世界のサッカー 愛称のひみつ
ワールドカップ開催中ということでサッカー関連で。
世界各国の代表チーム・クラブチームの愛称やその由来を、
歴史や文化的背景を踏まえて解説した本。
各国のサッカー事情や代表的な選手も分かって結構楽しめます。
日本代表ユニフォームがブルーになった意外な理由も載ってますよ。
観戦のお供に。
- 図解 世界のサッカー 愛称のひみつ 国旗とエンブレムで読み解く (光文社新書)/斉藤 健仁
- ¥998
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Head Firstネットワーク ―頭とからだで覚えるネットワークの基本
サブタイトルに「A Brain-Friendly Guide」とあり、最近の脳科学ブームに乗っかっている感じだ。
脳をフル活用して効果よく学習するために工夫が凝らしてあるらしく、
例えば「物語仕立て」で「絵や写真がたくさん」あり、「話しかけるような文体」で構成されている。
おかげで結構分厚いにも関わらずわりとさっくり読めた。
まあ、絵とかが多いんで。
内容は社内LANやサーバシステムのトラブルシューティングをしながら、
パケットやルーティング、セキュリティなどについてお勉強できるようになっている。
物理層の解説に結構頁を割いてるのがユニークに感じた。
オシロスコープで信号を解析したらどうなるかとか、
実際にはまずできないだけに貴重かも。
萌え系の技術書も続々出てるみたいだし、
参考書も時代とともに変わるんだなあと実感。
Head Firstネットワーク ―頭とからだで覚えるネットワークの基本/Al Anderson

