通行量が多いと言えば、

オフィス街の平日はひじょうに多い。

そういう場合のチェック項目は、

統計

です。

統計 昼間人口

地図の右欄は、新橋駅から500m圏(赤い円)内の商圏情報を調べた結果です。注目すべきは、昼間人口が男女合わせて94000人以上いるのに対して、人口は1900人ときわめて少ない。これは、平日の夜・深夜と土日祭日での商売が想定以上に奮わなくなることを意味します。月の3割以上に相当しますから、賃料交渉でも3割以上の値下げを求めてもおかしくありません。

仮に(図)のように、

人口が「昼間人口」より少なかったら、

「平日の昼間はなんとかなるでしょうけれど、夜間や休日はどうでしょう。

難しそうですね」

と交渉します。

 

 

具体的な数字を挙げることができればなお良しです。

 

ですから、

商圏集計ソフトなどで武装することも大事になってきます

(ネットで探せばいろいろな低価格ソフトが見つかります)。

ただし、間違ってはいけないことがあります。

それは、「不動産業者さん」は、あなたの「敵」ではないということです。

 

むしろ、

あなたにとっては多くの物件を親身になって紹介してくれる心強い味方

になるパートナーです。

 

ですから、

そういう方々の意見を頭から否定してはいけません。

「確かに○○○なのですが、こうした▲▲も起きていますね」

のように、意見を一度は受け入れた後、

自分の危惧している点について、

しっかりと述べ、日頃から立地についてトレーニングすること

が大事です。

 

中には、

「そんなにあれもこれも条件が整っている物件はありませんよ」

と明らかに嫌な表情になる人もいるかもしれません

が、そういう人は少数派です。

あなた真摯な熱意が伝われば

ほとんどの方は、

あなたの意に沿った良い立地の物件をもっともっと見つけてくれます。
立地を多角的にみることができれば、交渉次第で、多くの物件を繁盛物件にすることができるでしょう。

2020.10月号 飲食店経営
(プロフィール)
林原安徳はやしはら やすのり
売上予測コンサルタント。昭和31年さいたま市生まれ。 東京大学卒業後、日本マクドナルド(株)に入社。出店調査部にて、1,000店舗単位の成功を決める「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用する。
独立後、理論を独自に深耕させSORBICS(ソルビクス)と命名。これに基づき、チェーン展開する多くの企業をコンサルティングしている。主な著作に「実践・売上予測と立地判定」(商業界)「最新版 これが繁盛立地だ!」(同文舘出版)。無料メールマガジン「ソルブ通信」で最新の立地情報を配信中。http://www.store-open.jp

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「ここは立地が抜群」と乗せられたあなたが悪い。連載7-2 へ戻る

 




 

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引用元:「ここは立地が抜群」と乗せられたあなたが悪い。連載7-3


「ここは立地が抜群」と乗せられたあなたが悪い。連載7-2

素人はお店を出してはいけないのです。
立地の勉強をして、

しっかり、立地を見る眼を養ってから、お店を出す。

これが正攻法の一です。

でも、

どうしても、立地に自信が持てない、

勉強する暇もない、

そういうのでしたら、

立地の専門家に代行して調査してもらうことです。

これが正攻法の二です。
ただし、

最近は、いろいろな「立地セミナー」に向学心旺盛な

「不動産業者さん」が頻繁に参加するようになりました。

そして、

けっこう専門的な立地用語を理解し、

使っているようです。
すでにこの連載でお馴染みのTG(ティージー:交通発生源)や

PC(ピーシー:需要集合体)についても、

さらに、「動線」や「視界性」という言葉さえも理解しています。

きちんとこうした立地概念を理解して、

物件紹介をしてくれる業者さんが増えてくれると良いのですが、

なかなかまだこうした人は少数派です。

しかし、

この連載を読んでいるあなたなら、

必ず口に出して言えるはずです。

たとえば、

「店前通行量は多いですよ」と言われたら、

「多いからといって、必ずしも立地が良いとは限らないようですね。

むしろ、通行人からの視界性があまりよくないですから、難しいですよね」

と切り返します。

(写真1

image1

写真2)

image2

写真1は、新宿御苑近くの通行人の多い交差点ですが、この直前の道路を歩いていて、白矢印のところに、写真2の「金物店がある」ことに気づく人は、まずいないはずです。ビルの内側に3m以上セットバックしている上に、柱の影にもなっているからです。こういう物件は、家賃の値下げ交渉を必ずすべきです。

