おいしいジェラートを楽しんだ後

元々は予定してなかったけど

時間もあったので立ち寄りました

 

『奄美大島紬村』

 

本場奄美大島紬の織元が

運営する大島紬の観光庭園

 

 

ショッピングはもちろん、工房の製造工程見学や

泥染め体験(要予約)などもできます

 

 

え…真顔

 

ちょうど製造工程見学ツアーが

始まる時間だったので参加することに…

 

 

見学料 500円/人

 

ショッピングのみの場合は無料です

泥染め体験(別料金・要予約)は

この日すべて満席でした

 

建物の屋根も大島紬柄でステキラブラブ

 

ツアーは園内を徒歩で回りながら

ガイドさんが工房や製造工程について

丁寧に説明してくれます

 

そもそも大島紬とは?

大島紬は、奄美大島を発祥の地とする絹織物で

約1300年の歴史がある日本の伝統工芸品!

 

絹100%、先染手織り、平織り、

締機(しめばた)の手作業による加工、

手機(てばた)での織り上げ、という

と明確な定義も定められていて

フランスのゴブラン織、
イランのペルシャ絨毯と並んで
世界三大織物に数えられています
 
大島紬の特徴として、表面の質感がなめらか、
軽くて着心地が良く冬に着ても寒さを感じない、
生地に裏表がなくて丈夫、着崩れしないということで
「着物の女王」とも言われています!
 
実は鹿児島市や宮崎県でも作られているのですが
奄美大島で作られた大島紬は特別で
『本場奄美大島紬』という認定マークが
付けられていて、価値が高く高級品とのこと
 
4組ぐらいのグループで早速見学へ…
 
『泥染め技術保存館』
これだけで絵になる…ラブラブ
 
絹糸を染め上げる
シャリンバイ(奄美名:テーチ木)を
煮込む作業場です
右の大きな籠に入っているのが
シャリンバイというバラ科の植物を
チップにしたもの
これを左の窯に入れて15時間以上煮込みます
 
それで煮出した液体に絹糸を浸け、染めます
 
シャリンバイに浸けて乾かす→シャリンバイに浸けて乾かす
を数回繰り返したあと、さらに泥田で泥を刷り込んで
絹糸を染めていくとのこと
 
ほーほーと説明を聞いていましたが
上を見上げて驚愕の事実を知りました…
 
 
大島紬の特徴的な黒色に染まるまで
なんと、シャリンバイ80回泥田5回もの
作業が繰り返し行われるとのこと!!!
 
80回って…ゲッソリ
 
シャリンバイ20回の糸と80回の糸では
色が全然違うのが分かります
まず、大島紬の素材となる糸を染めるだけで
かなりの時間がかかるとのこと
 
建物を出ると、泥田がありました
 
見学者が来たら動き出す?職人さん(笑)
 
シャリンバイで規定回数染めた絹糸を
泥田でさらに染めていきます
 
泥を足で撹拌しながら絹糸に揉み込む作業
ずっと中腰のため、えらい重労働だとか…
 
シャリンバイに含まれているタンニン酸色素と
泥田の中の鉄分等が化学結合を起こすことで
深く光沢のある渋い黒色に染まるとのこと
それがいわゆる泥染めと呼ばれる所以
 
泥田での糸染めは、繰り返すうちに徐々に鉄分が減少し
色の反応が悪くなるため、別の泥田に移動するそう
 
鉄分が減少した泥田は、周りに生えているソテツの影響で
少しずつ鉄分が補給され、復活する仕組み
 
こちらはヒカゲヘゴという木
 
 
他にもいろいろなお花が咲いていました
 
 
 
次に訪ねたのは『伝統工芸職人の館』
締機(しめばた)の作業が行われています
 
大島紬製造の最初の工程、
糸の模様を造る作業です(糸を染める前の作業)
 
大島紬は、まず織物のデザインをして設計図を作り、
その仕上がりのデザイン設計図を基に、
この締機という技術で糸の染める部分と
染めない部分を分けていきます
 
私、ここにきて初めて知ったのですが
大島紬は、布を染めているのではなく、
布になる前の状態である絹糸そのものを
設計図に沿って1本1本染めているのです!ポーン
 
意味わかります??
絹糸1本1本ごとに染める箇所が違うんです!
染まった部分が異なる絹糸を織ることで
自然とデザインが完成される仕組みです
 
だから、この締機の作業はとっても重要!
ここで間違うと、すべて台無しに…滝汗
 
なんて作業だ…
 
糊張りした絹糸の絣模様となる部分に
木綿糸を織り込んで、筵状(むしろじょう)に仕上げます
木綿糸が織り込まれた部分が
染まらず白く残る部分になるというわけ…
分かりやすく言うと、絞り染めの絞る部分…でしょうか
 
締機は力作業なので男性の職人さんが
担当されているそうです
 
図案と設計図

糸1本1本に施される、絣模様のひとつひとつを

方眼紙に表現しています

その模様を見ながら締機作業を行います

 

締機で絹糸と木綿糸を組み合わせた
絣筵(かすりむしろ)が完成すると
最初に見学した糸染め(シャリンバイ+泥田)が行われます
 
糸染めのあとに行われるのが、染めた絣筵を解く作業
 
締機の工程で織り込んだ木綿糸を
専用の道具で切って取り除き
染まってない部分を露出させる作業です
 
間違えて絹糸の方を切ったら…と思うと恐怖滝汗
 
これは見学用の糸だと思いますが、よく見ると
染まってる部分、染まってない部分があるのが分かります
 
そして絣筵を解いた後に行われるのが
「捺染(なっせん)」と呼ばれる刷り込み染色の工程
この図案に沿って、染まっていない白い部分に
染料を塗り付けます…
ってか、この図案…すごすぎる
 
そうやって色差しを終えた絣筵をほどくことで
絣糸が完成します!
 
