バッド・デイ・ドライブ | kazuのブログ

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サラリーマン社長のムービートラベル

安定のリーアムニーソン...。そう呼ぶにふさわしい役者さんです。超メガヒットのおもしろさは期待できない。しかし、観て「つまらん映画やのー」と言うことはない。安定した面白さのB級アクション。そんな作品がビタビタはまる俳優さん。私より10上やから現在71歳。この作品ではティーンエージャーの息子と娘を持つ父親役。ほんまなら孫の世代です。そんな彼がふるーいタイプの頑固な父親像を演じています。舞台はドイツ、ベルリン。金融業界に身を置くやり手のビジネスマンで家庭を顧みず仕事に没頭する男。妻は別れたいと思っている。子供はとにかく父親が気に入らない。家庭崩壊寸前の結構グレイな営業マンと言う役どころ。今までの彼は元CIAだとか、元特殊部隊だとかハードなバックグラウンドを持つ男の役が多かったんですが仕事もできて金は持っているけど家庭では駄目親父とごくごくありがちな設定で今までとはどこか違う主人公を演じます。そんな主人公が爆弾を仕掛けられた車に息子と娘を乗せてベルリン市内を走り回ります。家庭の危機、命の危機。さあどう乗り越えるのか。

ベルリンの朝、金融ビジネスマンのマットターナーは朝からの妻ヘザーとの口論や息子のザック、娘のエミリーの反抗にうんざりしつつも愛車のシートに座る。後ろにザックとエミリーを乗せ学校へ送った後、オフィスへ向かう予定だった。車内で同僚やクライアントと仕事の打ち合わせをした後、聞き覚えのない声の電話がかかってる来る。

「その車に爆弾を仕掛けた。降りるな、通報するな、これから伝える指示に従わなければ車を爆破する」

最初はいたずらだと思って電話を切ったマットだったが気になって携帯で座席の下の写真を撮ると声の主の言う通り爆弾らしきものが仕掛けられていた。再び電話がかかる。

「今度きったら車を爆破する」

犯人の目的はわからない。だが後ろの子供たちのことを考えると言う通りにするしかなかった。言う通りに車を走らせると指定の場所に同僚の車が止まっている。だが車はマットたちの目の前で爆破される。今度は妻のヘザーに大金を下ろさせ指定の場所で男に金を渡せと言う。だがそれは警察をおびき寄せるための罠だった。遂にユーロポリスはマットを爆弾犯人と断定。マスコミもこぞってマットを標的にする。次の指定の場所には会社の共同経営者ミュラーが車内に閉じ込められていたのだが...。

 

40代で「シンドラーのリスト」で名を馳せ、「ロブ・ロイ」「マイケルコリンズ」とアイルランドを舞台にした闘士をを演じ、「スターウォーズ」シリーズ、「ギャングオブニューヨーク」「バットマン・ビギンズ」などの大作を経て近年は「96時間」シリーズ、「フライトプラン」「アイスロード」等のB級アクションで我々を楽しませてくれる遅咲きの花。と言っては失礼かな。まさに我々の「初老の星」です。今回のようなアクション作品群は60代を過ぎてから。何せ体がでかいですからね迫力があります。それ故に元特殊部隊って言うような「かつては殺しのプロ」だったと言うようなバックグラウンドがあるような役が多いわけです。私が見た作品の中では観たかな?観てなかったかな?と胸に残るような作品は少ないわけですが、なんか随分彼の作品は観たような気がします。心に残る作品と言うのはいいものと悪い者とがあるわけですが、彼の作品の中で「これはあかんわ」と言う作品はなかったような気がします。今回の作品の舞台で面白いのは舞台がアメリカでもなく、彼の本拠地イギリスやアイルランドでもないベルリンだと言うこと。セリフが何でドイツ語でなく英語やねんと言う違和感もありますが、こちらにはユーロポール=欧州警察刑事機構と言うのがあるんやね。またひとつ勉強になりました。陸続きのEU連合にはこういう機関が必要なんでしょうね。この作品、原題は〝RETRIBUTION〟は「報復」と言う意味がありますが作品を観終わった感想は邦題の「バッド・デイ・ドライブ」の方がしっくりきます。多分長い人生の中では風化してしまうような作品だと思いますがやっぱり「安定した」面白さでした。