また、

「間口が広いですから、いい物件ですよ」には、

「いくら間口が広くても、出入口が、道路から大きくセットバック

しているのはちょっと問題ですねえ。

これでは道往く通行人をお客さんにできませんよ」

のように、真の問題点を指摘することが大事です

写真3)

image3

新宿の靖国通りに面した物件ですが、ここの1Fテナントはこのビル建設当初からたいへん多くの店が入れ替わっています。ファストフードもだめであったし、コンビニエンスストアもだめだった。そして、全国的に有名なタコ焼きチェーンも撤退しました。

 

そのいずれにも共通して、ネックとなったのは、道路から物件出入口まで5m以上ある「セットバック(矢印)」でした。

 

これが、店内(四角い枠)へ向かおうとする人へ大きな心理的制約を与えたからです。

現在は、ダイコクドラッグが入っていますが、ここは今までと異なり、ビル自体のすぐ軒下に「大きな看板」を出しているばかりか、セットバックした空間を逆手にとって多くの「目玉商品を陳列」することで、客を中に効率的に誘導しています。
このチェーン企業の店舗開発マンあるいは「不動産業者さん」が、オーナーに一所懸命かけあって成し遂げた優れた成果ですね。

 

 

 

「ここは立地が抜群」と乗せられたあなたが悪い。連載7-3 へ続く

 

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引用元:「ここは立地が抜群」と乗せられたあなたが悪い。連載7-2


 

どうやって探すか

近くに、駅や、大型小売店もない。

TGとなるべきめぼしい施設がない。

そういうような地域に行ったらまずこの「PC由来のTG」を探してみると良いでしょう。

もちろん、駅があっても、その近くは家賃が高くて手が出ない。

少し離れたところで良い所はないかと探す場合にも、これは有効です。

駅から出てくる人々の後をいくつかつけていくと見つけることができたりします。

恵比寿 PC図4

図4は、東京の恵比寿駅の東口で、

実査して、「PC由来のTG」が見つかった例です。

小さいほうの2つの円には

「信号付きの横断歩道」があります。

そして、大繁盛の店があります。

やや郊外で物件を探すような場合、

それは、

「○○団地入り口」というような名称のバス停近くにあることが多い

ので気をつけてみてください。

もちろん郊外ならば、駐車場があることは必須です。

 
TGが3つ以上あると、“回遊動線”ができる。

大型店が2つ、駅の近くにあれば、

理論的に3つの動線ができます。

駅と大型店Aを結ぶ動線、

駅と大型店Bを結ぶ動線、

そして大型店AとBを結ぶ動線

の3つです。

しかし、

場合によっては、別の経路の動線ができるのです。

それは多くの道が交錯しているような地域で起きます。

いくつもの経路をまるで回遊するかのように人々が動き回りますので、

これを“回遊動線”と呼んでいます。

回遊動線の良いところは、通常の動線沿いでなくても、

物件前に人々が迷いこんでくることがあります。

それだけ、家賃の低いところでも、好立地になることがあるということです。

図5

もし、

あなたの店の商品、サービスの水準や魅力が高いようでしたら、

こうした立地を探してみることもお勧めします。

図5は、原宿駅前の地図ですが、

ここでは入り組んだ路地すべてが回遊動線になっています。

そのため、どこに出店しても好立地と言えるのです。

 

 

 

 

(プロフィール)

林原安徳はやしはら やすのり
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TGの次に大事な“動線”をあなたは見誤っていないか。 連載6-2 へ戻る

 




 

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引用元:TGの次に大事な“動線”をあなたは見誤っていないか。 連載6・・・


たとえば、

街中の大型小売店はなかなか“駐車場”を有していませんが、

ときには、100台前後の自家用車が止められる駐車場がある大型小売店も見かけます。

こういうのが良いのです。

100台やそこらでは、

その駐車場と大型店の「裏」出入口との間には、

そんな太い動線は生まれません。

つまり、通行量は少ない。

しかも、「裏」ですから、物件の賃料は「表」に比べて格段と低いのです。

PC ポテンシャルクラスター図1

コンビニに多い新型TG

それは、「PC由来のTG」というのにも当てはまります。

PC(「ピーシー」と発音します)とは、

Potential Cluster(ポテンシャルクラスター)で、

「需要集合体」という意味です。

PCとは

「多くの人々がたくさん集まって生活または滞在している場所で、

周囲をいろいろなもの(丘や川、田畑や海、大きな道路など)で囲まれているような地域」

を指します(図1、図2)。

PC 楽田団地図2

例えば、新興住宅地や互いに接近したマンション群などが相当します。

まわりを囲まれているために

そのPCと外界との出入口が数箇所に限られていることが多く、

こうした出入口を出て最初に出会う幹線道路との交差点を、

PC由来のTG(ピーシーゆらいのティージー)」

と言うのです(図2 ○で囲まれた交差点)。

 

