ハンガーケーム0ゼロ | kazuのブログ

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ああー、2日、3日と連日の映画鑑賞。連チャンの投稿はしんどいです。

続きまして、ジェニファーローレンスをトップ女優に押し上げた「ハンガーゲーム」の前日譚、「ハンガーケーム0ゼロ」。「ハンガーゲーム」は既に完結になっているのでそのプロローグってとこですね。物語は前4作品の64年前。当然、可憐な闘志ジェニファーローレンス演じるカットニスエバディーンはまだ生まれてもいません。主人公はヒロイン、カットニスの宿敵、独裁国家パネムの大統領コリオレーナス・スノーの若き日が描かれます。いかにして彼が冷血漢スノー大統領になったかその「きっかけ」が描かれています。と言ってもこのシリーズ、本国アメリカでは大ヒットを飛ばしたものの日本ではイマイチやったかなー。第一作の「ハンガーゲーム」がアメリカで4億㌦超え(当時のレートで500億円くらいかな)、対して日本では4億7千万円止まり。第二作の「ハンガーゲーム2」はアメリカで7億7000万㌦(920億円くらいかな)、日本で2億8千万円止まり。第三作は前編、後編の2部作になっており前編の「ハンガーゲームFINALレジスタンス」ではアメリカで7億5000万㌦(900億円程度)、日本では2億円止まり、後編の「ハンガーゲームFINALレボリューション」に至ってはアメリカで6億5000万㌦(780億円程度)、日本では1億円止まり。まあ人口がそもそもちゃうし一概には比べられへんねんけど、そこまで話題にもなりませんでした。自分はそこそこよかったと思いますけどね。なんでかってえとその前に日本では類似作品がヒットしてました。そう、深作欣二監督の「バトルロワイヤル」です。まあ、若者が殺し合いをさせられると言う点がそっくりで一時、盗作騒ぎまででました。本作はカットニスの宿敵だったスノー大統領のダークサイドへ落ちるターニングポイントです。

独裁国家パネム。一部の富裕層がこの国を牛耳り12地区に分けられた下層階級では毎年各地区から2名づつの代表者を選び殺し合いをさせそれを中継し国民の欲望を満たすと言う「ハンガーゲーム」が行われていた。第10回の記念大会を盛り上げるためエリート養成アカデミーの成績優秀な学生たち24名が選ばれ各プレイヤーたちの教育係として充てられると言うシステムが導入された。24名に選ばれたアカデミーの学生コリオレーナス・スノーは軍人の家系であったが父を反乱軍との大戦で亡くし、後を追うように母も亡くし、従姉のタイガレス、そして祖母と暮らす生活はどん底にあった。彼はゲームの優勝者の担当に送られる「プリンツ賞」の賞金を生活と自らの学費に充てようと思っていたのだが、担当となったプレイヤーは最下層の12地区から出場する少女ルーシーグレイだった。ひ弱い彼女に勝ち目はない。だが彼女の歌声は周りの人々を魅了した。スノーはなぜか彼女の歌声が武器にならないかと考える。

ゲームメーカーはパネムの兵器開発担当者のヴォラムニアゴール博士、そしてアカデミーの学生部長キャスカハイボトム。二人の監視下で準備は着々と進んでいた。スノーはルーシーに力をつけさそうと隠れて食べ物や武器となる違反の毒を運ぶ。ルーシーはアカデミーのスノーを嫌っていたがなんとか彼女を生き残らせようとするスノーと惹かれあうようになる。準備が着々と進められていく中、ゲームの会場が反乱軍の攻撃に会い破壊される。そんな中、アカデミーの有力者の息子が大けがをする。スノーは間一髪のところルーシーに救われたが会場は破壊されたままゲームが始まった。一日のうちに一人また一人と倒れていくが予想に反してルーシーは辛うじて生き残っている。だがゲームの途中でアカデミー有力者の息子が死亡したとの報が入る。激怒したゴール博士は会場に大量の毒蛇を放つ...。

 

このパネムと言う国家、モデルとしてはアメリカのなれの果てだと言うことでしょう。原作者スーザンコリンズが描く世界は完全なる差別社会。「バトルロワイヤル」は日本が当時抱えていた「校内暴力」の果ての日本社会。方やこちらは「差別社会」の果ての世界であって。類似って言ってもスタンスや主張が違います。映画界が未来を描くとき必ず暗い世界観となってしまうのは現代に生きる我々の戒めだと思います。一見、残虐非道な世界が繰り広げられていますが観ている者に対する刺激やカタルシスだけではなく我々はそう言うところを感じ取ってみたいもの。まあ深作監督の人気シリーズだった「仁義なき戦い」シリーズもそう、銃撃戦や刃物振り回して血がドヒャ―ってシーンで快感を覚えるだけではなくいかにしてアウトローは生まれるのか、反社って実際どうなん?。もとはと言えばこの人らだって戦後、無法地帯だった日本を守ろうとした人もいたんじゃないのとかそういう考えを持ってみてほしいですよね。暴力、バイオレンスは人間の意識の極限状態の中から生まれます。サバイバルなく生きていけるなら人間どんな幸せか。なにも相手を殺す、傷付けるだけが暴力ではありません。相手を憎む、それだけじゃなく生き残るためにも傷付けなければならない時もあります。今は戦国の世ではありません。切った張ったの世界はご法度。それでも人は人に酷いことするんやなあ。「ハンガーゲーム」も「バトルロワイヤル」も警鐘です。ただのハラハラドキドキのバイオレンス映画として観るのではなくそういう側面も観てみたいものですわ。