アマチュア | kazuのブログ

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サラリーマン社長のムービートラベル

「ボヘミアン・ラプソティ」でフレディ・マーキュリーを演じ(うーん、似てはいたけどなんか貧相に思うたんやけど)一気に知名度を上げ、オスカーまで受賞したラミ・マレック主演のスパイアクション映画「アマチュア」。こっちの方があってるわー。オタクのCIA分析官。銃ダメ、ナイフ駄目、ガチンコファイト駄目と世界に暗躍するCIAの破壊工作、まして暗殺なんて無理やろうって男が殺された妻の復讐のために立ち上がる。敵は殺人のプロ中のプロ、冷酷無比のテロリスト4人!さあどうする、Mrオタク分析官!

チャーリー・ヘラーはCIA本部で働く分析官、IQ170の知能を持つがもっぱらデスクワーカーだ。だから血生臭い仕事とは無縁の男で愛妻家。その妻が、出張のため暫くロンドンへ行くことになった。朝、妻を見送りCIAの職場へ。いつもの通り世界中の様々な画像をチェック、仕事の合間にSNSで知り合ったイスタンブールにいる、「謎の男」インクワラインと他愛もない会話を交わす。そんな時、彼は偶然、上司のCIA幹部ムーアが不正な極秘作戦を単独で行っていることを発見する。仲間からは「関わるな、知らんふりしとけ」と言われ見ぬふりをした。

その数時間後、チャーリーは妻のサラがロンドンで4人のテロリストによって殺害されたことを知る。受け入れることの出来ない真実にチャーリーは動揺し、絶望の淵に叩き込まれた。「なんとか早期の逮捕を」と言う彼の願いも空しく捜査は遅々と進まない。ついにチャーリーは自らの手で妻の復讐を果たすことを誓う。まず、上司のムーアを極秘作戦の件で脅し、戦闘のスキルを身に着けるため自らを訓練所の方に入学させる。チャーリーの担当を受け持ったのは古参のプロ、ヘンダーソン大佐だった。だが、格闘は勿論、銃の扱いも全く使い物にならない。彼が才能を発揮するのは爆発物の扱いだけだった。

数日後、チャーリーは必要なスキルだけを身に着け訓練所を脱走した。ムーアらCIA幹部は彼を危険人物とみなし、抹殺を図る。差し向けられたのはヘンダーソン大佐だった。チャーリーは銃やナイフをもたない代わりに、情報操作、フェイク動画、システムへの侵入等、明晰な頭脳と爆発物を駆使し、CIAの追跡を巧みに逃れながら、テロリストたちの居場所を突き止め、そしておびき寄せ、着実に標的を追い詰めていく...。

 

ところで、配給会社が悪いのか?劇場が悪いのか?パンフレットくらい用意しろよ。そこそこテレビでも宣伝広告やってんやから。なんか手抜かれてるようでね。

映画は激しいアクションが少ないものの、ネットワークを操る主人公が頭が切れすぎてなかなか楽しめました。殺しのマッチョじゃないんやからそっちの方では元々、期待薄。その分の頭脳戦、世界中に配置されている防犯カメラを自由自在に操り、ハッキング、情報操作、フェイクと何でもありの天才オタク分析官の復讐劇に観客はつき合う羽目になります。そしてCIA本部だから、バージニア州のラングレーからロンドンへ飛びパリ、マルセイユ、マドリッド、イスタンブール、そして最後はロシアからバルト海へのロードムービー。まさに「ムービー・トラベル」でございます。最初の標的の倒し方はまさにド素人。偶然と言うかなんというが、敵の持病を利用して倒そうとしたのだがまんまと逃げられ、たまたま逃げている合間に天罰が下ると言うドジもいいとこ、それが2人目、3人目と相対するたびに手慣れてくるんですよねぇ。けど、最後に残った最も悪いやつ、テロリストグループのリーダーであり妻殺害に直接手を下した男は?度々、「自分を見失わないで」とばかりに妻の幻影がチャーリーを苛みます。殺気立っていた彼の心は氷が解けるように穏やかになっていくわけです。で、彼が最後に出した結論は?

ラミ・マレック、「ボヘミアン・ラプソティ」以来の熱演です。それにローレンス・フィッシュバーン、この人が出ていると妙な安心感と、敵か味方かわからないワクワク感があります。まあ一遍見てください。いっしょにヨーロッパを横断するだけでも楽しいですよ。