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The passenger of life

人生という小さな小舟に乗りこんだたった一人の乗客。行き先を決めて進むのは自分。僕は人生をどこに向かわせるのか。流れにまかせるのか必死に舵をきるのか。さあ、どうなる?自分。

朝、家を出て駅に向かういつもの道。

なんか人が少ないな。

と思った。



駅に着いてみると、いつもと変わらない混雑っぷり。

なんだ、人が少ないなんて気のせいだな。

と思ったのですが・・・。



新宿に向かう途中の駅でガンガン人が降りていく。

新宿に着くころには立っている人は何人かいるだけ。

嘘みたいな景色。



新宿で丸の内線に乗り換えたのですが、これまた空いてる。

一体なにが起きているのか。

激混みのピークは過ぎていたけど、それでもいつもはもっと混んでる。



そして帰宅の電車でも同じことが起きた。

丸の内線がめちゃくちゃ空いてる。

余裕の着席。

新宿まで快適な15分の電車の旅。



そして新宿から乗り換えた電車はまたまた激空き。

いや、本当にみんなどこいった?

駅にはわんさか人がいるのに、電車内にはなぜかこれしかいない。

なんなんだいったい。



みんな本能でなにかを避けているのではないか。

この電車でなにかが起きてしまうのではないか。

と本気で考えはじめてしまった。

自分ちの駅に着くまでかなり不安になってしまった。

なにごともなかったんだけどね。



混雑は嫌なんだけど、空いてるのも不安になってしまうのだから・・・まったくどうしたもんだろね。

仕事帰り、日比谷線に乗り込んだ。

ドアが閉まり目の前に広告が飛び込んできた。

ドアのガラスにシールで貼られたその広告は、とある作家の新刊の宣伝だった。



この広告のコピーに愕然とした。

素晴らしく心引かれるコピーだったわけではない。

その逆だ。



「大人の流儀」という言葉があった。



その言葉自体は市民権を得ていて、普通に理解できるのだが・・・。

なんともかんとも、作家の奥深さや哲学を台無しにしていると感じる。

いわゆる「大人の流儀」なんて言葉はハウツー本の表紙に飾られる言葉。

その言葉の奥になにかを見ようとしても、草食男子や育メンとかと同じような、単なるシンボルを意味するものしか見えてこない。



だれがどこでどんな作品を書いても、それは自由。

だけど、こんなコピーを堂々と掲げられるのはショックだ。



コピーって、こんなにも安っぽいものではないと思う。

考えて、想像して膨らませて、切り取って削ぎ落として、また壊して作り直して・・・。

ようやく一言で突き刺さる言葉が生まれるんじゃないだろうか。

僕は専門家ではないけど、よく考えられたものと、そうじゃないものの違いくらいはわかる。



もしあのコピーが熟考のうえでのものならば、作品がその程度のものだということになる。

しかし、作品が素晴らしいものであった場合、あのコピーは作品を踏みにじるものになる。



こんな批判的なことを書くのは控えたかったけど、あまりに稚拙な広告だったので書かずにいられなかった。

本当にショックだった。





先日、あまりにインパクトのある出来事がありました。

夜寝ていると、頭の上・・・というか髪の毛をごそごそされる感覚があって目が覚めました。

寝ぼけてるから状況がよくわからなかったんだけど、なんか鼻息をフガフガしながら髪の毛をまさぐっている。

あ、これ犬じゃない?

と思った瞬間に強烈な金縛り。



そうか、夢か。

金縛りの原因は脳の覚醒と肉体の睡眠状態の矛盾で発生すると信じている僕は冷静に夢であると判断。

これまでもそう思うと落ち着いてまた眠りに落ちていけていたんだけど・・・。



そのときはちょっと状況が違った。

どうもその犬は結構な大型犬のようで、髪の毛をフガフガする鼻息の音からすると少なくともレトリバークラスの大きさと思われた。

もしレトリバー系の犬だったら、以前飼っていたわんこかも・・・と思ってたら、僕の顔を思いっきり踏んで布団の上に移動した。

いや、これはあの子じゃない。

あの子はこんな行儀の悪い子じゃなかった。



それにしてもマジでデカイ。

重さが半端じゃない。

土佐犬とかセントバーナードとかか?

しかも僕の腹の上で穴を掘り出した。

布団をつめで引っかく音がリアルすぎる。



ああ・・・これ、もしかして夢じゃないんじゃない?

冷静じゃいられないじゃないか。



こうなりゃ強行手段。

足の親指に力を目一杯込める!!

こうすると解けたんだよ、金縛りがこれまでは。



しかし、解けなかった。



もしやもしや、これはこれまでほとんど経験したことのない恐怖系の、いわゆる心霊系の金縛りなのかもしれない。

そう思うと怖くなった。



うーん・・・うーん・・ともがいたり、声を出してみようと長らくしていたのだけど、無駄骨に終わってしまった。

もうあきらめて犬を観察することにした。

怖いけど目を開けてみると真っ暗な天井と、視界の隅っこで動く何かが。

たぶん犬。

地面を掘ってる前足がばたばたしてるのが視界に入ってきてる。



なにしてんだろうな・・・ここ布団だよ。

宝物(食い物)が埋まってんだろうけど、ひとまず掘る場所を間違っていると教えてあげたい。



目が慣れてきて、犬の毛色が白いことがわかった。

これはうちの子じゃないわ。

ということが判明。



それからしばらく金縛りも解けず、穴掘りも止まず。

かといって恐怖もなく。

ただひたすら穴を掘る犬と、金縛りの僕の間にながれるシュールな時間がだけが過ぎていく。



どれくらい時間が経ったのかわからないけど、急に穴掘りが終わった。

そして、気が済んだのか帰っていった。



帰る際も律儀に腹、胸と踏んでいったのだが、その時に顔を見たらどうもハスキーっぽかった。

犬種がわかったのはいいけど、このままじゃ次は顔踏まれるじゃん!!と思って目をつぶったら、今度は顔を踏まなかった。



それからすぐに足の親指に力を込めたら金縛りは解けました。

布団を確認してみたけど、あんなに引っかいていたのにほつれも破けもない。

でもそこに犬がいたのは間違いなく、さっきまで犬がいた存在感というか、そういうものだけは強烈に残っていました。



いったいなんだったんだろうねぇ・・・。

なんかさ、実は最後のほうは「もう思う存分掘っていっていいよ」って思ってて。

どういう思いで穴を掘ってたのかはわかんないけど、彼はそうせずにはいられないんだよ。



僕のところでは宝物は見つからなかったみたいだから、また違う家に入って誰かの布団の上で穴を掘るんだろうか・・・。

願わくばもう僕のところには来ないでほしい。