 

楽田団地 PC図3

これは、10年前に初めて見つかった新しい型のTGです。

もちろんTGですから、

他のTGとの間に動線が形成されるのは言うまでもありません。

こうした場所が「好立地」だと最初に気づいたのはコンビニエンスストアチェーン

(以下「コンビニ」と省略)の店舗開発マンだったと思います。

こうした場所にコンビニ店を見かけることが多いからです。

「住宅地を後背にかかえている」とか、

「店の側面に道路があって住宅地に繋がっていると良い」

と聞くことがあります。

これらは、まさしく「PC由来のTG」を指していると思われます。

つまり、

「密集した住宅地」=PCから道路に沿って出てくると、

店の前に出る。そういうことを意味しているからです。

もちろん、

こういう立地が良いことはコンビニ店に限ったことではありません。

飲食店でもまったくいっしょです。

 

 

TGの次に大事な“動線”をあなたは見誤っていないか。 連載6-3 へ続く

 

 

TGの次に大事な“動線”をあなたは見誤っていないか。 連載6-1 へ戻る

 

 

 

 

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引用元:TGの次に大事な“動線”をあなたは見誤っていないか。 連載6・・・


 

しかし、

東京の駅前であるならば、たいていの場合、

「はずす」ということはない。

もちろん、立地に「絶対」はあり得ません。

 

駅前であっても、視界性評価が低く駅や主動線上から見えない店舗であったり、

自転車などが所狭しと雑然と置かれていて店舗への接近容易性に難があったりするからです。

こうした自らの立地に加え、同業店の存在は大きく影響する場合が多い。

 

ただし、

こうしたネガティブな立地条件を注意深く避けたり、

補強したり(例えば誘導看板を設置するなど)できるならば、

駅前で、うまくいかないはずがない。

オーナーに対する誠意ある交渉こそ、優良立地を手に入れる最大のポイントです。

 

この点は、企業の経営する店であれ、

個人の経営する店であれ、

条件はいっしょと考えてよい。

もし、個人が交渉して取得できなかったなら、

それは、「個人」が出店しようとしていることが問題なのではなく、

「店の業種業態」や「交渉の内容」が問題であったと考えたほうが良い。

決して、

オーナーは「有名だから」とか「賃料が高いから」という理由だけで、

テナントを決めるということはありません。

このあたりは、個人起業家の方は安心したほうが良いと思います。

水天宮 交差点

都内屈指の売り上げを誇るファミレスの立地

地下鉄水天宮駅の前にあり、交差点角地でもある。5分の徒歩商圏は北側で隣の人形町駅にまで到達する。

住民人口は2912人と少ないものの、勤め人を含めた昼間人口は15,842人とその5倍に達する。

その上、土日は、水天宮は安産のお守りを求めて広域から多くの人々が流入する。

 駅以外でも

 

東京には、駅以外でも、繁盛できる立地が多くあります。

たとえば、

百貨店・GMSSMなどの大型商業施設。

また、駅から直線的に来たところにある大型交差点。

さらに、予備校生などの受験生が多く集まる施設周辺。

業態によっては、

大型団地群の入り口付近、

大学・短大の門前、

公園や河川敷の入り口。

こうした場所でも、慎重に立地を選べば、

多くの優良立地を見出すことができるはずです。

もちろん、こういった物件でも、「交渉」はしっかり行ってくださいね。

 

 

東京都の日本全国に占める割合

(東京都の日本全国に占める割合)

占有率の比率に着目すると、それはとりも直さず東京都への集中度の大きさを表している。とりわけ、大学学生数は4人に1人が東京都におり、その集中度は約22倍に達することがわかる。他の指標も同様に見ることができる。

 

 

 

間違ってはいけない。東京都内各駅制覇は天王山。連載5-2 へ戻る

 

 

(プロフィール)

