今朝、出勤途中でジェームズカーンの死を知りました。今日はまず彼の作品の思い出から書こうと思ったんやけど、昼時にとんでもないニュースが飛び込んできました。たまたま目にしたユーチューブ、「安部元首相銃撃」。
おいおい誰や、こんな悪い冗談ぶちまけている奴は...。えっ? 一つやない、二つ、三つ...画像を切り替えるたびに見出しが増えていく。世界一安全と言われたこの国で、銃の規制が厳しいこの国で...一番今、日本で命を奪われるようなことがあってはならない人。翌々日に参議院選挙の投開票を控え、奈良で自民党候補者の応援演説中だったとのことです。そして本日の夕方、搬送先の奈良の医大病院で亡くなられたそうです。67歳とのこと。2年前に体調の悪化を理由に総理の座を退かれましたが、首相在任歴代最長7年8か月と言う長期政権の中、数々の功績を成し遂げてこられました。当然その剛腕ぶりに批判も多かったと思います。しかし、私は生まれてこの方、物心つき始めてから、大人になって政治というものを知ってから、少なくとも私がこの世に生を受けてからは第二次政権での安部さんは最高の宰相だと思っています。安部さんの魅力は何といっても外交。大国相手でも一歩も引かないそのリーダーシップは私が知る限りではナンバーワンだと思っています。中国、ロシア、北朝鮮、我が物顔にふるまう専制政治の大国、テロリスト国家がいよいよ牙を剥き出してきた昨今、まさに日本の主軸たる人物が凶弾に倒れたというこの事実は我々を大いに動揺させます。「今の首相が無能でも、今の政権がだらしなくても、安部さんがいるから大丈夫。」その安部さんがもういません。日本はどこへ向かうのか? 日本列島が悲しみとともに風雲急を告げる今、私は西郷隆盛、坂本龍馬級の救世主が現れることを願ってやみません。
本日、ここで書く映画作品は「モガディシュ・脱出までの14日間」。韓国映画作品です。いい映画やったんです。面白い作品やったんです。ところが今日は日が悪い。頭の引き出しに整理整頓されたこの作品を引き出そうと思っているんですが..出てこない。この作品の良さ、思いっきり感じたんやけど出てこない。そやけど頑張って...。
1980年から1990年にかけてまだ当時、国連に加盟していなかった韓国と北朝鮮は全世界で加盟のためのロビー活動に躍起になっていた。特に最多の投票権を持つアフリカ諸国での根回しは必須だった。そして1988年ソウルオリンピックを成功させた韓国のロビー活動はここソマリアの首都モガディシュでも例外でなかった。韓国大使ハンシンソンは土産に賄賂、幾多の根回しの末にようやくバーレ大統領との面談を取り付けた。だが官邸へ行く途中、テロリスト風の若者たちに襲われ、命は奪われなかったものの面談に遅れる。代わりに大統領と面談していたのは北朝鮮の大使リムヨンスだった。すべては北朝鮮の妨害工作であることは明らかだった。アフリカ諸国とのパイプには一日の長がある北朝鮮に韓国はいつも出し抜かれていた。翌日、ソマリア長官との面会でホテルへ出向いたハン大使と部下のカン参事官は北朝鮮のリム大使一行と鉢合わせになる。お互い一触即発のムードになった時、ホテルの周りで銃声が響いた。賄賂、収賄が横行し常に政情が不安定なソマリアでは「統一ソマリ会議」と名乗る反乱軍が各地で暴動を起こしていた。そしてついにここ首都モガディシュにもその大きな波が押し寄せてきたのである。
「バーレ政権に協力する外国人は出ていけ!」
人民の怒りの矛先は外国の要人たち、大使館にも向けられた。暴動、略奪、暴行、そして殺人、街のいるところで火の手が上がり、銃声が響く、そして断末魔の叫び声、モガディシュは地獄絵図と化していた。韓国大使館はカン参事官の交渉力と押しの強さで警察から大使館に警備を付けてもらうことに成功した。ひとまずは安堵するハン大使と妻、そして大使館員たちであったが電気を切断された館内は真っ暗で蒸し風呂のような暑さだった。食料も乏しい。そんな時、大使館を襲われ略奪に会い街をさまよう羽目になった北朝鮮のリム大使と大使館員、そしてリム大使の大勢の孫を連れた家族たちが大挙して韓国大使館へ救いを求めてきた。
まず、第一によくできています!南北の分断という韓国にしか描けないテーマ。しかも不安定なアフリカ大陸の土地で同じ民族でありながら真逆の思想を待つ二つの国が化学反応を起こすというテーマ。ラストの結末、そして両大使の背中で物言う姿が胸を打ちます。韓国特有の美男美女なんて一人も出てこない。まさに内容で勝負の韓国作品。
観終わった時、もっと言いたいこといっぱいあった作品なんやけどなんか今は出てこんわ。
その悪名を図らずも歴史に残すことになってしまったこの犯人、もう名前は知れてしまっているものの敢えて明記はしません。元海自隊員だそう。考えられへん。なんやねん。安部さんが一番心砕いていたところやないか❕在籍していたのが3年だけやから彼のバックボーンに何があったのかなど、これから徐々に分かっていくんやろうけど、ただ単に個人的な思いからの単独犯行なのか、それとももっと闇が深いものがあるのかまだこの時点では何もわからないので何も言えません。ああこれからどうなるんやろ? リンカーン暗殺、ケネディ暗殺、暗殺事件はアメリカの専売特許だと思っていました。思えば伊藤博文初代総理暗殺から始って、犬養毅首相暗殺(5.15事件)、高橋是清蔵相暗殺(2.26事件)、戦前は日本でもあったんです。でも戦後では初。日本は混迷した時代へと逆行してしまうのか?それとも...。
とにかく、日本は失ってならない人物を失ってしまいました。YouTubeで涙を流す保守の方もいらっしゃいました。政治家としても人間としても安部さんを慕ってた方は数多くいらっしゃいます。我が国の喪失感は半端ではありません。
安倍晋三さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。