遠隔転移・再発癌の治療方針は限られている。私の場合は元々IV期でもあり順当には化学療法の
セカンドラインが候補になる。添付図は2007年現在コンセンサスが得られている?
治療の流れである。当然ながら私の様なケースに対し寛解につながるルートは示されていない。
肺癌治療の流れ

以下は主治医及び国立がんセンター肺外科医、放射線医師等との相談、ネットなどでの調査の結果、
私が得た治療候補案と考え方である。

案1.追加化学療法:
   タキソールと同様の作用機序を持つドセタキセルが第一候補。他順当な案としてTS-1。
   白金製剤は初回治療でhigh doseに行った為蓄積効果を考えると避けたい。となると、
   ジェム+白金系等も優先度は下がる。骨髄抑制は80%回復したがもう少し休薬したい。

案2.分子標的剤:
   イレッサはやはり扁平上皮癌に対し打率が低い。タルセバはEGFR異常が無くても効く?
   という説もあるが状況から考えると「今は保留」が適当か?

案3.手術:
   外科的な難易度は高くはない。通常IV期患者に適応性は無いが、かなりの著効例である。
   患者希望があれば手術を行っても良い。ただし元々の腫瘤の大きさと悪性度を考えると
   組織を外科的に剥がすのは困難と予想される。従って、
   肺の一部、胸骨、血管(バイパス)、リンパなどかなり広範な除去手術になる。
   浸襲が大きく術野以外の再発があった場合マイナスに作用する。仮に再発が無くてもQOL
   は相当に低下する。将来的なサルベージ手術の際不利益になるかも知れないが、昨今の
   データや「手術規模vsメリット」から考えると先ずは放射線が第一選択肢では?

案4.放射線:
   リニアックの3Dなら国立がんセンター中央病院でやれる。但し場所が悪く胸骨と脊髄への
   ダメージは避けられない。陽子線は東病院でも実施されているが末期からの著効例に対する
   適応性は問い合わせてみないと判らない。重粒子線治療は原理的に効果が高そうであるが、
   晩発毒性に対する知見は研究段階にある。また陽子線同様、本ケースへの適応性は不明。

案5.免疫療法:
   WT1ワクチンなどは私の印象では評価できそうである。(ただし散々迷った結果)
   抗癌剤投与を最大負荷で行い、未だ2ヶ月しか経っていない。将来的な選択肢か?

案6.ラジオ波 and/or 凍結療法:
   原発巣が面していた領域はかなり広く形状も複雑。部分的には効果がありそうだが、
   広範囲な制御には失敗する可能性が高い?

案7.カテーテルガイド抗癌剤導注法:
   領域の広さと形状、さらに骨面への薬剤分布の是非など考えると効果は疑問?
   局所治療ならより確実性のある手法が良いのでは?

案8.経過観察:
   仮に次回PETで集積度が上がったとしても放置し、他病巣の様子を見るべきでは?
   体力の回復を待つメリットもあるし対策をより精度良く決められるハズである。

再発が疑われる部位は「胸骨の裏」「気管や食道との間」「胸骨面に連続」で「浸潤」が疑われる。
仮に私が癌細胞ならやはり「この場所」に隠れるだろう。我ながら大したモノである。