¥3,360
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河童が覗いたヨーロッパ
妹尾河童といえば「少年H」が有名ですが、僕が初めて読んだ(見た)河童さんの本はこれです。
これは大変ユニークなヨーロッパの旅行記で、
全ページ手書きで几帳面な字と丹念なイラストでびっっしりと埋め尽くされています。
小学生の頃、学校の板書を5mmマスくらいの方眼ノートにびっしり書いて
そこに図やグラフを織り交ぜたマイノート作りに凝ってたことがあるので
最初に頁を開いたときは狂喜乱舞いたしました。
この本を見たときに小学生の時のノート作りを鮮やかに思い出したのです。
多分僕は河童さんと同じ人種ですね(笑)。
で、旅先のホテルや列車の間取り図がたくさん載ってるのですが、
当然設計図を持ってるわけでなく、建物を輪切りにして上から見てるわけでもないので、
部屋を観察して想像で描いていると思うと類まれな才能をお持ちなのだと分かります。
河童さんはもともと舞台美術家だということなので、建物や家具への興味、視点が鋭いみたいですね。
各国を回るのですが、窓の形がその土地の気候に合わせて変わっていく様子とかウォッチしてて面白いです。
これ持って旅行行きたくなるなあ。
旅行好きな人はマスト・バイですよー。
大学の時に買ったのですが、誰かに貸して返ってこなくなったので最近買いなおしました。
一度手に取ったら手放したくない本なので、その人が大事に持っていてくれたら嬉しいです。
日本編、インド編もあります。
- 河童が覗いたヨーロッパ (新潮文庫)/妹尾 河童
- ¥620
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- 河童が覗いたインド (新潮文庫)/妹尾 河童
- ¥620
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- 河童が覗いたニッポン (講談社文庫)/妹尾 河童
- ¥520
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ビジョナリーカンパニー
誰もが尊敬し、社会的にも認められ実績を上げている超一流企業(ビジョナリーカンパニー)と、十分成功した大企業ではあるが超一流とまではいかない企業を比較し、ビジョナリーにみられる具体的な特徴、社風、強みなどを徹底的に調べて書かれた本です。
本当にものすごいリソースを投入して上梓されたもののようで、巻末の資料が半端ではありません。ちゃんと読んでないけど。
原題はBuilt To Lastといいます。
ビジョナリーカンパニーには時を告げる者(カリスマ経営者)はいらない。
時計を作る組織たれと。時計(基本理念)さえ狂わなければ、普通の社員でも高いレベルの成果を上げることができるということです。
それが、100年耐える企業、100年後も変わらない基本理念を持つ会社につながるということですかね。実際取り上げられている企業は、100年以上の歴史を持つものもざらではありません(P&Gなんて、蝋燭を作ってたプロクターさんと、石鹸を作ってたギャンブルさんによって、1837年に創立されたんだって!)。
んで、ビジョナリーカンパニーが基本理念を維持し進化していく方法として5つのカテゴリーが挙げられているのですが、そのうちの1つが特に納得したので紹介します。
ビジョナリーカンパニーはカルトのような文化を持つ、という分析です。
これはつまり、基本理念に同調する人を採用し、あるいは基本理念を若手のうちから叩き込むことによって人材が同質化していき、全体主義国家とまでは言わないまでも、1つの理念を皆で共有してそれに向かって猛烈に突き進んでいく、そんな雰囲気があるってことですかね。
例えば自分の経験では、スターバックスの店員が大声で注文を受けて復唱するとか、リクルートのスタッフ?が街頭でホットペッパーを高らかな呼び声で配ってるのとか、そういう猛烈な姿を見ると僕なんかはちょっと引いてしまうんですけど、そういうのってまさしくカルト的だよなーと膝を打ちました。これはもちろん悪い意味ではありませんが、このような社風が合わない人にとっては不幸な職場になりうると釘を刺すことも忘れていません。喩えがよくないですけどね。日本だったら体育会系ってところが当たり障りないかもですね。
残り4つはぜひ買って頂いて。
以上、ぜんぜん本質じゃないブックレビューでした(笑)。
そういうのはAmazonの書評とかに書いてあるしね。
- ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則/ジェームズ・C. コリンズ
- ¥2,039
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ハッカーと画家
これはハッカーによる、普通の人のために書かれた、ハッカーの解説書だ。
ハッカーたちはコンピュータとプログラム言語によって世界を再構築している。
タイプライターはワープロソフトに再構築された。
フィルムカメラはデジタルカメラに置き換わった。
車や列車もいまやコンピュータ制御になっている。
他にも例はいくらでも挙げることができる。
現代社会の基盤はハッカーが作ってきたようなものだ。
そのハッカーとは一体何者なのか。
その多くはオタクであり、大部分が異性にもてない。
スターウォーズをこよなく愛し、ジャンクフードとコーラさえあれば生きていける。
職人気質で、言論の自由を尊重する。
それだけではない。
ハッカーと画家の間には多くの共通点がある。
ハッカーも画家も、ものを創る人間だ。良いものを創ろうとしている。
ものつくりのセンスについて、本書の一部を紹介してみよう。
-良いデザインは単純である
-良いデザインは永遠である
-良いデザインは正しい問題を解決する
-良いデザインは想像力を喚起する
-良いデザインはしばしばちょっと滑稽だ
-良いデザインをするのは難しい
-良いデザインは簡単に見える
-良いデザインは対称性を使う
-良いデザインは自然に似る
-良いデザインは再デザインだ
-良いデザインは模倣する
-良いデザインはしばしば奇妙だ
-良いデザインは集団で生起する
-良いデザインはしばしば大胆だ
圧巻だ。
ハッカーたちがいかに高い美意識を持ち、型破りで、しかも完璧主義なのか、分かってもらえると、この本の著者は喜ぶかもしれない。
- ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち/ポール グレアム
- ¥2,520
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ちなみに表紙は僕の大好きなブリューゲル!
企画力
上司のお勧めということでお借りしました。
効果的な企画書の書き方、見せ方について
著者の豊富な経験に裏打ちされた技が披露されています。
そのうち企画書の構成について引用してみます。
すなわち、企画書とは、次のような構成が基本です。
1.表紙のタイトルで「企み」を短く、力強い言葉で語る。
2.第一ページで、その「企み」の背景にある「ビジョン」を語る。
3.第二ページで、表紙で語った「企み」を、目標に翻訳して語る。
「企み」とは、世の中をよりよきものに変えるという「決意」です。
決して悪代官の悪巧みではありません(笑)。
つまり企画書作りの技術だけでなく
心構え、熱意、姿勢というものがどれだけ不可欠で、
それをいかにうまく相手に伝えるかということが
印象的なセンテンスで書かれています。
-「最高の企画書」とは「最高の推理小説」である
-「何を行うか」よりも「なぜ行うか」を語れ
-顧客企業の担当者は「同志」である
というふうに。
おそらくこの本を読んだ上で企画力とは何かと聞かれれば、
仲間を動かす力、
ビジョンを共感してもらう力、
問題を提起する力、
人を感動させる力、
相手を思いやる力、
というような真摯な言葉が沸いてくるのではないでしょうか。
そういう意味でこの本自体も上質の企画書なのですね。
- 企画力 (PHP文庫)/田坂 広志
- ¥500
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日本辺境論
タイトルどおり日本人は辺境人であるということが書いてあります。
辺境人とは、「ここではないどこか、外部のどこかに、世界の中心たる『絶対的価値体』がある。それにどうすれば近づけるか、どうすれば遠のくのか、専らその距離の意識に基づいて思考と行動が決定されている」人間と定義されています。
日本という国ができたときから、長らく中国を手本として文字や文化を吸収し、明治維新後は欧米列強に追いつくために邁進してきた歴史を振り返れば、昔からそういう国なんだなと納得します。
なんとなく常に外国に劣等感を抱いている。
日本発の技術や文化が外国で認められ、日本に逆輸入されて初めて注目するようになる、というのはよくあることですが、これなんかいかにも辺境的ですね。
そうやって追いつけ追い越せでやってきて、国際社会で認められるようになっても、先頭に立って旗を振ることはしない。そういうことに慣れてない。日和見主義というか、日和見体質なんですね。主義としてそう振舞っているというよりは、それが日本人のDNAに染み付いている。辺境DNA。自分にも大いに受け継がれている気がします。ちょっと残念。
でもそんな辺境人にもいいところはあって、学ぶことに関して大変優れたパフォーマンスを発揮できる。「常に外国に遅れを取っている」という自覚があるから、外部からの情報を選り好みせずに素直に受け入れ、貪欲に吸収してしまう。何かを学ぶに当たって、学ぶ前にこれは学ぶ必要がないと決め付けることは好ましくない。とりあえずやってみるという姿勢が身についているのは大きなアドバンテージだということです。なるほど。
色々と遅れを取っている僕としては大変励みになりました。
- 日本辺境論 (新潮新書)/内田 樹
- ¥777
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ポケット料理本
携帯サイズに情報がぎゅっと凝縮されていて場所を取らないという機能性がいいんだと思います。
そんな私の物欲だけでなく食欲を刺激したのがこの三冊。
キッチンの折り畳み椅子に腰掛けて、パスタの茹で上がりを待ちながらこれらのページをくるのが休日のささやかな楽しみになっています。
新書サイズ。新鮮な食材とそうでない写真が並べて掲載されていて、食材の見分け方が一目で分かります。iPhoneアプリにもなっているようですね。
奥田政行の食材スーパーハンドブック/奥田 政行

