苦しみからの解放
一人で居ることに慣れてしまい、運転する車の中で感じる、時速160の高速道路。
僕は笑っていた、その先の向こう側に見える、光を知って。
カーステレオから流れる曲は、一曲だけのリピートだから、
もう忘れることもできないんだ。
悪いことばかりしてきました。理由も無く、ただ、訳も無く。悪いことばかり。
左側の大型トレーラーが揺れて、僕はクラクションを鳴らしてしまう。
再び、生への執着を、またやってしまうんだ。
トンネルを抜けると、そこには何も無いと思ってしまう。
僕は、悲観主義者でもなく、ただ、少しだけ、諦めている社会の一部。
例え、この苦しみからの解放を待たなくても、孤独だと思っていても。
少しだけ、笑うしかない、社会の一部。
頭をよぎるのは、唯一つ。
生命保険の口座引き落としだけなんだ。
自立を求める社会の枠組みの中で、僕はアクセルを踏み込む。