JAZZ サヒブ・シハブの2枚 2008年05月15日
立て続けにサヒブ・シハブのCDがリリースされた。さらにもう1枚遅れているが予定されている。(The Sahib Shihab Quintet:SEEDS)
1枚は
SAHIB SHIHSB COMPLETE SEXTET SESSION 1956-1957
でスペインのフレッシュサウンドから出た。このレーベルはソニー・クリスなどのコレクター向けのものが多いようである。
このCDは、名盤JAZZ SAHIB の全容を含んだ2枚組で、1956.3.12,1956.5.17,1956.5.29,1957.6.6,1957.7.9,1957.11.7の録音が入っている。録音はニュージャージーのハッケンサック。
もう1枚は
SAHIB SHIHSB COMPANIONSHIP
でREARWARD(イタリア)レーベルで1964.5.8/9,1965.9.25,1968.8.13,1969.2.2,1970.7の録音が収められている。これは同レーベルから以前にリリースされたアンドオールゾーズキャッツとダブりが多く、20曲中9曲もある。
彼をB級プレイヤーと称する人は多い。
私はそうは思わないが、その意見を否定しない。
確かにそんな面もある。ただジャズ喫茶で聴いていいと思って自宅で聴いたらよくないのがサヒブ・シハブの「特徴」でもある(笑)。
サヒブ・シハブのブームが来たことではないことだけは分かる。
子ども格差 2008年05月14日
今週号の週刊東洋経済の特集は「子ども格差」である。
「セーフティネットの崩壊とともに教育の崩壊が始まっている」と私たちが主張しだしたのは2002年頃である。経済格差が子どもの教育格差を生み、それは希望格差、可能性の否定に繋がり社会不安と社会としての機能不全を惹起させると考えた。
しかし、社会はそれに対応しなかったし、逆に「健全」な競走社会を善とした。
中曽根内閣時の臨教審は財界の意向に沿うように教育改革をし、そして資本の側が人材としての子どもを早期に選ぶ自由を獲得した。
それは新自由主義政策の中で、人間には生まれながらに能力に差異があり教育に無駄な金を使うなという論理で、公立学校批判とともに登場した。その萌芽は1996年の橋本内閣下の行政改革の規制緩和で推進され「学力も個性」「能力も個性」「学校差も個性」(佐藤学氏の批判的表現)というスローガンになっていく。
公立学校批判は新自由主義改革を人々に受け入れ安くする効果があり、それは教育の市場化に繋がり、低階層の子どもの教育を平等に受ける権利が奪われる結果となった。
東洋経済の特集では、経済力が教育や進学率に反映しているようすや、世代を超えて継承される貧困などがデータとして表現されていて、壮絶の一言に尽きる。
私は経済誌というものを懐疑的に見ている。それは常に資本の理論に寄り添ってきたからだ。この特集はそれから離れたのか、あるいはとうとう危機感を感じたのか、のどちらかであろう。その危機感も個人消費の落込みていどのものだと思うが。
新自由主義経済の中で「小さな政府」を志向し、自己責任を強調してきた結果がこれである。
セーフティネットの崩壊と貧困率の増大。希望格差の社会となってしまったのだ。11日のNHK番組「社会保障があぶない」の中で金子勝氏(慶応大学)は「小さな政府、市場中心主義が景気を昂揚させると言ってきた。では大きな政府で手厚い社会保障で経済成長しているヨーロッパをどう説明するのか」と言っていた。
デンマークなどは税金は50パーセントであるが、かつて税金が高いと労働意欲を失うという論理があった。セーフティネットが拡充していれば税金の高負担に反発が少ないと言う。
日本の義務教育は中学までである。中学を卒業してすぐ仕事に就けるだろうか?できない。社会も財界も対応していない。義務教育年限に問題があるし、若者に職業を与えるという社会機構になっていない。これだけでも不完全な、破綻した国なのだ。
脅迫資本主義の中で、子どもや教育や学校を利潤追求の恰好の猟場にしてきたツケなのだ。モラルも倫理観もない。学問より受験勉強を尊ぶ愚かな国なのだ。挙句の果てに公立学校現場で進学塾が料金をとって受験勉強を指導する時代になった。
日本の場合は私学の多さが特異的だが、私学が少子化に対する危機感から資本主義化を推し進め、その資本主義化は脅迫と差別感を資本としたブランド化で教育とは大きく乖離した。また、私学助成金から政府の配下として跪く姿は醜いとしかいいようがない。
イギリスは1999年に「子どもの貧困撲滅宣言」をし、社会保障、労働、教育の分野で総力戦を展開した。2004年には70万人の減少が見られた。日本では対策はとられていない。というよりも気づいていないのかもしれない。
この雑誌の特集を見るとすでに手遅れだと思える。
