大河ドラマ『光る君へ』“勝手に解説”〜第十四回(2)ー④渡海制 | 愛しさのつれづれで。〜アリスターchのブログ

大河ドラマ『光る君へ』に関して、勝手に、私感含めて書いております。ネタバレは~という方はご注意ください。

読み進む前に「はじめに」をご覧いただければ幸いです。

 



 

④渡海制

これまでは日本に「来る」人々を中心に見てきた訳ですが、反対に大陸や半島などへ向かう出国者についてはどうだったのでしょうかうーん

これには王臣思想や中華思想が大きく影響しています。

①でご紹介したように、中華思想や律令の前提は

《唐(中国、つまり自国のこと)が中華(中心)で、周りはみな外蕃(従属国)》

です。従属国からやって来るというのは「朝貢」や、王や帝国の徳を慕ってのことと考えられ、だから受け入れも柔軟に行われるのです。それに対して、

《(王の徳が行き届いた)帝国の外に出る》

というのは、帝国の否定であり、反旗を翻すこと、すなわち律にいう「八虐」の一つの謀叛に当たると考えられ、決して許されることではないのです。謀叛とは「本朝に背かんと欲し、蕃国に投ぜんとす」(日本を裏切って異国側につく)と注釈されるように、許可なく不法に海を渡れば、それだけで国家に対する反逆ナイフと見なされるのです。律令制では天皇のみが外交権を持ち、公のもの以外の出国や海外渡航船は認められません。だから外交権を持つ天皇が珍しいものを配ることは、臣下との結びつきを強固なものにすると考えられたのです。逆に言えば、正当な理由(勉強に行きたいとか)があればいいということになるのですが、それもごくごく僅かな人にしか許されなかったのですショボーン


右矢印(3)ー①に続きますおーっ!