとらえることができるようでないといけません。患者が「腹痛」と認識するものを、医師がもっと細かい臓器ごとの病名が診断できないといけないようにですね。
ですから、親であれ教師であれ「教える立場」になるなら、こういうことも踏まえて教えないと、教わる生徒がかわいそうです。よく分からない大人の自分勝手な教え方で混乱させられたり、不幸な結果になったりする生徒は毎年山のようにいるわけですからね。
そのため、どういった力を目指すのかによって話が違ってくるのですが、とりあえずブログテーマに沿って「中学数学」ができるようになるという意味での数学力・数学センスについて話してみます。
中学校で問われる数学力は、大まかな単元(分野)で言うと「計算」「方程式」「関数」「図形」「証明」「確率」「規則性」・・・といったあたりです。
(他にも細かいのはありますが)
後はこれらを長い文章題にして出題すると難易度が上がります。そして、複数を融合した問題になるとさらに難易度が上がりますので、入試対策としては欠かせません。例えば、関数の中に三角形や四角形が出てきて、その面積を求めたりする問題ですね。しかもその途中で相似や三平方をふんだんに使ったり、出てくる図形が空間図形になると最難問のレベルになります。
といっても、入試では小問がヒントになっていますから、それに沿って解いていけばものすごく斬新な発想とかは必要ないです。つまり、大学の数学科で問われるような、0から1生み出すような発想力はいりません。あくまでも「予想の範囲内」で話は進んでいきます。
ただし、親や教師から見れば「予想の範囲内」でも、生徒から見れば予想不可能です。これは単純に数学センスの差もありますが、経験の差も大きいです。やはり、1度解いたことのあるパターンの問題は解きやすいですからね。まったくの新傾向問題だと、教師でも苦戦することはあります。
ですから、一番確実に得点力を上げたければ「1度解いたことのあるパターンの問題を、事前に増やしておく」ことです。問題を見たときに「うわっ、なんだこの問題!?」となるのではなく、「ああ、これは前に見た問題と似ているな。ここなんかそっくりだぞ」と感じられるようになれば良いのですね。そうすると、問題に多少の違いはあっても、まったく手がつかないことはなくなります。
これがあるため、塾なんかでは「とにかくたくさん問題を解け」と指導されがちです。大量の問題を解いていけば、解いたことのない問題は自然と少なくなりますから。
ところが、これは勉強法としてはちょっとずれています(笑)
なぜなら、教師はずっと教師ですが、生徒はたった3年しか生徒でいられないからです。
例えば、融合問題が解けるためには、融合される前の該当単元を全て学習した後でないといけませんよね。そして、最もよく出題される相似や三平方などは中3の終わりごろに習います。すると、融合問題を実際に勉強できる期間というのは、想像するよりはるかに短いです。
何年も同じ教科ばかり専科で教えているような学校や塾の先生は、実際に何年分もの入試問題を解く経験も自然と持つわけですよね。そうしたバックボーンがあれば「同じパターンだ」と思えるのは当然で、別にすごいことでも何でもありません。しかも教師になれるくらい数学が得意な人ですからね。「たくさん解けと言われても、1問1問に時間がかかって全然解けない」というような苦手な生徒の気持ちが分からないことも多いです(笑)
一方で、生徒は5教科全てを勉強しないといけません。他の教科も授業やテストはありますし、部活やクラブもあります。習い事をしている生徒も多いです。決して、数学だけをやっていれば良いわけでは無いのです。
その教科だけにかかりっきりでいられる教師が成功した方法を追体験する方法は使えないのですね。
それでは、どうするのでしょうか?
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