経団連会長の企業が二重派遣や擬装派遣をし、法人税の軽減と累進課税反対の立場をとっているのだから…
しかし、どうしてこんなワイルドな社会になってしまったのだろう…
高等学校までの義務教育化、職業訓練校の拡充、国公立学校の全入制、高等教育の無償化、これらが実行される日はないだろう。子どもを愛さない国だから…
松任谷由実、明日のジョー、Q 2008年05月12日
2008年4月3日から弥生美術館で「生誕100年 山川惣治展」が開かれていて、昨日はご親族や関係者のギャラリートークがあったので行ってきた。
山川惣治については知る人と知らない人の差は激しいと思う。少年王者、少年タイガー、少年ケニヤで、絵物語という分野を確立した人である。(もちろん絵物語はそれ以前からあった)
私が山川惣治のファンであるか?と聞かれると必ずしもそうではない。
では、なぜギャラリートークに行ったか?というとボクシングである。
山川惣治は少年期に深川の製版会社に勤めていたが、その時の同僚で親友だった人が木村久五朗である。木村久五郎はボクシングをやっており、そののちアメリカに渡りノックアウトQというニックネームがつき人気を博した。マジソンスクウェアガーデンのリングに乗った最初の日本国籍の人かもしれない。また帝拳ジムの草創に関わった人でもある。
山川惣治は彼との交遊を自伝的な作品「ノックアウトQ」という作品で表現した。それは青春と夢を語る作品で、内容的にも評価が高い。
その作品を読んで感銘を受けた梶原一騎が構想したのが「明日のジョー」である。
イベントでは、山川惣治のご親族やお手伝いしていた人が来て話をした。そして木村久五朗の甥ごさんが花巻から来て話をした。惣治と同様木村久五朗も生誕100年で、明日のジョーのモデルということから、花巻でもイベントが開かれるということであった。
さて、なぜタイトルに松任谷由実とあるのか?
敗戦後、少年タイガー等で財を成した山川惣治は新宿に豪邸を建てるが、自ら出版した雑誌「ワイルド」が失敗し豪邸を売却する。そののち移り住んだのが横浜山手のドルフィンであり、家族でレストランを経営していた。
ドルフィンは松任谷(荒井)由実の「海を見ていた午後」に出てくる。
山川惣治のご親族によると松任谷由実はよく店に来て、店でコーヒーを飲みながらスケッチをしていた惣治と話もしていたと言う。ただ松任谷由実がその人を山川惣治だと認識していたかどうかは分からないとのことだった。
蛇足ながら山川惣治が昭和ひとけたの時に作った紙芝居の悪役に「ブラックデビル」というキャラクターがいるのだが、アメリカンコミックのバットマンにそっくりなのだ。ウリふたつ。どっちが先だろう…
2008年4月3日から弥生美術館で「生誕100年 山川惣治展」が開かれていて、昨日はご親族や関係者のギャラリートークがあったので行ってきた。
山川惣治については知る人と知らない人の差は激しいと思う。少年王者、少年タイガー、少年ケニヤで、絵物語という分野を確立した人である。(もちろん絵物語はそれ以前からあった)
私が山川惣治のファンであるか?と聞かれると必ずしもそうではない。
では、なぜギャラリートークに行ったか?というとボクシングである。
山川惣治は少年期に深川の製版会社に勤めていたが、その時の同僚で親友だった人が木村久五朗である。木村久五郎はボクシングをやっており、そののちアメリカに渡りノックアウトQというニックネームがつき人気を博した。マジソンスクウェアガーデンのリングに乗った最初の日本国籍の人かもしれない。また帝拳ジムの草創に関わった人でもある。
山川惣治は彼との交遊を自伝的な作品「ノックアウトQ」という作品で表現した。それは青春と夢を語る作品で、内容的にも評価が高い。
その作品を読んで感銘を受けた梶原一騎が構想したのが「明日のジョー」である。
イベントでは、山川惣治のご親族やお手伝いしていた人が来て話をした。そして木村久五朗の甥ごさんが花巻から来て話をした。惣治と同様木村久五朗も生誕100年で、明日のジョーのモデルということから、花巻でもイベントが開かれるということであった。
さて、なぜタイトルに松任谷由実とあるのか?
敗戦後、少年タイガー等で財を成した山川惣治は新宿に豪邸を建てるが、自ら出版した雑誌「ワイルド」が失敗し豪邸を売却する。そののち移り住んだのが横浜山手のドルフィンであり、家族でレストランを経営していた。
ドルフィンは松任谷(荒井)由実の「海を見ていた午後」に出てくる。
山川惣治のご親族によると松任谷由実はよく店に来て、店でコーヒーを飲みながらスケッチをしていた惣治と話もしていたと言う。ただ松任谷由実がその人を山川惣治だと認識していたかどうかは分からないとのことだった。
蛇足ながら山川惣治が昭和ひとけたの時に作った紙芝居の悪役に「ブラックデビル」というキャラクターがいるのだが、アメリカンコミックのバットマンにそっくりなのだ。ウリふたつ。どっちが先だろう…


