いやぁー、ボチボチと新作が公開され始めましたねー。
発明王トーマスエジソンとカリスマ実業家ジョージウェスティングハウスの「商品売込み合戦」を描く「エジソンズケ゜ーム」。
子供のころから学校の図書館やなんかでいっつも並べられていた「偉人伝」の書棚には「トーマスエジソン」の名は必ずといっていいほど並べられていました。片や知る人ぞ知るジョージウエスティングハウス、エジソンが天才発明家なら、ウエスティングハウスは叩き上げの実業家。この二人が商業合戦を展開する作品です。
19世紀アメリカ。産業革命の波はアメリカ大陸にも押し寄せ、トーマスエジソンによる白熱電球の事業化で新しい時代を迎えようとしていた。しかしエジソンがあくまでこだわる「直流」方式では電流は遠くまで送電できない。そこで実業家ジョージウエスティングハウスは電流を遠くまで送電できる「交流」方式を成功させアメリカ中の話題をさらう。「自らのアイデアを盗まれた!」と激怒するエジソン。一度はウエスティングハウスから「手を組もう」と誘いを受けるもエジソンはこれを全く無視。エジソンは「交流方式は危険、死を招く」と大々的にネガティブキャンペーンを張り、ここに二人の電流戦争が始まる。
エジソンは新しく雇い入れた優秀な若手技術者ニコラテスラも提言する「交流方式」を全く受け入ない。エジソンの会社で虐げられるテスラにウエスティングハウスが手を差し伸べ、エジソンVSウエスティングハウスのバトルの様相は益々ヒートアップ。二人の「電流戦争」は舞台を1893年のシカゴ万国博覧会に移し最終決戦を迎える...
しかしエジソンって「偉人」と言われる割には少々ダーティで傲慢な男やったんですねぇ。しかし大統領からの武器開発の依頼や死刑用の電気椅子の開発も「人殺しの道具を作るのは嫌」と初志貫徹しているのは感心。
作品としての感想はと言うと、「ええーっと、直流、交流って理科の実験で習ったん中学やったっけ?」って程度の能力の私には少々退屈でした。それにしてもテスラって科学者もかなりな能力の持ち主やのになんか天才エジソンの陰に隠れてなんかかわいそうって感じがします。作品観た後にちょっとばかしエジソンのこと調べてみたら「偉人」って言うには少々、性格に難がある人ですね。ウエスティングハウスに対してネガティブキャンペ-ン張ったんはほんまのことみたいやし、「変人エジソン」の妻となって気苦労が絶えず若くして亡くなったメアリー夫人もお気の毒。映画には描かれてなかったけど、この性格の悪さからスポンサーだった資産家J.P.モルガンにも愛想をつかされてしまうしね。
とにかく金がなかったらしい。研究に没頭しすぎたのが、世界の未来を考えたのか、自分の名声を知らしめるためのエゴだったのかはイマイチよくわからんのですよね。イギリス人のカンパーパッチがアメリカの超有名人エジソンを演じるのは少々、違和感を覚えるけどそれを除けばインテリの雰囲気がプンプン匂う彼以外、現時点ではこのキャスティングはベストだと思います。この闘いでエジソンは敗れるわけやけど「エジソンの頭脳か?ウエスティングハウスの資金力か?」って対決構造を描いたのは面白い着眼点やったと思います。(むずかしかったけど)
エジソンの性格の悪さばっかりが目立った作品やったけど何にしてもこの人が映写機を発明したから私がこうやって毎週映画を楽しむことが出来るわけですわ。それには感謝。感謝...えっ?映写機も部下の発明からパクったって?あちゃー、この人の伝記本って学校の図書館に置いといてええんかいな。