- KⅠN/キン...「なんや韓国映画かいな」っと思ったら正真正銘、ハリウッド作品です。KINって血縁者と家臣族とかっていう意味。しかし正直言ってこれ何のジャンル?血がつながらなくとも信じあえる家族愛かそれとも兄弟愛?はたまたSF映画のようでもあります。なんか焦点がはっきりしない映画なんやけど、なんかしれんけどそこそこ面白かった。舞台はデトロイト、自動車産業で栄華を極めていたこの町は廃墟と化した工場や企業のオフィスが立ち並ぶ、寂れた町になっています。父に白人の養父と暮らす14歳の黒人少年、養父なれど厳しく育てられてます。不満を持つ少年にこう諭す。「父さんがお前に厳しいのは、世間がお前に厳しいからだ」 うーん、胸を突くようなセリフ、映画は時に格好の教育者でもあります。ある時少年は父に隠れてビルの廃墟から導線を集めて業者に売るという「アルバイト」をこそっとやっていた。そこへ突然銃声のようなものが、いってみると黒ずくめのボディスーツに黒いヘルメットをした奴らが倒れている。そしてその場に置いてあったのが何とも奇妙な「モノ」を拾う。どうやら兵器らしい。そんな時に刑務所に入っていた血のつながらない兄が刑務所から戻ってくる。戻ってくるなり、父に金を貸してくれと言う。兄は町のギャングに大金を借りていたのである。厳格な父は当然断る、思い余った兄はギャングたちと一緒に父の経営している会社のオフィスに押し入るが運悪く父と鉢合わせ、ギャングは父を撃ち殺し、逆上した兄はギャングの兄弟を撃ち殺してしまう。
ギャングに追われる身となったこの「血のつながらない」兄弟、ちょうど同じころ弟の拾った「モノ」を探しに黒づくめのバイク集団が動き始める。と言うのがストーリーですが全く頼りにならない、いい加減な兄と年派のいかない弟、この危なっかしい二人が絶体絶命の時に救ってくれるのが弟が廃棄工場でみつけた「モノ」、兵器なのです。またこの兵器、弟しかなぜか扱えない。二人は途中で知り合いになったフロアダンサーの若い女の子とともにデトロイト、ラスベガスと逃亡生活を始める。
焦点がぼやけた映画ながらなぜか見ていてそこそこ面白い、実の父親を死なせる羽目になったのはまさにこのダメな兄きせい、やることなすこと計画性もないし、行き当たりばったり。それでもいつも弟は兄の窮地をあの兵器で助ける。この弟が何とも健気。父に言われたことを反省し、父の愛情と感謝を感じている。思いっ切り感情移入してしまいます。
しかし、何とも不思議な映画、父を演じるのがデニスクエイド、ギャングを演じるのがスパイダーマンシリーズで適役となったジェームズフランコ。何と形容したらいいのかわからないけどほんと、不思議な映画。