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引用元:間違ってはいけない。東京都内各駅制覇は天王山。連載5-3


 

郊外へ逃げ出すチェーン店と戻ってくるチェーン店

しかし、そうやって、多くの企業、起業家が東京に集中し、出店していくからこそ、

東京は飲食業に限らず多くの商売にとって大激戦区となっていることもまた反面の事実です。

駅前に空き物件が出るとたちまち多くの企業、起業家の争奪戦になります。

それが賃料相場を押し上げ、最後にはどんな商売の店にとってもほとんど採算割れ。

そのような水準に至ってしまう場合さえあります。

ですから、「東京の駅前は、物件が取れない」と多くの経営者が思うのは無理もないことです。

そして、そういう経営者はどうしようとするか。「郊外」に活路を見出そうとする。

しかし、東京の郊外もそう賃料相場は安くない。

そこで、東京を取り巻く首都圏や、あるいは関西圏、中京圏に店舗開発の軸足を移そうとする。

いつしか、こういう企業はとても多くなりました。

そのため、地方でも、立地のベストといわれる交差点角地が次々と開発されていった。

今はどうでしょう。

もうそういった交差点角地でチェーン企業の店舗が出店していないところは

ほとんど見かけないのではないでしょうか?

地方のロードサイドは、そういう意味で“飽和状態”が始まっています。

では、どうしたら良いのでしょう。

もう一度、東京を見直したらいかがですか。筆者ならそう言います。

では、どこだったら、取れるのか。あるいは、収益が望めるのか?

やはり、東京は、“駅前”なのです。

 上手な交渉こそ東京で勝つ必須要件

もちろん、家賃は、交渉すべきです。他社と競合したら、

自社の強み、例えば、無煙であるから建物を汚しにくいですとか、

地元の多くのファミリーが来店するから地域住民のためになるとか、

見つけ出して交渉して適正な家賃で貸してくれるよう交渉することです。

こうした交渉もせず、

オーナーや業者の提示内容だけで判断して、

「やはり、東京は高くてだめだ」なんて言っていただきたくない。

郊外ロードサイドでは、交差点角地以外、

なかなか好立地というものは見つけ出しにくいものです。

品川の東口

物件は、品川駅の東口から約100mほどの位置にある。周辺には、多くの高層オフィスビルが建っておりたくさんのサラリーマン・OLが勤務しているが、そのビル付設部分とこの物件のある一角にしか飲食店がない。そのため平日の昼時ともなるとどの店も猛烈な忙しさに襲われる。需給バランスが大きく崩れた地域と言える。

 

 

間違ってはいけない。東京都内各駅制覇は天王山。連載5-3 へ続く

 




 

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引用元:間違ってはいけない。東京都内各駅制覇は天王山。連載5-2


 

行動ベクトルの描き方

では、実際には、どうやって行動ベクトルを描けば良いでしょうか?

行動ベクトルは、遠いところへ向かう場合と、比較的近いところへ向かう場合とで描き方が異なります。

遠いところへ向かう場合は、都市の中心部に向けて描きます。

たとえば、図3、4、5はいずれも遠いところへ向かう場合の行動ベクトルをGIS(ジス:地理情報システム)でシミュレーションしたものです。

行動ベクトル 商圏図3

図3は、東京都の小金井市あたりです。行動ベクトルがおおむね西から東へと向かっていることがわかります。ここでは、東京の都心に向かっていますね。

行動ベクトルを理解しないと商圏は描けない。連載4-2

図4は、埼玉県のさいたま市あたりです。行動ベクトルは北から南へと向かっています。ここも東京都心へ向かっています。

行動ベクトル 商圏図4

図5は、どこでしょう。行動ベクトルが南東から北西へ向かっています。ここも図3や図4と同じように東京都心に向かっているのだとしたら、どこでしょう。そうです。ここは千葉市周辺です。

行動ベクトル 商圏図5

東京を離れて、地方ではどうでしょうか。やはり行動ベクトルは、同じように市街地中心部へ向かっています。

図6は仙台市、図7は名古屋市ですが、明らかにそのようになっています。

行動ベクトル 商圏図6

行動ベクトル図7

以上は、「遠いところへ」向かっている場合の行動ベクトルです。こういう場合は、大きな市街地の中心部に向かって描けば良いことがわかりました。

では、近いところへ向かっている場合は、どうでしょうか。首都圏では、その大部分は、「駅」それも近いほうの駅へ向かっています。

首都圏以外では、また首都圏内でも、大きなショッピングセンター(SC)があるならば、そのSCへ向かう行動ベクトルを描くことができます。

行動ベクトルを知ると

行動ベクトルを知ると最終的にどのようなことがわかるのでしょうか?

