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石田マネジメント事務所

技術やものづくりに関する最近の話題と気づき、ちょっとした備忘録を書いています。

今年2024年に2版が出たものだが、ヒドイ書籍だった。内容的にはすでに知られていることも繰り返し記述が多い。

 

例えば、

・米国は半導体製造に係る、原材料調達、設計、製造装置の確保

 のライフサイクルの全てを握りつつあるが、製造(ファウンド

 リー)機能が無いため、最先端の製造技術を持つTMSCを取り

 込もうとしている

・しかし米国は台湾TMSCを信じておらず、TMSCは米中衝突の

 狭間でうまく立ち回って両得を得ようとしている

・その腹を見透かしている米国は、アリゾナ州での製造工場建設

 の見返りに多大な投資と台湾有事での支援をちらつかせている

・最先端の2ナノの製造技術を提供しろ、でないと台湾有事での

 援護や経済金融での援助もしないゾと脅してもいる

というかんじ。

 

著者が日経新聞の記者なので、日本は中国を離れて生きてゆくことは困難だ・・・という昔ながらの親中的雰囲気のある書きっぷりだなと思う。

東芝が凋落した原因を大前研一がコラムで解説していて、

 

「東芝が凋落した原因は3世代にわたる権力闘争に明け暮れた社長たち、つまり人にあったが、業績悪化後になかなか復活できないのは、投資銀行に相談したせいである」

 

と説明している。

 

ところでこの記事の最期の方に面白いことが書いてあった。

 

「東芝の将来はどうか。期待したいのは、東芝伝統の「闇開発」だ。かつての東芝は、いい意味でいい加減な会社だった。誰から指示されるでもなく、エンジニアが新しい技術製品を開発するのだ。

ラップトップPCも本当は社員が勝手に開発したものだったし、半導体のフラッシュメモリも舛岡富士雄氏が自由に研究して発明した産物だ。日本語ワープロのJW-10も、森健一氏らによる“密造酒”だ。

困難な再建になるだろうが、東芝が持っている強みを活かして立ち直ってほしい。」

 

確かに研究開発サイドには、多くの技術領域にわたってビックリするようなハイレベルかつ、実直でまじめな優れた人が結構いて、「教えて下さい」と教えを乞うと懇切丁寧に教授してもらえるのである。今でも何人かの方々とは懇意にさせていただいているが、“密造酒”の伝統を大切に、良い未来が訪れることを祈念してやまない。

自動車の燃費性能はじめ、このところ試験結果の改ざんに関する話題が続いている。

あまりニュースになっていないが、この手の不正は自動車に限らずいろいろなところで発覚しているが、この原因がどこにあるのかといえば、

・品質基準自体に問題がある

・故に過剰品質になっている

・管理職や経営幹部は”ちゃんとできている。問題はない”という

 回答しか許容せず、そうであるよう部下を暗に明に脅迫する

・作り手も検査基準を維持する側もみな自分が言い出しっぺに

 なりたくない

・先人のやってきたことを否定、批判すると社会的・社内的に

 抹殺されてしまう。そんな貧乏くじを引くことはばかばかし

 いので、問題はなかったことにしてしまう

・当事者の多くは本当はうっすら知っているのだが見て見ぬふり

 を決め込む

ということだと思う。

こういうことは日本だけでなく、燃費を改ざんしていたドイツ車もあったことをみてみればわかる。

また、現役だったころ自社が買収した欧州企業の実態を知った時のことも思い出される。対外的に言っていることと、自分たちが作って売っているものの中味は全く違っていて、愕然としたことがあった。

欧米人とはなんて二枚舌の大嘘つきだなのかと思いしったこともあった。

これ以上、しょうもないことに労力、時間、コストをかけるのはやめて、本当に付加価値のあることにエネルギーを投入すべきと感じる。