エブリシング・エブリウェア・オール・アットワンス | kazuのブログ

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サラリーマン社長のムービートラベル

今日、これを書いているときは3月11日未明。日本時間の3月13日朝にアメリカ、ロサンゼルスにおいて恒例のアカデミー賞が行われます。日本で言えば大晦日の紅白歌合戦かレコード大賞?いやいやいや落ち目の日本のイベントに比べてもっともっと注目される、アメリカ国民のみならず全世界の映画ファンにとっての映画の祭典です。本年度の大本命がこの「エブリシング・エブリウェア・オール・アットワンス」と言うこの舌を噛みそうな題名の作品、何をやっても思うようにならない中国移民の主婦がマルチバースの別の世界からやって来たもう一人の別の夫???から「宇宙を救えるのは君だけだ」と言う訳の分からない話からあっちゃこっちゃの世界へ行き八面六臂の大活躍を描く物語。観終わった感想を一言。わからん!なにこれ?

毎年毎年、アカデミー賞授賞式の前後にノミネート作品、受賞作品がつるべ打ちの様に公開されます。自分は出来る限り、時間の許す限り観るようにしています。アカデミー賞と言うのはアメリカのみならず、全世界におられるアカデミー会員、いわゆる映画関係者たちの投票によって行われます。いわばプロの人たちやからどっちかって言うと派手目の作品でなく、じわーっと来るようなしぶーい作品が選ばれます。だけどやっぱり観ておくべき。プロの人たちが選ぶ作品だけあってやっぱりいいもんが多いんですよね。しかし、ところがです。たまーにアカデミー賞作品の中にもエアポケットの中に入ってしまったようなびみょーな作品もちらほら見かけられます。言わんとするところはこの作品もそうなんやなー。私にとってはですよ。人それぞれ好みってものがありますからね。ミッシェルヨーは若い頃から好きな女優さんやし、何といっても注目はあの「インディジーンズ/魔宮の伝説」のショートラウンド少年が何十年ぶりかでスクリーンへ戻ってきていいおっさんになって...いや、お父さんになって帰ってくると言うから大いに期待してたんやけど...。

中国系移民の家族ワン一家の主婦エブリンは疲れ切っていた。家族経営のコインランドリーは経営状態が思わしくなく、夫のウェイモンドは優しいけど全く頼りにならない。同居する父親はこの頃、痴呆が激しくなる。おまけに娘のジョイは同性愛者でエブリンには全く理解できない。

今日は春節祭の準備と言うのにまたもや監査が入り国税庁から呼び出しが来た。しぶしぶ応じて夫ウェイモンドと共に一人にできない父を車椅子に乗せて国税庁に出向いた。だがエレベーターのなかで急に気が遠くなり夢見心地の中、突然人格が変わったようなウェイモンドが語りかける。「僕は別の宇宙から来た別のウェイモンド、君には危機が迫っている。フロアについたら用具室へ入れ」。エブリンが我に返るとウェイモンドは元のまま、父を連れて3人で監察官のディアドラの元へ。税金の書類は全部英語。英語があまりわからないエブリンたちは娘のジョイを連れて来れなかったためさっぱりわからず監察官のディアドラにこってりと絞られた。

修正を求められたエブリンは帰り際、エレベーターの前で突然気を失う。気が付くとそこは用具室の中。横には別の宇宙から来たと言う別のウェイモンド。彼は別の宇宙アルファバースの世界からやって来て別の人生を歩んでいるウェイモンドだと言う。彼が言うには「今、強大な悪、ジョブパタキが全宇宙にカオスをもたらそうとしている。ジョブパタキを倒せるのはエブリン、君だけだ」とのこと。彼女には何が何のことかさっぱりわからない。だが、別のウェイモンドから戦う術と異次元の世界の自分とリンクできると言う「バースジャンプ」を伝授される。バースジャンプで彼女が観る別の自分の人生。自分が看板を回してピザ屋の宣伝をしている世界、中国の歌手になっている世界、人形になった世界、指がソーセージになった世界、石になった世界、そしてウェイモンドと別れカンフーを身に着け世界的アクションスターになった世界...。彼女は別の自分の人生を目にすることになる。

国税局のフロアで彼女が気づくと突然、ジョブパタキに操られたディアドラが襲いかかってくる。だが気づかぬ間に身に着けたカンフーで見事にディアドラを倒してしまった彼女はウェイモンドと父を連れて国税局を脱出しようとした。だが彼女の前に立ちはだかったのはなんとジョブパタキに体を乗っ取られた娘のジョイだった...。

 

超難解、理解不能のマルチバースの世界。こう言うことを理解せんと映画は観たらあかんのかね?作り手が賢すぎるのか、これも時代なのか、自分が遅れているのか、自分の感受性が悪くなったのか、もともとアホなのか。もっとわかりやすい映画はありませんか?2時間10分しんどいです。

ようするにとどのつまりは難しいこと描いてても、描きたかったのは家族愛やったんやろなアと言うことに最後はたどり着きました。ミッシェルヨー。1962年生まれ。私と同い年です。アジア系俳優の初めての主演賞獲得なるかと言うことに注目が集まっています。そして助演男優賞の最右翼にウェイモンドを演じたキーホイクァン。先に挙げた「インディージョーンズ」と「グーニーズ」でほぼスクリーンからは遠ざかった感じ。今回はカムバック賞といっても過言ではありません。それからジェイミーリーカーチス、すっかりおばちゃん。いやほぼおばあちゃん。シユワルツェネッガーの奥さんを演じた「トゥルーライズ」以来かな。トニーカーティスとジャネットリーの娘、名優二人のサラブレッドの彼女は「ハロウィン」「ザ・フォッグ」「プロムナイト」などホラー映画の絶叫女王として名を上げ、息の長い女優さんになりました。今回はディアドラを演じ、彼女も助演女優賞候補にノミネート。怪演です。

そんなこんなで一杯要素が詰まった作品ですが、如何せん私付いていけません。ところでマルチバースって何?