今回は、道劇所属の踊り子・水鳥藍さんについて、H29年7月結の渋谷道劇の公演模様を、演目「雨に唄えば」を題材に話します。
今回のレポートは、新作『雨に唄えば (Singin' in the Rain)』を中心に述べる。本作は先週のシアター上野で初出しされている。
内容は次の通り。
最初に、キラキラ生地のブルーのレインコートを着て登場。頭からフードをかぶり、だふっと着ている。赤い長靴を履いて、名曲「Singin' in the Rain」の音楽にのって楽しく踊る。
次の衣装が驚くべき斬新さを放つ。ビニールのレインコートに、肩にある青から始まって胸元の赤、そして青・ピンク・黄色と色彩豊かな大きめの水玉が張り付けられている。頭にはブルーの帽子にピンク・黄色・赤の水玉が付いている。なんともカラフルな衣装である。驚いたのは、盆前に座っている私のところに来て、そのビニールのレインコートからお腹のピンクの水玉を取って渡されたこと。胸元の赤と合わせて二か所の玉が外れるようにしてある。
雨傘を振り回す。傘の持ち手はブルーで、レインボー色彩豊かな図柄がたくさん。
最後に、ドレスに着替えてベッドへ。上着はジーンズ柄に胸元を白いリボンで飾る。スカート部は白に黒い水玉模様。頭にかわいい白いリボンを付ける。
近くでヌードを眺める。手のマニュキュアが銀色にきらめく。
この作品は奥が深い。
藍さんから長い解説を頂いた。「梅雨の時期だから雨が少しでも楽しくなるよーな好きな衣装と曲で作ったんだけど、全然雨降らなくて(笑)」 藍さんは自分のことを雨女と言っているが、今年は雨が少なくて残念だったね。
衣装に相当凝っている。「3年前に考えたデザインのビニールワンピース! やっとお披露目できてうれしー! 特別オーダーで諭吉が8人飛んで行ったよ。」「衣装、小道具の総額で諭吉が14人ぐらい飛んでいったけど・・・どれも気に入ってるからまぁいいか(笑)」 衣装にお金をかけても・・という人もいるが、やはり踊り子のステージへの思い入れは衣装に確実に反映する。衣装への入れ込み具合からもこの作品への強い思い入れが伝わってくる。
この映画音楽は名曲中の名曲。その使い方が凄い。「5曲中4曲が『Singin' in the Rain』とゆー曲でアーティストは別!! 3曲目がSingin' in the RainとUmbrellaのマッシュアップ(2曲をmixすること) 4曲目がDaniel PowterのBad dayだよー。」
私は藍さんの解説を基に、すぐさま映画『雨に唄えば (Singin' in the Rain)』をネットで検索してみた。調べれば調べるほどに、この映画の魅力に惹き込まれた。
以下、ネット検索による。主にWikipediaなど参照
『雨に唄えば』(原題:Singin' in the Rain)は、アメリカのポピュラーソングおよびそれを主題歌にした1952年公開のミュージカル映画。
『トップ・ハット』『バンド・ワゴン』『巴里のアメリカ人』などと並ぶミュージカル映画の傑作として知られる。サイレント映画からトーキー映画に移る時代を描いたコメディあふれるバックステージ(舞台裏)・ミュージカル。ハリウッドを代表する名作のひとつであり、今なお、色あせることなく輝きを放っている。特にジーン・ケリーが土砂降りの雨の中で、主題歌を歌いながらタップダンスを踊る場面は、映画史に残る名シーンとされる。アメリカ映画協会(AFI)が発表したミュージカル映画ベストの第1位、アメリカ映画主題歌ベスト100の第3位、アメリカ映画ベスト100の第10位、情熱的な映画ベスト100の第16位に選出された。
久しぶりに、昔のアメリカの映画っていいなぁ~と思わせられた。
この映画の監督はジーン・ケリーとスタンリー・ドーネンとあり、しかもそのジーン・ケリーは主演を演じるのだから凄い。
数ある映画音楽の中でも最高峰と言われる『雨に唄えば (Singin' in the Rain)』をジーン・ケリーが直接歌っている。曲は勿論、雨に打たれながら軽やかに、流れるようなダンスも素晴らしい。雨と傘とタップダンスを見事に融合させた名場面には恐れ入った。しかも、雨でもhappyになれるジーン・ケリーの笑顔は本当に素敵。動きも何もかもカッコイイ! ジーン・ケリーはまさにダンス、歌、演技力を兼ね備えたスーパースターである。
ネットで検索していて、この映画はその後のミュージカルにたくさん採用されていることを知る。その中で、アダム・クーパーのミュージカル『雨に唄えば』に出会った。彼の演技、どしゃぶりの雨の中を水しぶきをあげながら踊るシーンは最高。ジーン・ケリーのタップダンスに対して、アダム・クーパーはバレエを基調としているところが違った味わいがある。水しぶきの上げ方はアダム・クーパーが上手いね。
久しぶりにミュージカルに心が高ぶった。
私は雨が苦手なのだが、その雨でこれだけHappyな気分になれるなんて。ほんと映画って凄いや。
いやぁ~藍さんはいつも新しい知識と感動を与えてくれるね。今回、これだけの名場面を与えてくれた藍さんに心から感謝する。
平成29年7月27日 渋谷道劇にて
