KINGDOMⅢ運命の炎 | kazuのブログ

kazuのブログ

サラリーマン社長のムービートラベル

KINGDOMは紀元前245年中国大陸春秋戦国時代、まだ秦国が中国統一を果たす前、大陸がいくつかの国に別れ混沌としていた時代。「大将軍になる」と言う大望を抱いた戦災孤児の少年、信と中華統一を目指しながらいまだ国の内乱に試行錯誤する若き国王、贏政(後の秦の始皇帝)の物語。時代に翻弄され強大な力に打ちのめされながらも自らの運命と立ち向かっていく若き勇者の姿を描いた原泰久の人気コミックの映画化です。

今回は第3作目、いろいろと違和感を感じながらもなかなか面白かった第一作。第二作がわからへん。観てないんですわ。いつやってたの?ようやくの思いで王の座に帰り咲いた贏政と一団の将となった信はそれぞれの戦いに身を投じていくこの三作目の作品「KINGDOM 運命の炎」は馬陽攻防戦を物語の軸として王となる決意を固めることとなった贏政の命の恩人との約束。一団の将としての初陣を飾る信の姿を描きます。鮮やかな陣形、そして大群を率いる海千山千の将たちの頭脳戦が非常に面白い作品です。

紀元前、中国春秋戦国時代。7つの国が争いを続けいまだ戦乱のやまぬ大陸で秦国の戦災孤児だった信は大将軍・王騎の命により地方の反乱の鎮圧にあたっていた。一方、秦国の若き王、贏政(えいせい)は秦国に対し積年の恨みを抱く隣国の趙の大軍勢の侵攻に直面していた。いまだ王室に反発する呂不韋一派との争いを一旦治め、秦が一枚岩となって趙との戦いに臨む。秦は長らく戦を離れていた王騎を総大将とし、王騎の手足となるべく精鋭100人隊長として信が呼び戻される。

王騎は贏政に対し、今一度、中華統一の覚悟を問う。贏政の胸を去来するのは9年前、人質として趙の国にあった頃、秦の後継者となるべく趙の国を脱出する際、後継者として未熟だった己に対し、民を治める者としての心得を説き、命を懸けて自分を救ってくれた闇商人・紫夏の面影だった。天下を納める者となり中華統一を成す、と言う彼女との約束を贏政は今一度誓う。

一方、王騎より特殊任務を請け負うことに成った信は100人隊に新しい名を与えられる。隊の名は「飛信隊」。飛信隊の任務は側面から相手の中枢深く潜り込み、趙軍の知恵袋、馮忌(ふうき)将軍の首を取ること。前代未聞の過酷な任務だった。決戦の地は馬陽。信は羌瘣(きょうかい)ら飛信隊の仲間と共に荒地の岩山を駆け上り馮忌将軍の隊へ切り込む。秦軍10万、趙軍12万大陸を揺るがす決戦が始まる。だが趙軍の黒幕である影の総大将にとんでもない人物がいた。

 

面白いですよ、面白い...。軍略、戦略、戦法。こう言った歴史大河にはつきものでこう言うのって本当に面白いんですけど。

しかしねぇ、こう言った作品、ケチをつけ始めるとどうしてもレベルの低い感想になります。元からして部隊が遥か昔の戦乱期の中国であります。日本語、しかもほぼ現代語。なんかねぇ。どうしようもない話なんですが、中国の大河ドラマを吹き替え版で観ている感じが否めない。よくよく考えれば、ハリウッドの「ベンハー」も「スパルタカス」も「クレオパトラ」ってな大作も皆、英語ですもんね。あの時代にあの当地で英語なわけがない。皆、ローマでの話やろ?イタリアの方はあれ見てどう思っているんやろ?

それと主演の役者の稚拙さかなあ、現代語でもあるし歴史大河として見るにはなんか抵抗感有るなあと思います。ちょっとなぁ。大沢たかおのカマっぽい...と言ったら今あかんのか、王騎将軍を演じている彼の存在が特異なだけに残念。もう一つ、ついでに言わせて頂くと贏政=秦の始皇帝を英雄的に描くのも抵抗感があります。勿論これは原作の趣旨やから当然なんやけど、劇中で「贏政の曽祖父に趙の兵士、民が40万生き埋めにされた」って下りがあるけど、これ、当の秦の始皇帝もやってるでしょ。だから秦の始皇帝=英雄と言うのも抵抗感があります。

陣形から戦法、自分にはこれがこの作品の一番の見どころでしたね。歴史的史実、そしてそれを現代風にアレンジして日本の役者たちに演じさせる。それ自体は別にいいと思うんやけど。中国の話やからなア。