旧アニメ『S』のクライマックスがイイ感じだった話 | スタジオ カノープスsatellite
こんにちは!スタジオ カノープスの
旧アニメに愛が大爆発で長々とブログを書いてしまっているほう、
水月麻里央です!


前回、ミュージカルの無限学園編のストーリーが
アニメと設定が違ってなんかよく分かんなかった、と書いたのですが、
逆にアニメの『S』って良い感じにまとまっていたんだなぁ
と改めて感心しました。

ええ、アニメも長らく「最後、なんかよく分からん」と思ってたんですが。
比較できるものが出現してしまったため、現在私の中で
旧アニメ株が一気に上昇中です。

このアニメ『S』終盤の話は、以前小説本のあとがきでも
ちょこっと書いたのですが
今回は自分でももっと納得するため、詳しく整理します。
長いです。




*・:★:・*・:★:・*・:★:・*・:★:・*・:★:・*・:★:・*・:★:・*・:★:



まず、3つのタリスマンの設定ですね。

アニメは3つ揃ったら聖杯が現れる という…
『聖杯』もよく分かんないんですがなんか無限のパワーを持つとか。
それを使えるのはメシアだけ。


世界を沈黙から救えるのは聖杯を使うことができるメシアなので、

ウラネプはタリスマンを(『S』前半)

メシアを(後半)探してると。


前半、ピュアな心の結晶の持ち主が死んでも!なんとしてでも集める!
とあれだけ悲壮な覚悟でやってたタリスマンが
実は自分の中にありましたー
っていうのは
概要だけ書いたらそこそこ茶番ですが、

それを110話のような話にまとめた幾原監督、すごいですね。

作画のとみながまりさんや声優さんの力もすごかったんですけど。
奇跡か。


そして話がなんかよく分かんなくなった『S』後半。
後半というか、123話~124話ですね。

なんかよく分かんなかった原因は、

ウラネプがずっと「沈黙のメシア=セーラーサターン」
という認識で進めていた話が、

途中「沈黙のメシア=ミストレス9&ファラオ90」
説明もなくすり替わってしまったところですね。



『サターンが覚醒したら世界の破滅』とか、
「消去すべき究極の悪」「こいつは悪の根源」(122話)とか
言ってましたからね。

↑ウラネプがなぜこんな認識でいたのか謎。


実際にはちびムーンのピュアな心の結晶(←銀水晶じゃない)を
取り込んで、ミストレス9が覚醒して、
ミストレス9「われは沈黙のメシア」
という流れです。




では124話を細かく見てみましょう。

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
画像はすべて

なかよしメディアブックス47
アニメブックス美少女戦士セーラームーンS 第7巻

講談社:発行


より、引用させていただきました。
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─



無限学園内部で、土萠教授が器になった
ダイモーン・ゲルマトイドと戦うウラネプ。

むげん0

タリスマンでグッサーーー。

ていうかそれ鞘だったんですか。


むげん1

元に戻った土萠教授は放置で先へ進むウラネプ、非情w



むげん2

覚醒したのはサターンじゃない
沈黙のメシア・ミストレス9でしたが、
殺る気満々のウラネプ。



ミストレス9は「聖杯をよこせ、聖杯があればタウ星系の
マスターファラオ90が出現して世界が沈黙に」
とか言う。

このへんでもはや沈黙のメシアがミストレス9なのかファラオ90
なのかもよく分かりません。
雰囲気的に
沈黙=ファラオ90
のメシア=ミストレス9
かな…?

むげん3

あっさり拘束されるウラネプ。


首締められたウラネプを助けるために、

むげん4

聖杯を出そうとするムーン。



そこへ土萠教授が。

むげん5


ウラヌスにぶっ刺されたとき剣がダイモーンの卵を
貫通してました。
それにより教授は正気に戻った雰囲気。
あとの展開を考えると、意外にウラヌスGJ。


む8

土萠教授が容赦なくやられます。
そしてその時、ミストレス9の中の
ほたるちゃんが反応。
それを察知したセーラームーン。
(ここ重要)


む7

聖杯を出す。


む9

ウラネプは非難囂々。

でもこのシーン、この前のミュージカルでは
ミストレス9の中にほたるちゃんがいるなんて描写は1ミリも無く、
ムーンがなんの根拠もなしに
「ほたるちゃんは生きてる!」って言い張って
銀水晶(聖杯ではなく銀水晶)をミストレス9に
差し上げてました。


アニメはほたるちゃんがいるって確信して、聖杯を差し出す。

これは、ミュージカルとアニメで行動の意味が全然違います。



む12

そして聖杯を、土萠教授に渡す。

ミストレス9にあげたんじゃありません。
娘を想ってボロボロになってる父親に渡す。
ここもちょっとの違いですが、
この違いもとても重要だと思います。



む10

ミストレス9は土萠教授から聖杯を受け取りソッコーで装置にセット。
そらそうだよねー。
聖杯消滅。
ファラオ90が出現~~~。


む11

ミストレス9もふっとぶ。
のですが、それを土萠教授がかばって、
そんな親子をムーンが身体を盾にして守る。


このころ、外では内部戦士の皆さんボロボロになってます。

ムーンも聖杯が無くなったのでスーパー化できません。



土萠教授にハグされて、ほたるちゃんとパパの回想。

む13

ミストレス9が抵抗するも、

パパとちびうさちゃんを
想うちからで


む14

セーラーサターン覚醒。
バーーーン!