さきほどの図2をもう一度ごらんください。

 

行動ベクトル

 

商圏が拡大することがわかりました。

では、その拡大した部分が、人がほとんどいない単なる空き地だったらどうでしょう。

せっかく拡大しているにも関わらず、その寄与がほとんどないことになります。

反対に、その広がった地域に、大きな団地群があるなど、人がたくさんいるようだったらどうでしょう。

こうした場合、商圏の拡大は取りも直さず、売上げの向上になるのです。

ところで、駅と駅の中間地点に店を出そうとする人がいます。

それは、とてもリスクの高いことなのです。それは行動ベクトルで説明できます。

図8を見てください。

駅図8

人々は、少しでも近いほうの駅を利用しようとします。

そうなると中間線よりA駅に近い人はA駅に向けて行動します。

反対にB駅に近い人々はB駅に向けて行動します。

すると、中間線上にある地点Pの前を通る人は誰でしょう。理論的には、誰も通りませんね。

仮に、通るとしたら、何か特別な目的を持っている人しか通りません。

だから、駅と駅の間に店を出すことは危険なのです。商圏がほとんどできません。

 

 

行動ベクトルを理解しないと商圏は描けない。連載4-1 へ戻る

 

 

2010年7月号 月刊 飲食店経営

 

 




 

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引用元:行動ベクトルを理解しないと商圏は描けない。連載4-2


不思議なもので、それからほどなくして、その企業は会社更生法を申請し、チェーンは消滅しました。

本当にあった怖いお話しです。

将来人口図11

しかし、当時はこの店舗開発マンの言い分を誰もが認めてしまうような「切実な」事情がありました。


その頃、GIS(ジス:地理情報システム)というソフトウェアが華やかに登場し始めました。

どこのチェーン企業も「GISさえ購入しさえすれば、出店は皆うまくいく」という都市伝説が生まれました。

しかし、決定的な問題がありました。

それは、当時、そのソフトは1台数百万から数千万円とひじょうに高額だったのです。

ですから、多くのチェーン企業が導入を躊躇しました。

先ほどのチェーン企業もそうだったのでしょう。

だから、店舗開発マンは「勘」で商圏人口を書いていた」のでしょう。

しかしながら、最近は、そのGIS(ジス)の価格も急速に下がってきました。

加えて、インターネット(WEB)で会員になると、物件の商圏についてのデータやレポートを短時間で配信してくれるサービスが現れてきたりもしています(図5、10、11)。

さらに、GISとまで行かなくても、電子地図帳の中には、ゼンリン社のように、タウンページが全国分まるごと1冊入っていて、例えば半径500kmの同業店(ライバル店)をたちどころに表示してくれるものもあります(下図)。

同業店 ゼンリン地図

いずれも安いもので1万円弱から高くても1物件数万円と、起業家がその気になればいつでも手に入れられる金額です。

このページで紹介している商圏分析は、すべて格安のソフトやインターネット、レポート作成サービスで実現されているものです。

こういったサービスなどをどんどん利用し、経験と勘だけに頼った店舗開発から一刻も早く脱却しなければなりません。

みなさんも会社の規模や予算に見合ったサービスやソフトを探されることをお勧めします。

 

 

 

商圏情報の入手法でわかる店舗開発マンの真剣度。連載3-2 へ戻る

 




(筆者注:特に引用先を書いていない図は、便宜上著作権の関係で弊社のソフトウェア「統計てきめん」を使って描いておりますが、それらのほとんどは他のソフトウェアやサービスでも実現できるものです。

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2010.6月号

 

 




 

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引用元:商圏情報の入手法でわかる店舗開発マンの真剣度。連載3-3


(2)次に、「質」の問題です。

そこに住んでいる人、働いている人をお客として見た場合のお客の属性に関わることです。

例えば、年齢別人口構成や男女比、集合住宅に住む人の比率、あるいは職業の比率、さらには、通勤や通学で使う交通手段(自動車・バス・バイク・自転車・電車・徒歩)なども重要な調査事項です。

