ヴァチカンのエクソシスト | kazuのブログ

kazuのブログ

サラリーマン社長のムービートラベル

この最悪にうまいこと行かない仕事の状況の中、映画だけはハリウッドが戻ってきたこの7月、ある意味、超人気シリーズのインディジョーンズやミッションインポッシブル以上に注目したのがこれ、「ヴァチカンのエクソシスト」

「エクソシスト」と言えば何と言っても1973年、監督ウイリアムフリードキンのオカルト映画の金字塔があります。類似作品は数あれどこの作品を超えるものはまだありません。そういえば〝666〟の「オーメン」もこの作品がなければ世に出ることがなかったと言われています。今まで「ドラキュラ」「フランケンシュタイン」「狼男」と言うまあ、ある種、映画界ではキワモノと言われたこのジャンルが映画界でまさに「市民権」を獲得したように言われるのもこの「エクソシスト」のおかげとも言われています。本当のこと言うとホラー、オカルトなどこう言った類はあんまり好きじゃないんやけど「悪魔祓い」って言うのはなんだか興味が湧いてきます。なんでかって言うと悪魔祓い=エクソシストって言うのはキリスト教の本家本元、ヴァチカンで認められており、実在すると言うこと。この一点につきます。

先ほど言ったようになんで「類似作品」が多発しているのに同じ「類似作品」系の本作に興味が湧いたか?「エクソシスト」同様、実話をもとに描かれた作品だからです。最初この作品の宣伝広告が始まった時、「エクソシスト」の実話をよりリアルに、鮮明に、より事実に基づいてって作品かなと思ったんやけど全く違う出来事。本家本元の「エクソシスト」は1949年に起こった「少年憑依事件」がもとに、本作はそれから約40年後の1987年にスペインで起こった事件がもとになっているとのこと。ラッセルクロウが演じたガブリエーレアモルト神父と言うのは実在した人物。2016年に亡くなられたとのことですから、つい最近までご存命で、しかも実際に「悪魔祓い」を行なっていたという人物。この人、しかもチーフエクソシストで法王直属のエクソシストとのこと。いわば人間対悪魔の戦争において総司令官みたいなもんやね。彼の書いた著書「エクソシストは語る―」からこの作品は引用されたとのこと。一見、神父様とは無縁の様に思えるラッセルクロウが悪魔との戦争においてはピタッとはまるのも見事。

1987年7月、シングルマザーのジュリアは反抗期の娘エイミーと息子ヘンリーを連れてアメリカからスペインの古い修道院へ越してきた。一年前に夫を亡くし、修道院の修復工事の仕事に携わる為、やって来たのだが息子のヘンリーは父が死んで依頼、全く口を聞かなくなってしまった。3人は修道院の中に住居を構えて暮らすことに成った。だが、その日以来、3人の身の回りに奇妙なことが起こり始める。寝室に響く奇妙な音、急に消える電灯、部屋の置物が勝手に動き、時に体の自由が奪われる。同時にヘンリーの様子が人格が日を追うごとに変わっていく。母親や姉に卑猥な言葉や暴言を吐き、自傷行為を行うようになる。病院で診て貰っても全くわからない。そればかりか医師に襲い掛かる始末だ。一方で修道院の地下では修復工事の作業員が突然、爆風に吹き飛ばされると言う事故があった。作業員たちは這う這うの体で修道院から逃げていく。ジュリアはたまらず教区を受け持つトマースエキスペル神父に相談するのだが...。

ヴァチカンのチーフエクソシスト、ガブリエーレアモルト神父はその型破りな言動からヴァチカン上層部の一部とはそりが合わない。勝手に行った「悪魔祓い」で審問会にかけられていた。彼の数少ない理解者の一人、教皇は体調が思わしくない。そんな教皇から悪魔祓いの要請が下る。スペインのアメリカ人家族だ。だがこの時、法王は奇妙なことをつぶやく。スペインの廃墟同然の修道院、ここサンセバスチャン修道院は「以前も問題があった教会だ」と...。

サンセバスチャン修道院へやって来たアモルト神父はエキスペル神父を助手にヘンリーと対峙する。だがヘンリーと対峙したアモルトは驚愕する。ヘンリーは少年の声とは思えないしゃがれた声でアモルトを罵った。しかもアモルトが大戦中、パルチザン部隊に所属しており仲間を見殺しにしたことや自らの不注意で一人の少女を死なせたしまったことまで知っていた。アモルトの結論はこう、「ヘンリーには悪魔が憑依している」

アモルトはサンセバスチャン修道院の地下に隠された悍ましい事実を突き止め、悪魔の名を割りだす。

だがヘンリーに宿ったこの悪魔の本当の目的はどこにあるのか?二人の神父はこの最強の悪魔に挑んでいく。

 

ラストはねぇ、ややリアリティにかけるシーンが多かったかなー?と言うかやりすぎと言うか...

本家「エクソシスト」に憑依された経路はそっくりなんやけど、作品としてはホントよくできていて面白い作品でした。型破りエクソシストのアモルト神父は「らしくない」ラッセルクロウに見事にはまっていた。アモルト神父は亡くなるまで6万回以上の悪魔祓い=エクソシストを行なったと言われています。すごいねぇ。よう頭がおかしならんもんや。俗世にどっぷりとつかってしまった私にはエクソシストなんて問題外です。60,000回も悪魔に出会えば簡単に憑依されてします。ところがアモルト神父によるとそのうちの98%は精神疾患や狂言だと言います。けどあとの2%は...おお-っ、こわっ、これが怖い。

 

「悪魔の存在を否定するほど悪魔は喜ぶ」

この作品を観終わった後、ネットやYouTubeでさんざん「悪魔」のことを調べました。あるんですねー、「エクソシスト」のモデルとなったメリーランド悪魔憑依事件、ドイツの悪魔憑依裁判。どれをとっても不可思議、得体のしれない話ばかりです。ちなみに「エクソシスト」の監督ウィリアムフリードキンはこのアモルト神父に焦点をしぼったドキュメンタリー作品を取っております。自分はと言うと今日もまたYouTubeで悪魔祓いを見ております。こりゃ憑依されとるな。