先々週、観た「ベテラン」が10年前のリバイバル作品。その10年越しの続編、新作がこれ「ベテラン/凶悪犯罪捜査班」。正義感溢れるベテラン刑事、少々暴走気味だが悪を許さないその精神と彼を中心に見事なチームプレイで犯人を追い詰めていく「広域捜査班」。今回の題名は「凶悪犯罪捜査班」と副題がついているが、前作の敵は無茶ぶりばかりのわがままなボンボン。まあ贅沢とは無縁の一般庶民にとっては格好の敵。ラストで迎えるこのカタルシス...といったところだが、今回の敵はその真逆。法を逃れ富や権力でこの世を泳ぎ回っている極悪非道な悪党どもを片っ端から片付けて行く、いわゆる自警団気取りの連続殺人犯。今回は一般市民は拍手喝采です。捜査官たちは犯人逮捕を妨害しようとする一般庶民や、無能のマスコミや害毒でしかないユーチューバーまでが敵となります。さあ四面楚歌の中、捜査官たちはどう立ち向かっていくのか、そして顔の見えない犯人とは?
暴走気味だか優秀なベテラン刑事ソ・ドチョルは今、学校で問題ばかりを起こす高校生の息子ウジンのことで妻のジュヨンとともに頭を抱えていた。ドチョルを中心とした凶悪犯罪捜査隊は世間から「ヘチ」と呼ばれる連続殺人犯に手を追われていた。今回殺されたのは美術大学の教授。殺された教授は過去に生徒の女子大生に対する暴行容疑をかけられ有罪が確定視されていたが証拠不十分で釈放。被害者は退学の上自殺、一方の教授は大学内で出世街道をまっしぐら。世間はこの不条理に怒り爆発。そんな中での事件だった。この大学教授の他、被害者となったのはこのような性加害者や殺人容疑者たち。この犯人は世間から善悪を裁く伝説の生物になぞらえ「ヘチ」と呼ばれ持てはやされる。マスコミは勿論、動画配信者たちは再生回数を稼ごうとこの犯人をヒーローとして持ち上げた。そしてヘチはインターネットで次の標的を公開する。次の標的は以前、ドンチョルたちが逮捕したことがある因縁深い、悪党チョン・ソグとなった。ドンチョルたちはチョン・ソグの警護を命じられる。ヘチの捜査で右往左往しており、不満爆発だったが。そんな中、一人の若い巡査パク・ソヌが捜査班に加わった。警察官としてドンチョルを尊敬していると言う彼は武道、格闘技にも優れ、隊員たちにも一目置かれる。
だが、ドンチョルたちがヘチを追っている最中、チョン・ソグが警察の警備を脱出、そしてヘチに殺害される。上層部からの非難の的となってしまったドンチョルたちであったが犯人は意外なところに潜んでいたのだ。
「悪に鉄槌を下す」と言う「過剰な正義」を描いたのは古くはチャールズ・ブロンソン主演の「狼よさらば」やクリント・イーストウッドの当たり役ダーティハリー・シリーズの第二作「ダーティ・ハリー2」があります。前者はブロンソン自ら〝ミスター自警団〟となり街のチンピラたちを抹殺していきます。後者は無罪となるギャングや犯罪者たちを殺害する警察内の若手過激警官たちをハリーが追い詰めていくと言うもの。面白いんよね、こういうテーマ。今、ユーチューバーなどで「私人逮捕」なるものを動画配信している奴らがおるんですよね。変な正義感か動画の再生回数を稼ぐためかわかりませんが、いやな世の中になったもんです。こう言う奴らが世界中にもおり、「ダーティ・ハリー症候群」とも呼ばれるそう。まあこう言うのは政治が法がしっかりしていないから。私もね、理不尽な裁判を受けました。まっそれはともかく...。庶民の不平不満がたまってくるとこんな作品も生まれてくるし、模倣犯も出てきます。まあ―今の日本政府、そんな危険をはらんでいます。無能なヒキガエルのような醜い首相、国を売る外務大臣、悪代官のような財務省にべったりの大臣、主食を作らせない農水大臣、国を潰そうとする幹事長...。おーい、ミスター自警団にダーティーハリー、こいつらを何とかしてくれい!