101Dアンプは真空管 NEC 101Dを試験するために作ったのですが、便利なのでデスクトップで常用するようになりました。しかし出力管ソケットの接触不良が原因で動作が不安定になることがありました。
101D真空管の脚が通常のUX（4ピン）真空管と異なることが原因です。
ピンが７ｍｍくらい短いのとフィラメントピンが細いので、薄いベークライト製ソケットを使ってなんとかしのいでいたのですが、燐青銅のばねが弱くて接触不良を起こします。
そこでステアタイト製の受け口のばねがしっかりしたソケットが使えないかと以前テストしてみました。
上の写真のように、バネがしっかりしているので真空管の保持、接触ともに良好ということで、交換作業を始めました。
交換前のベークライトソケット
ステアタイト製ソケットを仮に載せてみた所
取付ビスの位置、ソケットの受け金具の位置が違うので、ドリルとやすりで取付穴を修正しました。ソケットをシャーシの下側に取り付けるのであればこのような加工は必要ないのですが、真空管の脚が短いので真空管とソケットの距離を少しでも短くしようと上側取り付けにしました。
修正した取付穴
取り外したベークライトソケット、右側のソケットは受け金具のひとつが中で折れてしまっていたので応急的にはんだ付けでつないでみた
ステアタイトソケットを取り付けて
配線をもとに戻して
テストしてみたら－－－
はじめのうちは真空管の保持がしっかりしていて動作も問題なかったのですが、1時間も使っていると、真空管が浮いてきて接触が不安定になります。真空管の脚が短いのでソケットとの嵌合が不十分なところに、フィラメントの熱が脚に伝わるからか真空管が浮いてきてしまいます。
１０１D真空管の脚を7mmほど長くしてやれば解決できるのですが、真空管に手を加えるのは気がすすみません。ソケットの方を工夫することにしました。
インターネットオークションでなにかないかと探していたら、「３００B、８０１、８１１用バヨネット式ソケット」というのを見つけ、１０１Dに使えるかもしれないと私にはちょっと高価でしたが入手してみました。
さっそく101Dを挿してみると
写真の下のように、真空管の袴についているピンが、ソケットの袴のスリットと少し合わないので、右に回すことができません。スリットの上側を1mm弱削ってやれば
押し回しできそうですが。
ソケットの袴を取り去って、受け側の金具に合うように挿して右に回せば、しっかりと真空管を保持できますが。
袴を取り去って真空管を挿した状態を下側から見たところ、バネが強いので真空管はしっかり保持されている
しかし、シャーシに載せてみるとこんな形になってしまいます。
もともとブレッドボード上にセットして使うようになっているのかシャーシの上側
で配線をする形に端子が出ています。これはシャーシに貫通孔をあけて配線をシャーシ裏に導けば対処できますが、ソケットが大きいのでソケットのそばにあるテストポイントの位置を動かさねばいけません。またソケットのピンに直接取り付けてあった部品は新たに端子盤を設置してそこに取り付けるように変更しなければいけません。
改めてバヨネット式ソケットを観察すると次のようになっています。
上から見たところ
下から見たところ
以上のようにバヨネット式ソケットに交換するのはかなり手間がかかりそうなので、ソケットそのものを自作することを検討してみることにしました。
第一案：アダプター方式
右側のバヨネット式ソケットから外した４つの金具を左側の4ピンプラグにプラグに取り付けてアダプターを作る。このアダプターに真空管を挿しそれを既存のUXソケットに挿す。ベークライト製の4ピンプラグに４つの金具をしっかり取り付けるのは結構難しそう。
第二案：木製ベースの小型バヨネット式ソケットを作って、既存のタイト製ソケットと交換する。木製ベースは比較的工作が簡単で、シャーシ裏配線ができるように作ることも出来そうなので、最初こちらをやってみようと考えています。
下にある厚さ１０ｍｍ強の木製板に直径３５ｍｍくらいの穴をあけて金具を取り付けようと思っています。
