ゴールデンカムイ | kazuのブログ

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絶対に死なない男、雪山かける野生少女、襲い来る狂気の軍隊、幕末の亡霊、ヒグマの襲来...明治ロマン漂う未開の北海道で展開される2万貫の金塊大強奪戦!まさに平成、令和の生ぬるい時代を漂う我々にとっては眠れる魂に痛烈な打撃を与えるアドベンチャー作品「ゴールデンカムイ」ついに公開。原作のコミックは読んだことないけど真夜中のアニメでちらっと観たことがあります。日本の原作アニメって脚本乏しい現在の映画界に於いていいネタになるんですよねー。テレビのアニメでちらっと一話だけ見ただけやからなんのこっちゃさっぱりわからんかったけど今までにない、なんか斬新、それでいて明治が香るこのレトロ感!いいねぇ、いいねぇ、近頃、なんか日本映画がおもろいんですよ!なーんかうれしいんやなぁ。もうなんかこの頃主演を張る若い役者さんはだれがだれかわかりまへん!けど役者の未熟さが目立ちゃ、おもろいネタでグイグイいったれ!いったれ! 日露戦争帰りの生傷だらけの男に、レクター博士張りの頭から髄液たらたら流すぶち切れ将校。はたまた白髪頭で生き返った新選組の鬼の副長。これやこれやぶっ飛んだ映画って、こういう映画っちゅうこっちゃ~

1904年、日露戦争で最も激戦だとされた旅順攻防戦に於いて、最も過酷と言われた二百三高地の戦いでまさに鬼神のごとき戦闘能力を見せた一人の男がいた。杉本佐一。どんな傷を負いながらも生き抜いた彼を人は「不死身の杉本」と呼んだ。死者6万人と言われた戦場を生き抜いた杉本は戦後、北海道へ渡り砂金取りで財を成そうとした。ある目的のために...。そんな彼にある男が酒に酔った勢いでこんな話をした。

「この北海道のどこかにアイヌたちの莫大な金塊が隠されているんだよ」

その男の話では関わったアイヌ民族たちを皆殺しにして独り占めにした男がいると言う。彼は捕まる直前にこの北海道のどこかにその金塊を隠した。網走刑務所に収監された彼は刑務所内の囚人24人の体に金塊のありかを入れ墨にして彫り込み、24人の囚人たちを脱獄させたと言う。杉本は金塊を追うため24人の囚人を探すことにした。

途中、ヒグマの襲撃に出くわしたが間一髪のところでアイヌの娘アシリパに助けられた。アシリパの父は金塊に関わったアイヌの一人で金塊を独り占めにした男に殺されたのだった。二人は協力して金塊を見つけるため行動を共にすることにした。杉本は金塊を手に入れるため、アシリパは父の敵を討つため。

二人は小樽の町で囚人の一人だった白石と言う男を見つけ出す。だが金塊を追っているのは彼等だけではなかった。大日本帝国陸軍最強と言われた第七師団隊長の鶴見中尉は陸軍で最も優秀な情報将校だが貧しい農家出身の兵士たちの先頭に立ち金塊で北海道を制圧しようとしている、言わば狂った軍の反乱分子である。そして、金塊を狙う一団がもう一つあった。白石の話では脱獄した24人の中に刑務所の中では模範囚であったにもかかわらず脱獄の際、あっという間に監視たちを斬り殺した凄腕の老人がいたと言う。名を土方歳三。言わずと知れた元新選組、鬼の副長である。幕末の函館戦争で戦死したとされていたが政治犯として網走刑務所に潜んでいたのである。彼の目的は函館で夢を果たせなかった蝦夷政府の再建なのか...。三者三様のなかアイヌの金塊を巡って強奪戦の幕が切って下ろされた。

 

血沸き肉躍るアドベンチャー。勿論、続編、続編と続くのだろうけど、いやあ、ハリウッドのコミック作品よりこっちの方がリアルでよっぽどおもろいで。当然内容のおもろさはオリジナル脚本でなく原作の面白さにあるのだろうけれどまだ冒険だのロマンだのって言葉が闊歩していた明治って設定がええんですわ。何回も言うけどええねー、今、日本映画が。ここ数年、韓流、韓流で押されていたけれどなんか知らんけど生き生きしてきましたね、日本映画。

今更、原作読む気にはなれんけどそれぞれのキャラが際立っています。特に気に入ったキャラが玉木宏演じる第七師団の鶴見中尉。日露戦争で砲弾を受けて前頭葉が吹っ飛んでいる。それをプロテクターでカバーしているからもう不気味の極みです。頭が割れとるもんやから激怒するとアドレナリンが出て頭から髄液が噴出してくる。この時代にそんなんで生きてられんのかって言うくらい、もうなんかあの「ハンニバル」の「脳みその活け造り&ソテー」シーンを彷彿とさせます。それからね、舘ひろしがやっている土方歳三。歴史上の実在した人物が登場するとなんかワクワクしますよね。実際の土方歳三は戊辰戦争の函館で死んでるわけです。それをどう生きたかって言う設定がこれから描かれるんやろうけど白髪でね、これがまたかっこええ。セリフにもあった「男はいつまでたっても刀が好き」ってもう「男」だけで生きているバカたちにはたまらんセリフです。まあまだまだ出し惜しみ的なものも感じられたけどそれもこれも序章。さあどうするの、これから?