2週間のご無沙汰です。先週日曜日はくしくも私の誕生日。土曜日が法事のため金曜日の祭日に家に帰ったんですよね。うーんどうも調子が悪い。法事の間中も...。とは言ってもお坊さんも稼ぎ時、お経が短いんだこれが。ええーっ、それでお布施を....ああっいえいえ罰が当たります。お坊さんも旅行社も忙しい時期、なのに台風で仕事が全部吹っ飛んで舞うわでもうええ加減にせえ!まあ気苦労と自分で言うのも恥ずかしいですがそんなんでぶっ倒れたわけです。しかもトイレの中で!もう、へたり込んで立たれへんわ、気が遠くなっていくわでひょっとしてこりゃあかんかなと思ったりして、しかしケツも拭かんでくたばって、トイレの中から運び出される姿を連想して、「これはいかん」と便器に手をつき必死で立ち上がりました。そのまま、布団に倒れこんで一日中寝取ったわけです 。あっ、ケツは拭きましたよ。
いきなり品のない話になりましたが、そんなんで先々週の日曜日は映画観れませんでした。で、先日の日曜日に観たのがコレッ!「リボルバー・リリー」。主演 綾瀬はるかの近代史、大正ロマン漂うアクション作品です。綾瀬はるかのアクション作品!非常に期待していきました。突っ込みたいところはぎょうさんあるんですが、まずは綾瀬はるか、彼女、おっとりしてて、天然で一見して運動神経は???と言うような見た目なんですが、ご存じな方はご存じでしょうが、彼女非常に運動神経がいい。と言うか身体能力が優れています。昔、NHKのファタジードラマかなんかで殺陣をやっていたんをちらっとテレビで観たんですがこれが実に素晴らしかった。剣さばきは若き日の志穂美悦子張りです。そんなんで度々彼女のアクションシーンて言うのは映画やテレビでちらちらと観てたんでこれは大いに期待。メガホンは「世界の中心で愛を叫ぶ」の行定勲監督です。益々期待!
大正13年。日本は第一次世界大戦終結後に見舞われた関東大震災から1年。再生の道を歩んでいた。復興の真っ只中にある東京の歓楽街、玉の井にカフェ「ランブル」を営む女将、小曾根百合は台湾からともに引き上げてきた元馬賊と言う従業員、奈加と若いがどこか世間慣れした娘、琴子、そして元海軍所属の弁護士、岩見良明の協力の元、何とか日々平穏な暮らしを送っていた。そんな彼女の目がある新聞記事に止まる。秩父に大邸宅を持つ投資家、細見欣也の家族が惨殺。その容疑者として「筒井国松」と言う男の顔写真が紙面に載っている。筒井とは台湾時代の旧知の間柄。奈加は訝しんだが百合は矢も楯もたまらず秩父へ向かう。邸宅の周りは陸軍の諜報機関が取り囲んでいた。何もわからないまま帰りの汽車に乗り込んだ百合だったが、その車中で諜報機関の男たちに追われる一人の少年を助ける。少年の名は細見慎太郎、細見欣也の息子である。慎太郎の目の前で百合はたちまちのうちに諜報機関の屈強な男たちをなぎ倒す。小曽根百合、彼女はかつて台湾に存在した幣原機関と言う特務機関に所属していたナンバーワンの諜報員であった。政府の暗殺者として育て上げられた彼女は各国の要人57名を暗殺と言う経歴を持つプロ中のプロ。だがある時を境に消息はぷっつりと消えていた。
だが細見慎太郎に父欣也は、「小曽根百合を頼れ」と告げたと言う。百合には何のことだかわからない。だが、陸軍が血眼になって慎太郎を探すのは細見欣也が息子に何かを託したからである。慎太郎の家の者を皆殺しにしたのは間違いなく陸軍だ。陸軍の他にも百合と慎太郎を付け狙う者がいた。百合は慎太郎を「ランブル」に連れ帰り、岩見に細見欣也の調査を依頼、細見欣也は確かに「何か」を息子に託していた。そんな中「ランブル」は軍に包囲される。細見欣也が百合に息子を託した理由とは。慎太郎はどんな秘密を父から託されたのか。百合は知らず知らずのうちに陸軍、そして海軍をも巻き込んだ軍内部の巨大な抗争に巻き込まれて行く。
しかし、ええ加減こんな愉快な題材にジャニーズ出演させるの止めてくれんかなぁ。ジャーニーズ何とかって聞くとそれだけでも辟易するわ。うまくないのよねー。この間観た「バチカンのエクソシスト」に出てた子役の子なんてうまかったからねー。綾瀬はるかに忠誠を尽くすような形で彼女に付き従う従業員二人、シシドカフカと古川琴音、彼女らの「陰」と「陽」の存在がより綾瀬はるかを引き立たせたのがよかっただけに非常に残念です。
それと「幣原機関」と言うキーワードが出てきますがこの時代、近代史に詳しい人なら「幣原機関」と言う名前が幣原喜重郎から来てると言うのはわかると思います。その幣原喜重郎ってのが弱腰外交の典型的なお花畑外務大臣と言うのは知ってる人なら知ってます。とても特務機関を作り上げられるような肝の太い政治家ちゃうはず。このへんはなぁ、原作者さんは学習して張るんでしょうか?
それに近代史で軍部が絡んでくる映画って陸軍は悪役です。これはなあ、うーん。確かにいい司令官ばかりじゃなかったとは思うけど一方的に陸軍=悪と定義づけられているようで...。陸軍上層部にも素晴らしい将校はたくさんいたわけで。樋口季一郎中将とか、石原莞爾中将とかね。まあ牟田口廉也なんて愚将もおりましたが...。この物語はこんな人らが活躍した一昔前の物語です。大正ってわずか15年の間なんですが明治維新後、日清戦争に、そして日露戦争に勝利し、第一次世界大戦を乗り切り、かなり軍部が幅を利かせていた時代。第二次世界大戦前夜の時代です。そう言えばこの第二次世界大戦の英雄と言われる山本五十六元帥閣下が登場しておられましたなあ。この時代、まだ海軍大佐です。阿部サダヲがやっているのを観て椅子から転げ落ちそうになりました。なんちゅう権威のない...いやいや、そう言うのは人それぞれで。
作品を観終えて第一に感じたのは綾瀬はるかが得意の身体能力の良さを、鍛えた体をなんか持て余しているなと。正直この行定勲監督、「世界の中心で愛を叫ぶ」の他にも「北の零年」などいい作品を手掛けてるんやけど、ことアクション映画に関しては下手やね。アクション女優、綾瀬はるかがなんかもったいないと思います。私個人の意見ですがそうやなあ、彼女には川島芳子なんかやってもらいたいですね。「東洋のマタハリ」ね。似合うと思いますよー。誰か企画せんのかなー。まあそれよりも何よりもこの「リボルバー・リリー」の第二弾はあるのかどうか。けどやるんやったら三池崇史なんかに頼んだら?面白い映画にはなるやろうけど、画面は「汚れる」やろな。
それから次の日曜日も仕事のため映画はお休み。残念!夏の最後は古代の巨大ザメ、メガドロンとジェイソンステイサムが広大な大海原で遊ぶ...いや死闘を繰り広げるモンスターパニック映画の第二弾「MEGザ・モンスターズ2」で締めようと思っていましたが、次週に持ち越し。その代わり、お客様を「シルクドソレイユ~アレグリア」へお連れしてまいります。ああしんどい。