天空海闊(てんくうかいかつ) -10ページ目

8 林 柊太

次の日、北斗が部室に入ると
1年の林柊太(はやししゅうた)がニヤニヤと近づいてきた。
柊太は制服やユニフォームですらオシャレで着こなし
センスのよさを感じさせるが
ちょっと釣り目で小生意気そうな顔立ちに合って
性格の方も気が強く毒舌で、
特に北斗に対しては常にからかうような態度を取っている。

柊太「草野せんぱーい!昨日は草葉の陰から見守らせてもらいましたよー」
北斗「お前は死んでるのか?」
柊太「あれ?よく間違いに気付きましたね?」
北斗「僕をバカにしてるのか?」
柊太「はい。よく気付きましたね?」


天空海闊(てんくうかいかつ)-8-01


天空海闊(てんくうかいかつ)-8-02


北斗「おーまーえーなー!」
柊太「そんな怒んないで下さいよ!冗談じゃないですか~。
昨日あんな即答でお断り…プッ…されてたから
元気だしてもらおうと思っただけですよ~ププッ
あ、あんなに自信満々で出ていったのに。ダメだ我慢できない。
あーははははは。」
北斗は涙目で「キ、キャプテーーン。柊太が柊太がぁぁぁぁぁ」
キャプテン「柊太、あんまり傷口をえぐるような事を言うな」
柊太「すみません。だって、
-僕が声かけてついて来ない女の子なんかいないよ- 
なんていつも言ってたんでつい。」
北斗「ぐすん。今日は、お前の番だろ。早く行けよ」
柊太「じゃ、草野先輩の敵を討ってきてやりますよ」

1年 林 柊太(はやし しゅうた)の場合


天空海闊(てんくうかいかつ)-8-03


空に見つからないようにこっそり帰ろうとしている海を見つけた
柊太は後ろから肩を叩いた。
柊太「佐伯さん?」
海「わっ!びっくりした~。」
柊太「ごめん。何してるの?」
海「えーと。」
柊太「あ、俺、1年の林柊太。お兄さんと同じバスケ部の」
海「それは兄がいつもお世話になってます(深々と頭を下げる)
ところで、この辺で兄を見かけなかった?」
柊太「いや、この辺にはいなかったよ?」
海「そう。じゃ、今の内に急いで帰らないと」
柊太「あ、ちょっと待って話があるんだけど」
海「マネージャーならやらないよ。」
柊太「え?なんで?」
海「学校ではできるだけ兄と関わりたくないの。静かな高校生活を送りたいのよ。
やばっ。見つかった」

天空海闊(てんくうかいかつ)-8-04



遠くから空が猛ダッシュで
「うーーーーみーーーーちゅわーーん見~~~~っけっ!
一緒にかえ~~~~~ろ~~~~~」
逃げる海「一人で帰れ~~~~~~」

ポツンと取り残された柊太は、
全く相手にされなかった現実を受け止められず
嵐のように過ぎ去っていく海の後姿をボーッと見つめていた。
「…佐伯さん。足速ぇな。」


天空海闊(てんくうかいかつ)-8-07


林柊太 敗北。



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