続けていきます。
OPENING
大西: 柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺。
Rosa: Sensei, it's hard to tell you this, but your haiku was about the last lesson.
Onishi: Oh, really?
ろーざ: かっこよかったのにね。
大西: うん。
Rosa: Hey everyone. This is Akino Rosa.
David: And I'm David Evans. It's hard to tell you this, but it's time to start the lesson.
Onishi: Yeah, that's right.
Lesson 234 会話の原則20: 配慮 ショックを和らげる
[KEY SENTENCE]
It is hard to tell you this, but Dr. Stein is in the hospital.
相手にとって不都合な内容に適切なクッションを加える練習をしましょう。会話に必須の「配慮」です。
DIALOGUE
アンドロイドのジーニーとフランキー。ジーニーが家に帰ると、スタイン博士の姿が見えません。
Jeannie: Frankie, I'm back. Where is Dr. Stein?
Frankie: Jeannie, please sit down.
Jeannie: Why? What's wrong?
Frankie: It is hard to tell you this, but Dr. Stein is in the hospital.
Jeannie: What? What happened?
Frankie: He fell down and broke his hip.
Jeannie: We have to go to the hospital. He's our father.
Frankie: I agree. We should bring him some flowers.
Jeannie: Flowers, right. Let's go to a flower shop. No gardens this time, okay?
Frankie: I learned my lesson. Can I go with you?
Jeannie: Yes, let's go.
WORDS AND PHRASES
I'm back.
(参考)
日本語では、学校や仕事から帰ってきて玄関で、または家族の顔を見たら「ただいま」と言いますが、英語ではこの場面で "I'm home." と言うことはあまりないように思います。ただ、家に帰った時に、いるはずの家族の姿が見えない場合や、長い間家を離れていた人が戻ってきた場合などに使われることはあります。
(日刊英語ライフ 「ただいま」と「おかえり」は英語で何て言う?https://kiwi-english.net/5660)
in hospital 《in (the) hospital》入院して、入院中で(英辞郎)
I agree.
ここで、I agree.という表現が出てきました。agreeという動詞は「同意する」という固い訳をとるので、なかなかこうした使い方が難しいのですけれども、日常語で気軽に使える単語なんですよ。
No gardens this time, okay?
さあ、これは、以前ですね、フランキーが他の家の庭に入り込んで、バラを摘んでバーバラに怒られたというですね、お話を下敷きにしているんです。
I learned my lesson.
learn one's lesson これは「失敗した経験から学ぶ/教訓を得る」ということ。
GRAMMAR AND VOCABULARY
We have to go to the hospital.
私たちは病院に行かなくてはなりません。
have toは「~しなければならない」。mustと訳は共通ですが、イメージは違います。mustが主観的な単なる「しなければならないよ」であるのに対し、have toには「必要性」が感じられます。しなければならない客観的で強い理由があるんです。ここでもジーニーは、「彼は私たちの父親なんだから」とその理由を述べていますね。
We should bring him some flowers.
私たちは彼に花を持っていくべきです。
この文は授与型。動詞の後ろに二つ目的語を従えて、「…に~を上げる/くれる」を意味する型です。ここではbringを使って「彼に花を持って行ってあげる」となっていますよ。目的語の位置を入れ替えてはいけません。英語は配置の言葉。目的語の位置を入れ替えると、意味が通らなくなってしまいます。
ところでこの文でbring(持ってくる)が使われているのは、英語では話題の中心となっている場所を基準に「行く」「来る」が使い分けられる強い傾向があるからです。ここでは「病院」が話題の中心であり、そこに近づく動きであるため、bringが使われているのです。
(ダイアローグの日本語訳)
ただいま、フランキー。スタイン博士はどこかしら?
ジーニー、ちょっと座ってくれないか。
どうして? 一体どうしたの?
こんなことを君に伝えるのはつらいんだけど、スタイン博士は病院に入っているんだ。
何ですって? 何があったというの?
博士は転んで腰の骨を折ってしまったんだ。
私たち、病院に行かなくちゃ。博士は私たちの父親なんだから。
そのとおりだ。博士に花を持っていったほうがいいね。
ええ、花ね。花屋さんに行きましょう。今回はどこかの家の庭はだめよ、わかった?
僕は前回の失敗から学んだよ。僕もついていっていいよね?