さらに、その商圏は、商業的に流出している(つまり、地元にお金を落とさないで別の都市などへ行ってお金を使っている)ところなのかを調べることはとても有意義なことです。

従来から、単に「人口さえ多くいれば商売は成り立つ」のようなことが言われ続けてきましたが、この考えは現代では通用しません。

仮に、人口などほとんどいないような場所であったとしても、繁盛できる街、地域は全国至るところにあるからです。

もちろん、人口は重要な要素の一つです。

また、昼間人口(昼間に働きに出てしまう人を人口から引き算し、入ってくる人を足し算した数字です)もそうです。

しかし、その何十倍も重要な人口は、購買人口です。

購買人口は、その地域の小売業年間販売額を、107万円(1人当たりの年間販売額)で割ったものです。

購買人口が、人口や昼間人口よりも高ければ、そこは“流入商圏”であり、売れる可能性を秘めた商圏です。

逆に、人口や昼間人口のほうが、購買人口よりも高いというのであるならば、そこでの繁盛可能性は低いと考えるのです。

将来人口

(3)さて、最後に重要なこと。

良い、悪いを決めることは何でしょう。

それは、同業店の存在です。

これを、単に“競合店”と呼ばないことには理由があります。

同業店の存在は、「お客を引っ張ってくる」あるいは「お客にそういう種類のお店があることを知ってもらい、経験してもらうことで、馴染みをもってもらう」というプラスの面があるからです。

これを、同業店による「市場拡大」と呼んでいます。

問題は、市場拡大が起きた後に来ます。

つまり、自店舗の近くにまで、お客は来てくれたが、最後の決定において、自店舗が選ばれるとは限りません。

これが、“競争”です。この競争に勝てば、お客は自店舗に来ていただけます。

ですから、商圏内にどんな同業店があり、そして、その同業店に勝てるかどうか、これは調査に欠かしてはいけないことです。

ところで、以上のようなことを、どうやって調べれば良いでしょうか?

この調べ方の上手下手に、店舗開発マンの真剣度が見えてきます。

 

10年ほど前、私の事務所に、ある大型店を全国展開している起業の店舗開発マンがやってこられ、こう言いました。

「先生、商圏人口は、勘と経験で適当に書いてますよ。みんな大体わかりますから」

と。

今でもその瞬間は鮮明に思い出します。

「商圏人口は『勘』で書けば良い」とそこまで言い切られたのは初めてでしたから。

有名な大チェーン企業がそんな大胆なことをしていた時代でした。

 

 

商圏情報の入手法でわかる店舗開発マンの真剣度。連載3-3 へ続く

 

 

商圏情報の入手法でわかる店舗開発マンの真剣度。連載3-1 へ戻る

 




 

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引用元:商圏情報の入手法でわかる店舗開発マンの真剣度。連載3-2


X(横軸)は営業力(QSCの合計得点)で、破線は平均値(264点)。

Y(縦軸)は売上げ(月商:単位;千円)で、破線は平均値(26000千円)。

営業力と売上げとの関係

 

売上げの高い店は、そのほとんどがA領域にあり平均より高い営業力(QSC)であることがわかる。

 

これに対して、売上げの低い店のほとんどがC領域にあり、営業力が低い傾向にある。

 

しかし、B領域にある店のように営業力は高いけれども、売上げが低いままの店があることは、立地選択の重要性を証明している。

 

 

このグラフは、立地と営業力と売上という3つの関係を見事に表している。

 

1.店の売上は、営業力が高いほど上がる傾向がある。

 

2.しかし、営業力が高いからといって、必ずしも、売上が高いとは言い切れない。

これが、立地の影響力を表している。

つまり、立地が悪ければ、どんなに店長が頑張ったところで、売上の増加は見込めないということである。

 

3.そして、営業力が悪いと、売上は、ほぼ必ず、低迷する。

営業力が悪くても、立地さえよければ、売上がなんとかなる・・そんなことはないのだ。

 

立地は、営業力の悪さをフォローすることはない。

 

そういうことだ。

店が繁盛するためには、立地も大事だが、営業力アップは欠かせないということだ。

 

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北千住の商店街の一角で撮影したものです。シャッターの汚れ具合からわかるように、営業水準(QSC)が低かったために、閉店に追い込まれた個人店。同じビルでコンビニエンスストアがしっかり営業しているところからみて、立地の問題とは考えにくいですね。




 

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引用元:大手ファストフードP社の営業力と売上げとの関係