引退ブログ 『土屋晃希』 | 立教大学体育会男子ラクロス部 SAINTS 公式ブログ

#11 土屋晃希

まず初めに、平素よりSaintsの活動をご支援してくださる全ての皆様に心より感謝申し上げます。沢山の方々のサポートがあって自分たちは活動できていると身に沁みて感じています。「学生日本一」という目標に向けて部員一同精進してまいりますので、これからも変わらぬご支援、ご声援のほど何卒よろしくお願い致します。

Saintsが誇る熱い漢、檜原からバトンを受け取りました。彼とは高一の時、サッカー部で同じポジションってだけで周りから犬猿の仲と囃し立てられましたが、一つ前のブログを見れば分かる通り、今ではめっちゃ仲良い数少ない友達の1人です。彼はとても良い奴なので、いろいろと報われてほしいです。

改めまして、4年AT土屋晃希と申します。自分は心の内を全く外に出すタイプではないのですが、せっかくの機会なのでこのブログで4年間を振り返りながら、赤裸々に思っていたことを書き残しておこうかなと思います。振り返れば決して順風満帆なラクロス人生ではなく、むしろ辛い経験の方が多かった気がします。今行き詰まっている人の心に少しでも響けば幸いです。長く拙い文章かもしれないですが、ご容赦ください。


最初はラクロスという競技に魅力を感じていなかった。高校サッカー部から同期の半田には「ラクロスやる可能性ある?」と誘われたが、一切の迷いなく「やらない」と答えていた。しかし、同期みんな試合見学に行くみたいな話をしていて、暇だから一応着いて行くことにした。実際に試合を見てみると、想像を遥かに超えるかっこよさで、気付いたら入部を決意していた。

入部してから1年練が始まったが、自分は左肩の脱臼で手術をしていた影響で3ヶ月くらい見学していた。遅れて練習参加することになり、自分は周りと比べても下手な方であったが、スピードだけを頼りにサマーではαチームに入れたし、それなりに点も取れて、準優勝もした。ウィンターではサッカー代表戦をみんなで見て、コロナに集団感染するハプニングを起こしたが、なんとか予選を突破することができた。あの時のノータイムでの逆転ゴールは今でも忘れられない。ただ、決勝ラウンドでは引き分けだったが、予選の結果が反映されて、敗退となった。この時、悔しすぎて誰よりも泣いていた気がする。自分ってこんな悔しがれるんだって思ったし、ひはらからお前ってそんな泣けるんだとも言われたような気がする。なんとなく楽しくやりたいと思っていた1年間だったが、この時から本気で上手くなりたい、勝ちたいと思うようになった。



ウィンターが終わって、同期の半分近くがAに呼ばれて行ったが、なぜかそこに自分の名前はなかった。誰よりもスコアを残して、誰がどう見ても1番活躍してた自信があったのに、なぜ呼ばれないのか分からなかった。理由が分からなすぎて、逆に吹っ切れていた。あすなろは絶対優勝したいし、Bチームで活躍してファイナル4行くという目標が自分の中で明確になった。そんな矢先、悪夢の停部期間が訪れ、目標を追うチャンスすら与えられなかった。正直落ち込んだけど、暇だったし、まだ2年もあるって考えたら、壁当てとかショット練をほぼ毎日して、当時フォロワー3人のラクロス垢にこっそり投稿していた。

3年生ではAチームに入ることができたが、六大戦初戦では慶應を相手に互角のゲーム展開で、ボックスに入っていた自分に出番が回ってくることはなかった。とにかく悔しくて、次の練習で自主的に二部練をした時に右肩を脱臼した。頭が真っ白になって、高校時代に左肩脱臼して不完全燃焼でサッカー人生を終えた辛い過去が脳裏をよぎった。怪我ですぐにBに落とされ、ちゃんと治癒してないのに復帰して、すぐA戻るけどまた脱臼してBに落ちる。シーズン前半はこれを何度も繰り返していた。この時期は怪我を恐れてパフォーマンス悪かったし、全く上達してない期間だったと思う。いろいろな人の支えがあって、なんとかリーグ戦期間は脱臼回数も減り、Aチームにしがみついていけた。高校時代、接骨院行ってテーピング3日間くらい巻きっぱなしにしてた時を思い返すと、今は毎日巻き直してくれるTRがいて、本当に感謝してます。ありがとうございます。

それでもリーグ戦出場することができたのは東京経済戦の1試合のみ。あの試合での感触、景色は今でも思い出すことがある。初めて公式戦で出させてもらえて、なんかチャンス来る気がしてたし、点取ってやるっていう気持ちもあった。案の定、チャンスは訪れ、ボールをもらって目の前のロングを抜いて、ゴーリーとの1対1。放ったショットはゴーリーのクロスの中に収まった。この時を境に下手でも点だけは取れるという漠然とあった自信が崩れていった。その後も練習はAチームでやらせてもらえたが、当然試合に出ることはできず、ボックスにも入れないことが続いた。



