セキュリティの話題に「脅威インテリジェンス」というのがある。いろいろな公開情報から情報収集することをOSINTというが、これ以外にも「なんとかINT」というのがあるが、SIGINTといって通信、電話の会話、クラウド上のデータなどの送受信デ-タを盗聴、傍受する仕組みがあります。
このSIGINTを世界最大規模で行っている国はアメリカで、これにはNSA、CIA、FBI等多くの機関が関わっています。電話やネット通信は暗号化されているのでは、と思うでしょうけれど、全部解読されていると思った方がいいです。下図はその通信傍受拠点を示したもので世界中で500カ所はあるといわれてます。また、PRISMという監視システムが全世界で張り巡らされていて、Facebook、yutube、googleやMSなどのサービスインフラ上でやりとりされるデータをリアルタイムで監視する仕組みが2007年くらいから稼働しています。
日本には情報秘匿の法律があり、そういうものは漏洩していないはずと誰もが思っていますが、そう思っているのは日本人だけなんでしょう。我々がiphoneで会話し、電子メールでやりとりしている内容は、アメリカ、イギリスなどのファイブアイズと呼ばれる国には筒抜けに見られているでしょう。
ANTといってデータをハッキングするハード・ソフトが搭載されている製品も結構あり、HP、シスコ、華為やデルなどの製品にインプラント(埋め込み)されているという報道もありました。
岸田首相の時、中国要人とヤバい会話をしていたらしく、首相官邸にアメリカ(たぶんCIAでしょう)から直通電話がかかってきて「どこの誰と何の話をしてるのか。全部わかってるゾ」と脅されたことがありましたが、まぁこれが現実ということでしょう。
AWS、Azureなどのクラウドの中もその気になればアメリカはいつでも見ることができる。Patriot Act(愛国法)という法律のお墨付きもあります。
中国はアメリカのやっていることをよくわかっているので、その対抗策を次々打ち出しています。セキュリティとは欧米諸国では”安全保障”と訳されますが、これには情報セキュリティというだけでなく人の行う諜報工作活動、通信データ傍受など広く包括的な概念です。日本もいいかげん目を覚まさないといけない。首相が誰になろうと、政党が入れ替わろうと何も変わってこなかったのはなぜなのかよく考えないといけません。
