ヘルプ~心がつなぐストーリー | kazuのブログ

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サラリーマン社長のムービートラベル

いやあ~久しぶりですが、新作映画にも久しぶりに心にしみ


る映画に出会えましたねぇ...


小手先の映像技術に頼るわけでもなく、ビッグネームがキャス


ティングされているわけでもなく...それでもグッとくるんですよ



作品名は「ヘルプ~心がつなぐストーリー」 


監督テイト・テイラー


出演 ヴィオラ・デイピス、エマ・ストーン、オクタビア・スペンサー


    ブライス・ダラス・ハワード



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今年のアカデミー賞候補にもなりました。


舞台は1960年代のアメリカ南部、ケネディ政権の中公民権運動


が吹き荒れた時代、そうキング牧師の有名な演説“Ⅰhave a


dream...¨があったあのころですね、南北戦争から100年たち


奴隷は解放されたはずなのに、南部の田舎町ではまだ、白人と


黒人のレストランは別、黒人は男は肉体労働、女はメイド位しか


職にありつけない、そんな舞台です。そこへ上流階級の白人娘


スキーターが都会の大学から南部の生まれ故郷に帰ってくる、


今まで何の不思議もなく、黒人のメイドに育てられてきた彼女は


今のこの風潮に疑問を持ちメイドの黒人たちの本音を聞き、本に


したいとメイドたちにインタビューして回るんですが当然、いらんこ


と言うてクビになるのが怖いから皆、口を噤む。ところが一人のメ


イド、エイビリーンが協力を申し出る。



ボランティアだの、会合だの、昼食会だのにかかりっきり、赤ん坊の


おむつ一つ変えない上流階級の若い母親、寄れば人の悪口、仲間


はずれ、シカト...うわぁ、すいませんが女性の嫌なところすべて


見せて貰いました。о(ж>▽<)y ☆


ところが実は上から目線でメイドたちを見ているはずの白人のご婦人


たちを実はメイドたちは冷ややか-な目で観てるんですね。


題名の「ヘルプ」って差別に苦しむ黒人たちが「助けてくれー」って言っ


ているわけじゃないんですね、「ヘルパー」、「お手伝いさん」すなわち


メイドのことです。



物語の中にスキーターの友達でヒリーと言う嫌ぁな女が出てきます。


黒人のトイレを家の外に作れと...なんとまぁ御金のかかる、めんど


くさいことを、台風の日でもメイドは外にトイレに行かなくちゃいけない。


おりまんねんこんなん、常に上から目線、アゴをつんとつきだして胸を


反らして歩く。彼女の家に雇われているのがエイビリーンの親友ミニー


昼間はこんなバカの世話をしなきゃいけないし、夜は仕事もしないで


酒ばっかくらっている旦那のDV、おまけに子供が五人。



こうなると、黒人弾圧のくらーいドラマかなと思いきやこのメイドさん達は


強いんですわ。ついにはブチ切れたミニーが雇い主のヒリーにとんでも


ないしっぺ返しを食らわすんですが...それは言わずに置いときましょう。


そんなミニーも出版に協力することになり、ある事件をきっかけにスキー


ターのもとに町中のメイドたちが押し掛けることになり遂に南部の町で、


本が出版されることになり...


と完璧なハッピーエンドには終わりませんしっぺ返しを本に描かれ赤っ恥


を書いたヒリーがエイビリーンの雇い主に圧力掛けて...すっかりエイビ


リーンに懐いている子供に別れ際、「お嬢ちゃまは素晴らしい子...それを


忘れずに」そして母親には「私の娘をしっかり育てて下さい」と言い残し、


最後にヒリーには「あなた、疲れませんか」と絞り出すような声で言い放つ


。カッコよかったですね。



決して暗い映画じゃない、でも人種偏見と言うものがアメリカに存在するのも


事実。


このあとアカデミー賞をとった「アーティスト」を観に行ったけど、俺はこっちの


方がよかったな。


作品賞は逃したもののミニーを演じた、オクタヴィア・スペンサーが助演女優


賞を獲得しました。肝っ玉母さんみたいな、ええ女優さんです。


今んところ私の中では本年度No1の作品です。



この作品が描き出す南部の町を見れば大国アメリカの歪みも見えてきます。


是非のお薦め作品...まだやってます。