「X68000Z続報」の記事に「X68000」というテーマを作った話を書いたのですが、そもそもは別テーマにしていた音楽の話も結びついてくるので、今日の記事の題名になりました。「自分の音楽の原点と変遷の話(シンセサイザーについて)」という記事をその前に書いたのですが、この記事とX68000というPCが結びつくものが「FM音源チップ」です。
音楽系のシンセサイザーについてというところで、Yamahaが開発したFM音源(搭載の)シンセサイザーが登場しました。音楽の世界では「DX-7」というシンセサイザーが大ヒット商品であり、その開発はその後のYamahaが作成する楽器製品にも大きな影響を残したことは間違いないと思います。そして「エンジニア的に」注目するのが「FM音源チップ」はYamahaが製造しているということです。
ネットのDTM記事(「YAMAHAのFM音源チップ、YMF825がMAKE市場向けに登場。Maker Faireで先行発売が決定だ!」)に
「1983年登場のDX7で世界を一世風靡したYAMAHAのFM音源。その後、ICチップ化されたFM音源はPC-8801mkIISR(OPN:YM2203)、X68000(OPM:YM2151)、PC-9801-86(OPNA:YM2608)、さらにはMSXやFM-TOWNS、SoundBlaster……と往年のパソコン名機、周辺機器に搭載され、初期のDTM文化を育んできました。そのため、40代以上の方だと、FM音源をDTM原体験として持っている方も少なくないのではないでしょうか?」と書いてあります。
「「われわれのチームでは、主にMAKE市場向けに、eVocaloidのデバイスNSX-1を搭載したeVY1シールド、心がこもった対話を実現するHEARTalk“! UU-001という製品をリリースしてきましたが、第3弾として当社のFM音源を搭載したYMF825Boardを発売することにしました」と話すのは、ヤマハ株式会社 新規事業開発部 HEARTalkグループの(以下略)」という記載も同じ記事に載っています。
「eVY1シールド」については2015年頃に記事にしていた時期があって、「Arduino+eVY1シールド+USBホストシールド+LCD」などの記事を書いたことがありました。
このシールド(基板)は、Yamahaが別途開発した、ボーカロイドチップを載せた基板です。そしてこの(FM音源チップの)流れで製品化したものが、「YMF825Board」らしいです。
この様にFM音源チップはPCに搭載するチップとして、楽器の心臓部として、開発製造はYamahaが行っています。楽器メーカーとして有名ですし、関連事業では2輪車なども行っているYamahaですが、自社で半導体を開発製造できる企業でもあるのは、とても興味深いです。
実は、媒体事業の仕事をしていた時代に静岡に出向いて打ち合わせをしたことがあります。その時はYamahaはHDDに使う磁気ヘッドの開発製造を行っていた時代でした(今は撤退しています)。
#追記(2022/12/09)
X68000のサウンド機能については、「 X68000」(linkはコンピュータ博物館)に出ています。FM音源:YM2151, 8チャンネルFM音源 (2チャンネル, 8オクターブ)と音声合成:MSM6258, Adaptive Differential PCMの2種類のチップが搭載されていました。
ADPCM機能に関してはあまり情報が見つからず、「X68000のサウンド回路周りの改造(人柱未確認)。」のハードウェア情報が見つかったのが現状です。
#追記(2022/12/10)
MSM6258のデータシートは
で見つかりました(DSAP0054035.pdf)。