サターンがちびムーンのところへ心の結晶を返しに行ってる間に
無限学園付近では
ファラオ90が出現、勢力を増長して巨大化。

もう手だてがない、と世界の終わりが大決定
したもよう。


む15

さすがにやさぐれるウラネプ。




む16

そこへサターン降臨。




ここが、視聴者おきざり超展開だと思うんですが、
サターンが
「私は星一個破壊するくらいの力があります。
 力を使ったら私は死にますけど、スーパー変身できない
 ムーンの代わりに私がファラオ90の中に特攻して
 世界を守ります、さよなら」
(要約)


えっ、この子、別に世界を滅ぼす気ぜんぜん無いじゃん??

サターンが覚醒したら世界が終わりってフレーズはなんだったの??

「消去すべき究極の悪」どころか!
逆に身を犠牲にして世界を救ってくれるたいへん良い子ですよね??

↑この辺が見た当時よく分からなくて混乱しました。


今見返して、勝手な想像ですが
サターンは覚醒したら世界だか星一個だかを滅ぼさないと
いけないんだけど、
ミストレス9に支配された時に
ムーンがほたるちゃんを信じてくれたり、
聖杯をパパにくれたり、
身を挺して自分とパパを守ってくれたり、
こういう事があったので、
私はセーラームーンの味方をしますって
気持ちになったのかもしれないですね。

126話でネプチューンが
「破滅の戦士まで味方にしてしまうお方ですもの」
って言ってたしね。




サターンがファラオ90の中でなんかやってるっぽい時
必死で変身しようとするムーン。

む17

名シーン。


ここで内部ちゃんたちとウラネプのティアラの石が光る。

む19

このシーンも説明がないので勝手に想像します。
まあ内部戦士はムーンのピンチに無条件で協力するでしょうけど、
ウラネプはなんで同調したんですかね。

上記の流れでムーンに対して思うところあったのか、
必死でクライシスメイクアップを叫ぶ姿に同情したのか、
セーラー戦士はプリンセスのピンチに自動的に
パワーを搾取されるシステムになっているのか(オイ)、
ウラネプの石も発動。

ムーンは二段変身。

ファラオ90の中へ。




中でなにがあったかは不明ですが、
ムーンが赤ちゃんを抱いて帰還。



む20




おわり。


個人的にはファラオ90をやっつけたのはサターン、
そしてサターン死亡後、強引に赤ん坊にしてまで
取り戻してきたのがスーパーセーラームーン、
だといいなぁ。
なんとなく。




こうして眺めると、
アニメのムーンは敵に銀水晶をポンポン渡す子じゃなくて
好感がもてます。(笑)

ミュージカルはバンダイ版もわりと銀水晶をあげる子でした。
銀水晶だと、イコール ムーン死亡・内部も精神的に死亡
(たまに本当に死亡)で
そんな手段を取るのはなんだかなーーーって。
目先のことしか見えてないっていうか。
そんな子を未来でクイーンにして大丈夫か、って気持ちに。

未来が心配なのはアニメもなんですが、
アニメはウラネプの心情も、ムーンの心情も土萠教授も
ほたるちゃん/サターンの心情もとても自然。

沈黙のメシアが『セーラーサターン』から『ミストレス9/ファラオ90』
にすり替わるあたりだけはっきりさせて貰えば、
どのキャラの行動も
とくに不自然じゃないですね。



そう、沈黙のメシアがサターンだとか、
サターンは覚醒したら世界を滅ぼすとか、
↑全部ウソ情報で、ウラネプがウソ情報に踊らされてた!!!
ということにすれば。

つ… つらい……(笑)

タリスマンも、心の結晶を取ったら「死ぬ死ぬ」言ってて
どんな犠牲を払っても…とあんなに悲壮感を漂わせていたのに
ぜんぜん死なないしな!
なんだったの!!

まあ… そのへんは無駄に苦労させられた理由とかも
二次創作で捏造して補完すればいい…
と思うんですけど。



むしろ、アニメはあんな無茶な設定を
よくこんな上手くまとめたな!と感動します。
ネルケのミュージカルと描かれてることが
全然違うよ!!!
(ここが、私がネルケのストーリーを受け付けなかった
 理由ですね)

ムーンはそんなにアホの子じゃなかったし!!!
良かった!!

アニメのスタッフさんに、今更ながら大感謝です!!!
遅い!すいません!








☆・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆




余談です。



アニメのこういう話の流れがいまいち頭に入ってこなかったのは、
たぶんこのネプチューンのせい。
  ↓
mu30

このスカートの絶妙な破れ方のせい。

これに目を奪われて全部持っていかれてしまってなぁ……。

みちるさんの水着姿なんてたくさんあったし、別にこのあたりの
肌色は前にも披露されているのに、
この破れたスカートのエロスのエクストリームさよ……。

エロスの奥深さ、勉強になります。


そんなわけで、
アニメの『S』のラストは、ウラネプが偽情報に惑わされた残念な子たち
とすれば丸く収まると。(笑)

つ… つらい……(笑)






次回はできれば
セラミュー・バンダイ版『無限学園ミストレス・ラビリンス』の
クライマックスについて。

こちらは、サターンが覚醒した時の絶望感ハンパなかった!

マジで1回世界終るし。

セーラー戦士も全員死ぬし。(一瞬だけど)

だけどそこから強引に大団円に持っていって終る感じ、
好きでした。



ていうか
私が『S』の話がウラネプ主役で好きすぎなのか。
ですね。