聖飢魔II
カナダ、バス、トウモロコシ
龍ヶ谷ヒルクライム
先日は朝の補給不足でハンガーノックに陥ったので、出発前にたくさん食べた。前回は平地だけだったにも関わらず70kmでヘロヘロになった。しかし、今日はヒルクライムを含む100km超(行きも帰りも向かい風)で、平均速度も前回とそれほど変わらなかったが、バテずに走れた。補給の大切さを知った。
先輩と合流後、若干の向かい風の中25~28km/hくらいのスピードで荒川CRを走っていると、6人のローディー集団に抜かれる。集団は28~30km/hで走っている。いけるところまでついて行こうと思ったら、意外とついていけた。風よけになってくれるのでなんか楽。結局、進路が分かれるまでの10kmくらいついていった。
荒川CRをはずれて物見山へ向かおうとするも、道が良く分からないのでスマホで道を確認していると、後ろから6人ほどの赤ジャージ集団がすごい勢いて走り抜けていった。あの赤集団も物見山方面に行くに違いない!と思ったので、集団が信号待ちをしているとき、「物見山方面に行かれますか?」と聞いてみると、「うん、行くよ。ついてくるといいよ」と非常に気さくな感じで言って頂けたので、ありがたくついていくことに。しかしこの集団、さっきの集団よりも速く、時速30~35kmで走行してるんですけど…。まぁ、ついていけなかったとしても、少しでも目的地に近づければいいか、くらいの軽い気持ちで行けるところまで行くことに。トレインの最後尾で何度か引き離されそうになるものの、信号や踏切のタイミングで程よく休めたので、物見山のふもとのコンビニまでついて行けた。
コンビニで定峰峠に行くという話をすると、「近くまで行くからそこまでついてくれば?」と言ってもらえたが、すでにちょっとグロッキーでついて行く自信がない。「遅かったら置いて行ってください」と伝えて、ついて行かせてもらうことにした。
物見山を越えたあたりから少しずつ坂が増え始めた。能力の差を感じ始め、これ以上ついていくと迷惑をかけてしまうと思ったので、「今までありがとうございました。もう我々には構わず先にいってしまってください」と、負傷兵のようなセリフを残してフェードアウト。ペースを落として再び先輩と二人旅になった。ところが、しばらくこいでいると、分岐点で先ほどの赤集団の最後尾の二人が待ってくれているではないか。
「これから山登りするんだけど、せっかくだからついて来なよ」
(ちょっと待って下さい。すでに太ももがプルプルなんですけど)、と思ったが、結構な時間待ってくれていたっぽいし、道もしばらくは一緒だということだったので、覚悟してついて行くことにした。話によると、この先の龍隠寺という寺が先頭集団との待ち合わせ場所らしい。「龍隠寺に着けば休憩できるからさ。なぁに、龍隠寺はすぐそこだよ」ということだった。この赤ジャージ集団の「すぐそこ」が、100m先なのか、1km先なのか、10km先なのか分からなかったが、深く考えるとメンタルがやられるので、「すぐそこなんだな」とだけ思うことにした。
さっきよりもキツイ斜度の中、えっちらおっちら登って龍隠寺に着いたが、先頭グループはすでに出発してしまったようだ。後ろの二人は我々を待っていた分タイムロスをしているので、先頭集団は先に行くことにしたのだろう。
「あ~、先に行っちゃったみたいだね~。頂上で待ってると思うから、そこまで行っちゃおうか」と、「靴ひもがほどけちゃったから結んじゃおうか」的な軽いノリ。(ちょっと待ってください。さっきよりも太ももがブルブルなんですけど。というか休憩はしないのですね?)と思ったが、早く追いつかねばならないような空気が漂っている。その原因が我々にあるような空気が漂っている。ここまで来てしまったらもはや後戻りはできない空気が漂っている。そう、最初に信号で「物見山方面に行かれますか?」と話しかけた時点で我々の運命は決まっていたのだ。
そしてここから本格的なヒルクライム開始。すでに平地でのキャパを超えた巡航で足は十分に削られていたが、まだまだ序盤。コース料理で言えば前菜とスープを食べたに過ぎない。これからがメインディッシュなのだ。こってりとした肉料理とパスタとデザートが待っているのだ。
平均斜度8%。もはや歩いた方が速そうなスピード。もちろんギアは一番軽くしているが、余裕で激重。滝汗を流しながらのヒルクライム。風景を見る余裕などもちろんない。心拍は常時160後半~170。一番キツイときで180。心拍180を見るのは初めてだったので驚いた。何度も足を地面に着きそうになったが根性で耐えた。そして頂上到着。疲労で頭は真っ白。頂上で待つ先頭集団の方々の笑顔がまぶしかった。

梅本線、奥武蔵グリーンラインを経て関八州見晴台。下りは足は楽だったが、ブレーキをずっと握っていたので手は辛かった。あっという間に下りきって昼食。
昼ご飯。甚五郎といううどん屋で地獄うどん(極楽うどんもある)を食べた。朝もうどんだったが全然問題ない。なぜなら、グロッキーなのでうどんみたいにつるんとしたもの以外は食べられなかったからだ。ピリ辛でおいしかった。ローディーがたくさんいたので人気店なのだろう。
その後、埼玉の自転車乗りには有名なパン屋「しろくま」であんパンを食べた。これがメチャうま。今まで食べたアンパンでたぶん一番のうまさ。さっきうどんを食べたばかりだったが、普通に食べれてしまった。パン生地は白パンでモチフワで温かい。中にモチが入っているのだがこれが絶妙で癖になるおいしさ。ぜひまた食べに来たい。
その後も赤い集団は元気にビュンビュン飛ばし、最後尾で必死についていった。そして連絡先を交換してお礼を言ってお別れ。やっと楽になったと思ったが、向かい風というデザートが残っていた。すでに赤い集団はいないのに、なぜか全力でペダルを回さなければ気が済まなかった。
本日の走行距離は120km。集団と一緒に走ると、一人で走るよりもずっと良い練習になる。ただ、今日は練習というよりも、11月から名古屋に転勤する先輩と最後のサイクリングを楽しむファンライドのつもりでいたのだが…。しかしこれも何かの縁だと思い、また混ぜてもらおうと思っている。とりあえず次回までにBike能力を上げておかねば…
土曜日誌
カメラによる撮影行為は、あらゆる所有を擬似的に可能にする。神聖な偶像、立ち入りを許されない領域、他人の墓、あるいは手の届かない憧れの人、一切が(擬似的に)あなたのものになる。世界を思うがままに切り取り、自分の一部として同化させていくことで、自分以外のあらゆる他人、物、などが絶対に乗り越えられない断絶の向こうにあることを忘れさせてくれる。
現実においては絶対に到達不可能な異物は、カメラが生み出す「ナルシシズムの夢」の中では全てあなたの一部だ。
大衆は激写する。全てが自分の一部となるように。不可侵なものなどなくなってしまうように。埋められない断絶を尊重することの喜びを知らず、それを自由にさせることを乳飲み子のようにただの屈辱としか感じられず。
「全てが平均化されてしまえ。全てが私の日常の一部になってしまえ」
彼らの、憎悪に満ちた叫びが今日もどこかで響いている。








