大河ドラマ『光る君へ』“勝手に解説”~第十三回(1)-①国司の任官 | 愛しさのつれづれで。〜アリスターchのブログ

大河ドラマ『光る君へ』に関して、勝手に、私感含めて書いております。ネタバレは~という方はご注意ください。

読み進む前に「はじめに」をご覧いただければ幸いです。




『光る君へ』第21回は逃げ回る伊周にすべてを投げ出してしまった定子、からの『枕草子』爆誕にまひろと道長の逢瀬と、45分間の中にギュギュっと詰め込まれていましたね~照れ

さて今回は、少し視点を変えて、このころの国司(受領)の役割と赴任地への旅についてお話ししたいと思います。(2)では為時と紫式部の旅についても、少しではありますが紹介できればと思っています。

 

 

第十三回 受領国司の役割と為時の越前下向 

 

 

(1)受領国司の役割と任官

①国司の任官

受領と聞くと「権力者に取り入り強引に利益を上げようとする人間」ニヤリのイメージを持つ人も多いと思いますが、それはどちらかというと遥任(赴任せずに、仕事は現地の次官等に任せて給料を受け取る)が頻発する平安中~後期くらいからで、元々は官位相当制と位階制によって国司の任命は機械的に決定されていました。

特に十世紀からは一定の資格やコースが必要になって厳格化されていき、位階は五位以上は天皇の意志(勅授)によるもの、六位以下から五位への昇進は「氏」の格によって決まりました。

六位の官人が従五位下になるためには特定の官職で毎年一人ずつが昇進する「巡爵」という制度が、また従五位以上への昇進では、特定の官職において一定の年数を務めると昇進ができる「年労」の制度ができます。

新任の国司の資格も決められ、蔵人や検非違使、式部丞や民部丞などの官職を務めた者、院(女院などを含む)からの推挙が行われました。ただし、受領の任命については公卿が推薦パーすることもできました。任命システムが制度化される中でその実行力は少なくなっていきますが、欠員を生じた場合の臨時の除目では大きな効力を発揮しました。

ではなぜ受領国司の任官が重要だったかえー?

徴税を行うために必要だったからですコイン

九世紀までに地方の徴税は在地の首長が請け負って行われていましたが、それを担った郡司が没落してしまい、領地を直接把握して徴税する体制へと変化したのです。中央貴族が国司になると左遷のようにも捉えられがちですが(そういう場合もある)地方政治に中央貴族が直接関与でき、支配体制が拡大するという面もありました。


右矢印(1)ー②に続きますニコニコ