国内の放射線治療の施設数方針と奏効率の各論、及び評価の困難さ、などを概観した。
それらは全て、本記事で私の見解を述べる為の「準備と言い訳」として用意したものである。

私の再発時に示した様に放射線治療の適応は「肺癌で言えばIII期まで」とされており、
再発・転移に対する治療選択肢として、その評価は定まっていない。(下図参照)
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-肺癌治療の流れ

抗癌剤や放射線のそれぞれには専門医が居るが、両方に精通した医師を私は1人も知らない。
初回治療で治る少数の患者以外は皆、自分で「集学的な治療」を設計する必要がある。

放射線治療は多様な患者に適応されている。データベースが整理され実際の評価が定まるのを
待っていたら大半の患者は利益を得る前に死んでしまう。5年どころか5週間すら待てない。

そういった国内の癌患者が置かれている状況を鑑み、非常に不本意ではあるが、
「本来は10年研究した後でなければ」言ってはいけない、私の「予断」を下表に示す。
ガイドラインや(専門医を含む)医師の見解に部分的に反することは承知の上である。

勿論、各病院が思い思いに「語る」エビデンスとやらも殆ど重視していない。
あくまでも、これまでの私の患者としての経験と調査の中で、
「私が10年研究すると、多分この辺りに落ち着くのでは?」と思う想像値である。
(表中の間接効果、直接効果については「Why carbon?」記事参照
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-local090115

改めて感じるのは「陽子線治療の中途半端さ」である。恐らく有害事象において、
良好な性能を持ちながら、費用の割に効果が薄い。陽子線を2台建設するくらいなら
重粒子を1台作り、2交代で対応した方が合理的である。(と私は勝手に思っている。)