それでもBのリーグ戦には出させてもらえて、ファイナル4にも行き、その時間が心地よかった。入れ替え戦もボックスに入ることはできず、それが当たり前のように思っていたし、全く悔しさもなかった。いざ試合が始まると、スタンドから見る先輩たちはかっこよかった。それと同時に同期の活躍してる姿を見ると、悔しさが込み上げてきて、なんでもっと頑張れなかったのかと自分を憎んだ。この時、「怪我持ちだからしょうがない」、「まだ下級生だから」、「運が悪かっただけ」などと自分を甘やかす言い訳ばっか考えていた1年間だったことに気づかされた。



先輩たちは引退して気付けばもうラストシーズン。年末にあったAB分けのスクリメでのパフォーマンスはひどく、Bチームでシーズンを始めることは明らかだった。それがわかった上で、ここで自分にとって大きな決断をする。それはフルフィールドリーダーをやるということ。もちろん自分に務まるのかという気持ちは強かったけど、それ以上に「チームのために貢献したい」、「何かを変えなければ自分は活躍できる選手に成長できない」という想いが強かったからめちゃくちゃ悩んでこの重役を担うことを選んだ。

最初はBチームでポジリーなのが恥ずかしくて、練習行くのも嫌になってたけど、思いの外Bチームのみんなはめっちゃ歓迎してくれて心が救われた。沢山の良い後輩に恵まれてたし、この時2年生とちゃんと仲良くなれてよかったと思ってる。それから後輩に干渉しながらも自分によりフォーカスしてAに上がることができたが、六大戦では東経戦のトラウマの如く、決定機を外しまくる始末。何も結果を出せず、チームにプラスの影響を与えられなかった自分は六大戦半ばで再びBチームに戻った。

それからBではあまり試合がなくてアピールする場がなく、中立戦まで待つしかないと思ってた中、Aの人員不足でチャンスが訪れた。これを逃せばもうAには上がれないという強い覚悟で臨んだ神戸戦。ゴール前で待ってた味方をフル無視して強引突破から点を決めた。この時、ずっと忘れていた自分の強みを思い出すことができた。それは「何事も泥臭く」ということ。なんか馬鹿みたいに聞こえるけど、これってチームにとっては必要な存在だと自分では思ってる。人より多く走って少しでも味方の体力が回復すればいいし、グラボ戦ってオフェンス継続できたら試合が楽に運べる。上手いショットはほぼ決めれないけど、記憶に残らない地味なゴールでもれっきとしたスコアだ。それでチームの勝利に貢献できるなら、こんな幸せなことはない。

結果としても、実は神戸戦から4試合連続で点を決める程には結果が伴ってきて、やっとラクロスが楽しいと最近思えるようになってきた。リーグ戦でも点を取ることができて、やっと去年の雪辱を晴らすことができたような気がする。まだまだ下手だけど、その分まだまだ上手くなれると思うと楽しくて、結局上手くなるのも結果出すのも楽しくやることが何より大事なんだなと心底感じている。自分のラクロス人生はかなり遠回りをしてきたけど、これが最善の道だったと今なら言える。



4年間の振り返りはここで終わりです。この場を借りて、少しだけ感謝を伝えさせてください。


まず後輩たちへ
Aにいるみんなは試合で活躍して、結果出して、とにかく頼もしいです。3年まで何もできなかった自分にとっては、本当にすごい事だと思う。あともう少しだけ4年生に力を貸してください。
そして、Bのみんなは自分の居場所を作ってくれてありがとう。一橋戦も試合中応援してくれてるのを見て、勝手に全員分の気持ち背負って戦ってました。「いつでも帰ってきて良いよ」と言ってくれるけど、もう戻る気はないのでみんなが上がってきてください。待ってます。
自分みたいにならないように一つだけ伝えたいことは、やりたいことは勇気を持ってチャレンジしてください。困ったら誰かを頼ってください。Saintsには助けてくれる人が沢山います。
引退してからも成長した姿を楽しみに、沢山試合見に行きます。


コーチ陣の方々へ
いつも熱心なご指導をしていただきありがとうございます。社会人の休日を潰してまで練習来てくれて、本当に感謝しています。チームのために色々なことを本気で考えてくれているからこそ、その期待に応えたいです。
感謝の意は結果で示します。これからもよろしくお願いします。


最後に同期へ
自分は最高の仲間たちに囲まれてほんとに幸せ者だと思います。ここまで部活を続けられたのも間違いなく、同期のおかげです。静かな代とされているけど、個性に溢れていて、みんな練習熱心で、ワイワイしていて、そして何より尊敬できる。今までキツイことを何度も乗り越えてきたからこそ、最後はみんなで笑って終わりたい。少しでも長くみんなとラクロスしたい。自分たちなら絶対に残りの4試合勝ち切れる。最後の最後までみんなで全力で走り切ろう。あと、引退しても同期会は開催しよう。



最後まで読んでいただきありがとうございました。
次のブログはゆうすけです。常に美容液やカミソリを持ち歩く美容男子であり、Saints1の面白いユーモアの持ち主でもある彼ですが、実はクソ真面目です。真剣に話すと、いつものおちゃらけている姿からは想像できないくらい誰よりも誠実で真面目に話をしてくる彼は一体どんな想いを見せてくれるのでしょうか。目が離せません。