95冊目。

ジョブズはなぜ天才集団を作れたか ジェフリー・L・クルークシャンク 講談社

邦題につられてマネジメントのノウハウを得ようと手にしても大間違い(原題は“The Apple Way”)。
歴代経営者のマネジメント手法、マーケティングの特徴やブランド構築まで、アップル社の歴史をつまびやかにすることで「教訓」を得ようという壮大なコンセプトの一冊。
そもそもアップルのような会社を、更にはスティーブ・ジョブズのような経営者を分析しようというのが滑稽な話。が、本書が面白いのは、書いている著者本人もそれをわかっているということ。
最初は冷静な文体でアップルの歴史を語る著者が、終章に近づくにつれ文体もラフになり、あげくにはとても上品とは言えない表現でマイクロソフト(と、ビル・ゲイツ)を罵りだす始末。

アップル社(或いはスティーブ・ジョブズ)についての著作は、常にフェアな視点で書かれているかが議論になるが、これほど肩入れしていると、逆に爽快。

著者は、アップル社の戦略的優位点は、スティーブ・ジョブズ、資金的余裕、ブランド力、幸運の4つだと言い切る。ビジネス書としては身も蓋もない結論だが、どのアップル本よりも正鵠を得ているかも。


ジョブズはなぜ天才集団を作れたか (講談社BIZ)/ジェフリー・L・クルークシャンク

¥1,800
Amazon.co.jp

94冊目。

SaaSで激変するソフトウェア・ビジネス 城田真琴 毎日コミュニケーションズ

ウェブを介しソフトウェア機能をサービスとして提供する(Software as a Service)、SaaSがまだASPと呼ばれていた勃興期からセールスフォース・ドットコムとグーグルの躍進に代表されるSaaSの「今」までを俯瞰出来る一冊。
思想面だけが一人歩きしがちな、クラウド・コンピューティングの実際を大まかに理解出来る。
従来のソフトウェアとSaaSの対決構図は、「マイクロソフト、SAP、オラクル」対「グーグル、セールスフォース・ドットコム」の構図だ、と筆者が表現する勢力抗争の勝敗はそんなに遠くない将来にはっきりするのだろう。

「SaaSはソフトウェアの民主化だ」というセールスフォース・ドットコム社長の発言が印象的。


93冊目。

「みんなの意見」は案外正しい ジェームズ・スロウィッキー 角川書店

原題は、“THE WISDOM OF CROWDS.”
グーグルやウィキを始めとする先進的(もはや「先進的」ではないか)なITサービスの設計思想や、ビジョナリたちの発言に頻繁に出て来たキーワード。
リナックスの創始者のエピソードなんかが主要構成かと思って読み始めたが、良い意味で予想を覆された。

本書のテーマは明確で、少数の優秀層(またはエリート)と呼ばれる人たちの判断と、群衆や大衆と表現される多数の一般的な人々の判断とでは、どちらが正しいか。
本書のタイトルが明示しているように、後者が正しい、という論理を証明するふんだんな事例が紹介される。
中でも、群衆の叡智が形作る最も信頼性の高いアウトプットとされる株式市場のメカニズムの事例は、ここ数日の株価の乱高下とリンクさせて考察すると、かなり、面白い。



「みんなの意見」は案外正しい/ジェームズ・スロウィッキー

¥1,680
Amazon.co.jp

92冊目。

宇宙一愛される経営 増永寛之 総合法令出版

起業家・増永氏が経営するネット系広告代理店、ライブレボリューションの理念をまとめた一冊。
「宇宙一」「世界平和」「ユニバーサルスタンダード」といったインパクトの強い言葉が並ぶが、冷静に内容を読み解いていくと意外と普通。
増永氏の性善説と性悪説が交錯する思考プロセスもやはり、経営者にとっては保持しておくべき普通のバランス感覚か。

この会社を異色たらしめている最大の理由は、9000人から選ぶと言う採用採用活動にあるのかもしれない。

宇宙一愛される経営/株式会社ライブレボリューション/増永 寛之

¥1,575
Amazon.co.jp

91冊目。

プロセス・オブ・モバイル・サクセス 美谷広海 他 翔泳社

携帯サイトによるWebサービスの全体像を俯瞰した入門書的な書籍。
マーケティング観点から深耕するでもなく、サイト設計について技術面を仔細に語るでもなく(語られても理解出来ないけど)、ケーススタディが豊富なわけでもなく・・・。

ジャケ買い時の期待が大きすぎたか。 と、誤植多すぎ。


プロセス・オブ・モバイル・サクセス 企画・発案から制作・運営・SEMまで携帯サイトを成功に導く55のポイント/美谷 広海

¥2,100
Amazon.co.jp