この時点でやっと糸が完成…笑い泣き
 
この後も「糊付け+水洗い」など
いくつもの工程が行われます
 
そうして手織りの工程に進むわけですが、
経糸と横糸(緯糸)は1本ずつ織る場所が決まっているため、
(すでにそうなるように染められているから)
図案に合わせて順番通りに糸を配列する作業があります
 
そして、ついに、やっと手織りの工程となります笑い泣き
 
 
糸自体がすでに染色されているので
普通に織っていけばよいのかと思いきや
その日の気候によって糸の張り方が変わるので、
織っていくうちに柄が微妙にズレてしまうらしい
 
少しのズレが数段先には大きなズレとなり
取り返しが付かなくなってしまうとのこと
 
少しでもズレると、1か所ずつ指や針を使って
細かく手直ししながら丁寧に織り上げていくので
1日8時間作業をしても30cmほどしか
織ることができないとおっしゃっていました
 
とにかく細かい図柄を確認しながら
寸分も狂わず織る必要があるため
かなり神経を使う作業だと分かりました

見ているだけでも目がチカチカする…

老眼にはキツそう~
 
さて、途中で糸が切れた場合はどうするか?
すでに糸にはデザイン通り染色されているため
結んで修正するなどはNG
(糸が短くなるのでデザインが崩れてしまう)
 
そういう場合は、織機の横に予備として
染められた糸の束が備え付けてあるので、
そこから切れた糸と同じ染色の一本の糸を探し出し
織り直すとのことです…滝汗
 
完全に熟練の職人の技!
お伺いしたところ、キレイに織れるようになるまで
やはり10年ぐらいはかかるそうです笑い泣き
 
こちらは『龍郷柄』という図柄で
ソテツの葉とハブの背のウロコ模様を意匠化したもの
 
この大島紬村がある龍郷町で考案されたもので
大島紬の伝統的かつ代表的な図柄です
 
こちらでは別の柄を織られていました
 
全500工程にも及ぶ大島紬、
反物1反の製造に1年以上もかかる場合もあるそうです
 

いや~、大島紬の製造工程、

はっきり言って想像以上でした!!
 
大島紬の存在や高価なことは知っていたけれど
見学するまでは「奄美大島の特産品でしょ~」
ぐらいの感覚でしたあせる(土下座)
 
そもそも世界三大織物の一つだというのも
図柄に合わせて糸1本1本を染色するというのも
知らなかったし
完成までに気の遠くなるような時間と工程を経て
かつ職人さんが一つ一つ手作業で行うという
こんな風に手間暇をかけて作られていたなんて
全然知らなかった…

1300年もの間、守り伝えられている方法で

今もなお製造している事実にも感動したし、

高価なことも完全に納得しました音譜

 

本当に見学してよかったです!

奄美に行くなら見学すべし!!オススメです

工程を知った後は、大島紬の見る目が変わります!

 

伝統工芸品ということでもあるので
本当に心から次の時代へ引き継いで欲しい技術です
 
 
敷地内にある『高倉』
 
奄美大島では穀物を貯蔵するために
利用されてきた倉
 
屋根部分に貯蔵します
 
このあと、ショップ奥にあるサロン(撮影NG)で

最高級大島紬を見せていただきました

 

落ち着いたシックな色合いが多いこともあり

なんといいますか…、とても上品なのです

 

派手さはないけど、

見ればわかる上質な大島紬の数々…目がハート

触れることさえも躊躇するほどの

お値段に心底震え上がりましたが

それでも島外よりも安く購入できるとのこと

(販売もやってます。私は買えんけど)


時代に合わせ、大島紬を使用した

洋物のシャツなども並んでいて

実際に購入されている方も…♪

私は目の保養だけにしておきました笑い泣き

 

サロンは高級な商品ばかりでしたが、

ショップでは小物なども売っています

 
全然買うつもりはなかったけれど
あの素晴らしい工程を見学してしまったら
一つぐらいは記念に欲しいな~と…
 
大島紬を使用した小さなポーチを購入
マチがあって使いやすそう飛び出すハート
一つ一つ柄も色も違ったので
好みのものを選べました
 
もしかしたらこれは手作業ではなく
工場で生産された製品かもだけど
一つでも大島紬を手元に置いておける!
うれしい~ラブラブ
 
もう一つ、大島紬の柄をモチーフにした
パッケージがかわいいNESARIのチョコレート
無添加にこだわり、奄美の黒糖や南国の旬の食材を使って
ひとつずつ丁寧に作られたチョコレート
またカカオ豆からチョコレートになるまでの全行程を
自社工房内にて手作りされているとのこと!
 
この日は購入しなかったのですが、
やっぱり買えばよかった~!と後悔したので
翌日チョコレートだけ買いに再訪しました(笑)
また別記事(こちら)で紹介します!
 
同じ敷地内にNESARIのカフェもあります
 
この日は残念ながらお休み…でした
 
元々は予定してなかった奄美紬村
ほんとに素晴らしかった~
行ってよかったです!