スリー・デイズ | kazuのブログ

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筋通します!!


東北の大震災以降、原発の事後処理から民主党の総裁選、


かたや芸能界での島田伸介の引退とどこか釈然としない筋


の通らん話しばっかし...そんな中で久々、一本筋の通った


映画を観ました。ラッセル・クロウ主演の「スリー・デイズ」


殺人の冤罪の罪を着せられた、妻を脱獄させようとする男の話


...どっか地味なんやけどね。


ひたすら妻の無実を信じ、幼い息子と3年間耐えに耐えたのに


思いもむなしく、酵素は棄却妻は刑務所の中で自殺を図る...


。事ここに至って夫はついに妻を脱獄させることを決意する。


その夫の大学教授を演じるのがラッセル・クロウ、全く場違いな


職業なのに裏社会に出かけて行っては袋叩きにあい、大事な


逃走資金まで巻き上げられる、けなげと言うか、不器用と言うか


妻を愛するあまりうまく立ち回れない、あのごつい体を持て回し


右往左往する要領の悪い男って言うのは「グラディエーター」や


「シンデレラマン」なんかにも通ずるところがありまさにこの人の


はまり役。全編の3分の2はそんな要領の悪い男の姿を見せつ


けられ、見ている方も「あ~あ」と思わせてしまうのだが、考えに


考え、苦労に苦労を重ねた末にたどり着いた脱獄シーン残りの


3分の1は、スリル、そして知恵比べ(やっぱり大学教授)はハラ


ハラ、ドキドキの連続である。


クリックすると新しいウィンドウで開きます スリーデイズ


私が感心したのは、この脚本と構成。夫は妻の無実を信じ切って


いるのに、映画はどっか「ひょっとしたのこの奥さんヤッたんやな


いの」とみているものの心の片隅にちらっと影をさす。その心の片


隅にちらっと残ったものを引きずりながら物語は終わろうとする。


だが最後の最後で彼女が無実だったという証明を見せるシーンが


あるのだが事件を追う刑事たちはこれに気付かない。その証拠を


観たのは観客だけ...。ラストは親子3人で南米のベネズエラか


どっかに逃げ切ってしまうのだが、無罪釈放という決してハッピー


エンドではない。3人には逃亡犯と言うレッテルが付いて回る。


「そんなん無実やのにぃ~」と思われ、さぞや同情する方も多いだ


ろうが、このご主人、逃走資金を取り返すため、相手は悪人といえ


ども殺人を犯してしまってるんですねぇ...。アメリカと言う国は、


理由がどうあれこういうことは決して許さない。かつて私が男の美


学の師仰ぐ、かのスティーブ・マックィーン大先生が主演なさった


「ゲッタウェイ」と言う映画がありました。悪党をバンバン殺しまくって


大金をせしめついには国境を逃げ切ってしまう...と言うラストで


終わったのだが、これにクレームが付いた。「なんであんな人殺し


を逃がしてしまうんや」と...。だから州によってはエンドマークの


前に「二人はこの後、地元警察に捕まった」とテロップを入れるとこ


ろもあったという、ヘンテコリンな終わり方。


だからこの映画もそんなアメリカと言う国の気質をちらっと見たよう


な気がしました。ねっ、筋が通ってるでしょ..。チョキこの監督ポール


・ハギスと言う人、「クラッシュ」という映画でアカデミー賞とったんで


すけどもともとクリント・イーストウッド監督の「ミリオンダラーベイビ


ー」や硫黄島の戦い2部作「父親たちの星条旗」や「硫黄島からの手


紙」なんかの脚本を手がけた人、だから映画の作り方がうまい。


脚本家出身の監督さんはいい映画を作るというのは私の持論です。


舞台はピッツバーグ、労働者階級の街です。ニューヨークやロサン


ゼルスに比べてあまりなじみはないけど、鉄鋼が盛んなアメリカの


産業都市、そんな活気ある街街の雰囲気も伝わってきましたよヽ(゚◇゚ )ノ