ええ、行きましょう。
TYPICAL EXPRESSIONS
It is hard to tell you this, but Dr. Stein is in the hospital.
これをあなたに伝えるのはつらいのですが、スタイン博士は入院中です。
ゴガクルの解説より:「この文の It is hard to tell you this, but ~ は、相手にとって不都合な内容を言わなくてはならないときに使われる、前置き(クッション)です。このクッションによって相手は心の準備ができ、ショッキングな内容に身構えることができます。こうしたクッションにはいろいろあります。いくつか練習しておきましょう。」http://gogakuru.com/english/phrase/284471
I hate to say this, but
言いづらいのですが、
It pains me to say this, but
こんなことを言うのはつらいのですが、
I don't know how to say this, but
I don't know how to put this, but
何と言っていいのかわからないのですが、
hateは「大嫌い」「したくない」。
painは動詞で用い「悲しませる」。
どちらのフレーズも「言いたくない」を表しています。
I'm afraid, but
~は残念ですが
I regret to tell you this, but
We regret to tell you this, but
I regret to inform you that
We regret to inform you that
残念ながら、~をお知らせいたします。
regret(残念に思う)を用いたI regret to/We regret toは「残念ながら」「申し訳ないが」「遺憾ですが」。フォーマルな感触のフレーズ。
I'm afraid, butもフォーマルな状況で使えます。例えばI'm afraid you might not like this, but(あなたはもしかすると気に入らないかもしれませんが)などと使うことができます。
Unfortunately, I'm too busy at the moment.
残念ながら、私は今とても忙しいのです。
Actually, I'm too busy at the moment.
実は、私は今とても忙しいのです。
unfortunately(運悪く/遺憾ながら/申し訳ないことですが)、actually(実は)も相手にとって期待外れとなる情報の前置きとして使うことができます。
PRACTICE
Rosa: Okay, everyone. Today, I would like you to try to remember these phrases in chunks. So, when you practice, try practicing them smooth, okay?
ろーざ: はい皆さん。今日はこれらのフレーズをチャンクで覚えるようにしてみてください。では、練習するときは、滑らかに練習するようやってみてくださいね。
David: All right. Let's jump into our first.
デビッド: さあ、さっそく最初の例文から取り掛かりましょう。
I hate to say this, but
It pains me to say this, but
I don't know how to say this, but
I don't know how to put this, but
Rosa: Great work so far. Let's keep going.
ろーざ: ここまでは上出来ですね。続けていきましょう。
I'm afraid, but
I regret to tell you this, but
We regret to tell you this, but
I regret to inform you that
We regret to inform you that
David: All right. Let's wrap it up with a few more.
デビッド: さあ、もういくつかで締めましょう。
Unfortunately, I'm too busy at the moment.
Actually, I'm too busy at the moment.
Rosa: You did wonderfully.
ろーざ: 素晴らしかったですよ。
David: Excellent job.
デビッド: よくできました。
TYPICAL EXPRESSIONS IN ACTION
1.
日本語: 言いづらいのですが、私たちはそのプレゼンテーションを別の人にやっていただくことにしました。 ご理解くださることを願っています。
解答例: It is hard to tell you this, but we've chosen another person to give the presentation. I hope you understand.
言いづらいことを言わなくてはならないことはしばしばあります。しっかりと相手を思いやるクッションをつけてくださいね。
another personをto不定詞以下が説明し、「そのプレゼンテーションをする別の人」となっています。
最後の文は定型文。まとめて覚えておきましょう。
2.
日本語: 残念ながら、あなたの申し込みは受諾されなかったことをお知らせいたします。
ヒント: 申し込み・応募 application / 受諾する・受け入れる accept
解答例: We regret to inform you that your application has not been accepted.
I regret to inform you that/We regret to inform you thatはフォーマルな定型句です。覚えておくと使う機会はありますよ。
ENDING
Onishi: Hey, it's hard to tell you this, but time is up.というわけで、今日はこの辺にしましょう。
Rosa: See you all next time.
大西: さあ、これは言いづらいのですが、時間が来てしまいました。いいというわけで、今日はこの辺にしましょう。
ろーざ: 次回も聞いてくださいね。
"I hate to have to say it, but I very firmly feel. Maria's not an asset to the abbey". ―サウンド・オブ・ミュージック