¥840
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塩、醤油、味噌など、料理に欠かせない調味料の種類、効能、上手な使い方がさっとひけて便利です。文庫本サイズ。
調味料のおいしい話―読むだけで料理じょうずに/キム アヤン

¥525
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その名も喫茶手帖。全頁カラーで構成された茶葉、珈琲豆の図鑑。文庫本よりちょっと細長サイズで、光沢のある緑茶色のラミネートカバー付き。
喫茶手帳/作山 若子

¥1,470
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ラピュタ的建築物への憧れ
美術の教科書か何かで見て以来でしょうか。
そもそも自分は多感な少年時代にジブリを見て育った世代ですので、
それらの衝撃ははかりしれず、その後の多くの行動に影響を与えたと思います。
特に天空の城ラピュタは別格で、テーマ曲が流れるだけで背筋がゾクゾクし、
竜の巣からラピュタが表れるシーンがフラッシュバックします。
夏に入道雲を見ればその向こうにラピュタがあると思っていましたし、
飛行石は実在すると信じて疑いませんでした。
当時の少年たちはみんなパズーになりきっていたと思います。
- 天空の城ラピュタ [DVD]/田中真弓,横沢啓子,初井言榮

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そんな少年時代を送った自分にとって、
ブリューゲルのバベルは見事ツボにINしました。
最初に知ったのが確か中学生くらいだったと思いますが、
その時はなぜかスルーしてしまい、作者の名前も知らないままでした。
それが大学時代にインターネットを使えるようになって、
あれ、中学の時に見たラピュタっぽい絵はなんだっけな、
とパソコンに向かったのがきっかけだったと思います。
膨大な西洋画がアーカイブされた海外の美術ポータルか何かでみつけて、
プリントアウトして部屋に飾ったりしていました。
Tower of Babel
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Pieter_Bruegel_d._%C3%84._075.jpg
それがこの絵です。
どうでしょうこの造形、今見てもロマンをかき立てられます。
しかも描かれたのが16世紀となれば余計テンション上がります。
これは建設途中のバージョンですが、完成したバージョンも何点かあるようです。
その後ブリューゲルの他の作品にも興味を持ち、
画集や関連本を何冊か買い求めました。
ブリューゲルの絵は結構変わっています。
バベルの塔のような、聖書を主題としたものだけでなく、
庶民の日々の暮らしをモチーフにしたものも多いです。
農民の踊りとか婚礼とか子どもたちの遊びとか。
それはそれで好きです。
何十人もの人がひしめくように描きこまれ、
躍動感に溢れていて、かつちょっと不気味ですが。
水木しげるが描く地獄絵図に相通ずるものがあるかも。
いつかウィーン美術史美術館を訪れて本物と対面したいものです。
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- ブリューゲル (新潮美術文庫 8)/宮川 淳

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- 世界版画〈4〉ブリューゲルとその時代 (1978年)/著者不明

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知らないと恥をかく世界の大問題
- ニュースや新聞を見るたびに、
- なんでそんなことになってるのかピンと来ないことが多いので、
- なにかいい本はないかとちょうど探していたところでした。
2008年の世界恐慌や各地の民族紛争、インフルエンザや環境問題、
日本の教育や税制などにわたって、非常に幅広く、かつ核心的に説明されています。
TVや新聞だけでは得られない情報も満載なので、一家に一冊あるとよさそうです。
というか、情勢に合わせて年に一冊くらい出版してって欲しいです。
ちなみに一番びっくりしたのは、どちらかというと本筋ではないのですが、
インドに優れたIT技術者が多い理由。
インドではカースト制度という階級制度があり(ここまでは知ってた)、
階級ごとに従事できる職業が細かく決まっている。
しかしIT産業は最近興ったので階級の縛りが無く、
身分が低くてもITの仕事に就けるのだそうです。
すげー!そりゃ殺到しますよ。
満足度:★★★★★
- 知らないと恥をかく世界の大問題 (角川SSC新書)/池上 彰
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