伝統の闇開発 | ものづくり技術小景

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石田マネジメント事務所:技術やものづくりに関する最近の話題と気づき、ちょっとした備忘録を書いています。

東芝が凋落した原因を大前研一がコラムで解説していて、

 

「東芝が凋落した原因は3世代にわたる権力闘争に明け暮れた社長たち、つまり人にあったが、業績悪化後になかなか復活できないのは、投資銀行に相談したせいである」

 

と説明している。

 

ところでこの記事の最期の方に面白いことが書いてあった。

 

「東芝の将来はどうか。期待したいのは、東芝伝統の「闇開発」だ。かつての東芝は、いい意味でいい加減な会社だった。誰から指示されるでもなく、エンジニアが新しい技術製品を開発するのだ。

ラップトップPCも本当は社員が勝手に開発したものだったし、半導体のフラッシュメモリも舛岡富士雄氏が自由に研究して発明した産物だ。日本語ワープロのJW-10も、森健一氏らによる“密造酒”だ。

困難な再建になるだろうが、東芝が持っている強みを活かして立ち直ってほしい。」

 

確かに研究開発サイドには、多くの技術領域にわたってビックリするようなハイレベルかつ、実直でまじめな優れた人が結構いて、「教えて下さい」と教えを乞うと懇切丁寧に教授してもらえるのである。今でも何人かの方々とは懇意にさせていただいているが、“密造酒”の伝統を大切に、良い未来が訪れることを祈念してやまない。