【参考】ネット検索による。主にWikipediaなど参照
■映画『雨に唄えば (Singin' in the Rain)』のあらすじ
サイレント映画全盛の時代、俳優ドン(ジーン・ケリー)と大女優リナ・ラモント(ジーン・ヘイゲン)はドル箱の映画スターであり、大スター同士のカップルともてはやされていた。しかし実際は、リナが一方的にドンに惚れているだけであった。そんな中、ドンは駆け出しの女優キャシー(デビー・レイノルズ)と恋仲になってしまう。
やがて世界初のトーキー「ジャズ・シンガー」が大成功をおさめたことにより、ハリウッドにトーキーの波が押し寄せる。
そこで彼らの映画会社では、当時作りかけだったドン&リナのサイレント映画を無理矢理トーキーにすることに決定。しかしながら、トーキーのノウハウを知らなかったことに加え、一番の問題はリナが致命的な悪声の持ち主であったために映画の試写会は散散な結果に終わる。そんな映画を公開したら俳優人生が崩壊してしまうと危機を感じたドンとその親友コズモ(ドナルド・オコナー)、キャシーの三人は映画をミュージカルに作り替えることを思い立つ。あとはリナの声をどうするのかが問題だったが、コズモのアイデアでキャシーがセリフも歌も全て吹き替えることになる。こうして撮り直しは順調に進むが、吹替を知ったリナは、怒りと嫉妬から契約を盾にキャシーを自分の吹替専門担当にして表に出られないようにしてしまう。
映画の完成披露試写会が開かれ、ドンとリナの歌声は観客から喝采を受ける。すると調子に乗ったリナが自らの声でスピーチをしてしまう。声が違うことを怪しんだ観客から、リナが生で歌うように迫られると、ドンと映画会社社長はリナを罠にはめることを思いつく。まず、リナの背後でカーテンに隠れてキャシーが代わりに歌い、リナには歌っているフリをさせる。そしてキャシーの歌声で「雨に唄えば」が披露されると、ドンたちはカーテンを開き、キャシーが吹き替えていることを観客に見せてしまう。こうしてキャシーはスターの座を手に入れ、ドンとキャシーは結ばれる。
■アダム・クーパーのミュージカル
誰もが口ずさむメロディー〜SINGIN’ IN THE RAIN〜♪。
ジーン・ケリーが雨の中で歌い、踊るあの名作ミュージカル映画 『雨に唄えば』はどれほど多くの人を魅了してきたでしょうか?
『雨に唄えば』はハリウッド映画がサイレントからトーキーへと進化変貌する時代を描き、ブロードウェイを目指す作家と俳優のサクセス・ストーリーと映画制作の舞台裏をコメディタッチで描いたミュージカルです。
ストーリーの面白さもさることながら、ドン役を演じたジーン・ケリーのダンスシーンが圧巻でした。ミュージカル映画として誕生した『雨に唄えば』は、その後、世界中で繰り返しミュージカル舞台として製作され、長きに渡り愛され続けてきました。
そして、2012年ロンドンのウエスト・エンドで決定版と言っても過言ではない『雨に唄えば』が誕生しました。
「レ・ミゼラブル」や「オペラ座の怪人」、「キャッツ」といった傑作ミュージカルを生んだ土壌を持つロンドンから、「世界中のすべての人をハッピーに」をモットーに21世紀に誕生したこの決定版、2014年秋の日本版にはウエストエンドオリジナルキャストのアダム・クーパーが特別出演。すべての観客を魅了し、劇場中をハッピーにしました。
そして、2017年春、アンコールの声に応えて、ふたたび日本公演が実現します!しかも、アダム・クーパーはじめメインキャストはイギリスオリジナルキャストという贅沢なプロダクション!!彼らがこの日本公演のためだけにふたたび集結!ロンドン、パレスシアターでの公演が再現され、まさに日本でしか観ることのできない、とっても贅沢な 『雨に唄えば』が誕生します!
アダム・クーパーがマシュー・ボーンの『スワン・レイク』(映画では「リトル・ダンサー」)で一大旋風を巻き起こして10年。スーパー・ダンサーは、ミュージカル・スターとして2012年2月から『雨に唄えば』のロングラン公演に挑みました。ロンドンの名門劇場・パレスシアターにて連日満員の盛況ぶりを見せ、英国各紙5つ星を獲得の大評判、最も成功した転身ぶりを魅せてくれました。
華麗なダンスに歌を伴って演じた『雨に唄えば』は、作品誕生から50年、ジーン・ケリー演じた初代を超えるドン役が誕生した、といっても過言ではないでしょう。
今、生の舞台であの迫力の『雨に唄えば』を体現出来る時代の証言者はアダムにほかなりません。彼の圧倒的な魅力と華麗なステップの数々は、実際に私たち自らの目で見ることによって、その素晴らしさを実感出来るのです。
雨の降る舞台上で、あの名曲『SINGIN’ IN THE RAIN〜♪』がアダムの歌と踊りで繰り広げられるところをぜひ想像してみてください。幸せいっぱいの気持ちになれるはずです。そこにはどれほどの雨が降ることでしょうか。
愛と勇気、涙と笑い。エンターテインメントに必要な全ての宝がぎっしりちりばめられた珠玉のショーの開幕です。駅から劇場まで雨に濡れずに来た人も、帰りにはきっと雨に打たれたくなること間違いありません。