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Pepmalibuのブログ

こんにちは(^-^)このブログでは、アメリカ人と日本人の2人の博士号/MBAホルダーが、世界や日本で起こっている出来事に対する多元的な見方、アメリカの最新ビジネスや最先端の情報テクノロジーなどを紹介しています。どうぞよろしくお願いします!!

幸せの秘訣

パウシュ


ランディ・パウシュ博士の「最後の授業」

ある日、僕の学生に訊いたところ、大部分がまだ親と一緒に暮らしていることが分かりました。驚きました。なぜなら、アメリカでは、大学が家に近くても、多くの学生は、親から独立して、大人としての自由を感じたいと思い「一人暮らし」を始めます。一方、子供に一人前になってもらうために、そうした一人暮らしがよい経験だと理解している親たちも少なくありません。共働き家庭の多いアメリカでは、小さいときから、部屋の掃除、洗濯、晩御飯の手伝いをしている子供(男の子も女の子も)は珍しくありません。アメリカには、僕のクラスの日本人学生のように、親たちが全面的に面倒を見ている若者はほとんどいないといってもいいでしょう。

僕は、現在、日本に住んでいるので、家事を自分で全てやらなくてはなりません。ときどき、面倒に思う事もあります(笑)。十分な所得があるので、身体的な負担を減らすために、毎晩、自炊する代わりに、外食にしようと思ったこともあります。でも、栄養バランスが心配になり、毎日、仕事帰りに八百屋に立ち寄り、新鮮な野菜を仕入れ自炊しています。掃除もお手伝いさんを雇おうと考えました。でも、自分でできるのでそこまでする必要はないという気持ちに加え、「倹約精神」が旺盛なので(笑)、自分でやっています。来月、2週間、米国に里帰りをするときに、その状況は一変します。ただし、そのときだけですが。母が美味しい手料理を作ってくれます。家族みんなで、いろいろな楽しい話をしながら、母の手料理を美味しく食べます。母は、毎日、私の部屋を片付けて、私の汚れた洋服を洗濯してくれます。また、必要に応じて、僕の散髪もしてくれます。「最高の幸せ」です。

振り返ると、一人暮らしをする前に、僕は、母のこの愛情に満ちた気配りを完全に認識していませんでした。認識できませんでした、と表現したほうが適切かもしれません。もちろん、一人暮らしをする前から母の気配りに感謝していました。なぜなら、高校の友達と比べると、僕の人生が楽だと分かっていたから。また、母の苦労を見て、感謝の気持ちがいっぱいになったときもありました。ただ、僕自身がその辛さを感じるまで、どんなに恵まれたかを完全に理解することはできませんでした。私の場合と同じように、今の日本の学生の状況を考えると、彼らを幸せにするために、どんなに彼らのお母さんが努力してくれているか、たぶん完全に理解することは難しいのではと思っています。

残念なことですが、それが、普通だと思います。実は、英語でも、このような状態を表現する格言があるぐらい普遍的な現象だといえます。このような場合、”You do not appreciate what you have until you lose it”と言います。日本語に意訳すれば、「失うまで、自分の持っているものの価値を認めない」となります。

 でも、こうした格言に該当しない偉大な人物もいるのです。それが、亡くなった米カーネギー・メロン大学の元教授、ランディ・パウシュ(Randy Pausch)博士です。彼は大学主催の「Last Lecture」(最後の講義)の一連で、「幸せの秘訣」を説明します。日本語はどう響くか分かりませんが、英語では「亡くなる前の最後の話」という意味合いがあります。もともと、大学で、「もしも、あなたが死ぬ前に最後の講義をするとしたら」という想定で開催したそうです。その一連の題名を「Last Journey」に変えた後、パウシュ博士は膵蔵がんでなくなる前に、すべてのエネルギーを使って、彼の「最後の講義」を行いました。

そのレクチャーでは、自分の子供のとき以来、実現できた夢を語りながら、いろいろな人生の教訓を紹介してくれます。このレクチャーを紹介してくれた日本の友人は、パウシュ博士の「煉瓦の壁にぶつかる教訓」が好きだと語ってくれました。パウシュ博士によると、私たちの夢の実現を妨げるものは「壁」のようですが、それは私たちの前進を阻害するためのものではありません。反対に、我々がどれほどその夢を実現したいかを確かめる機会をくれるものです。このような壁で、夢に向かっての前進をあきらめる者は、そもそもその夢をそんなに欲しくなかったのです。

僕もこの教訓が結構気に入りました。でも特に印象的に残ったのは、パウシュ氏の考え方です。それをまとめると、幸せとは、いつか手に入るものではなく、また目標達成によって獲得するものでもありません。むしろ、人生を過ごしながら、日々の出来事、接する人間、それから夢の追求のプロセスを楽しむことこそが「幸せ」なのです。

彼の話の中では、この幸せの秘訣が特に印象的でした。でも、僕の心に一番響いたのは、彼の行動でした。膵蔵がんの生存率をいうと、診断の4年後、僅かな4%の患者しか生存しないといわれています。このがんがあんまり深刻なので、その治療法を追求する研究者が少なく、研究のための資金も少ないそうです。こうした状況を変え、効果的な治療方法の必要性を呼び掛けるべく、パウシュ博士は死の直前であるにもかかわらず、議会証言を行いました。彼のこうした行動が、将来の世代に貢献することにつながると信じて。そして、彼のこうした勇敢な行為は、ものをもらうより、他人に与えることが真の幸せなのだという強烈なメッセージを世界の人々に伝えたのでした。

きっと、私の母や僕の学生のお母さんたちも、与えることの幸せを日々感じているのだと思います。




英語塾
以下のリンクはパウシュ博士のLast Lecture(最後の講義)の画像につながります。1時間以上ですが、とても分かり易い内容です。計算したところ、Gunning Fox Index が8.20で、中学2年生の英語力に相当しています。Flesch Reading Ease 82.1なので、12-13歳以上であれば、容易に分かるはずです。多忙のなかでも、1時間の時間を費やすだけの価値のある素晴らしい講義です!



"Randy Pausch Last Lecture: Achieving Your Childhood Dreams"



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本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。

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© 2014 Joseph Gabriella, Ph.D., MBA. All rights reserved. 無断複写・転載を禁じます。



1. グーグルは情報技術の分野を超え、教育に至るまでの革新を開発している。
Emily Lucas. “10 Innovative Educational Programs Run By Google.” Edudemic. July 13, 2013



どう見ても、グーグルは「革新的企業」と言えるでしょう。長期的に考える企業でもあると思います。将来の社員、次世代の技術を開発し、操作できるような人材を育てるために、教育に投資しています。そして、そうしたことに対して「革新的な」手法を用いています。自社で、社員育成に投資しているたけでではなく、社外の小中高学生、また大学生や研究者にまでを対象にして、貴重な教育の機会を提供しています。以下はリンクされる記事に紹介される10のプログラムからの抜粋です。

1. Android Camp
このキャンプは、大学1,2年生を対象にグーグルの本社で行われる一週間の研修です。参加者はソフト開発や出版、またソフトのテストのスキルに磨きをかけ、アンドロイド・アプリの開発を学びます。

2. Google Code-In
これは、まだ学校に在学している13歳から17歳までの学生が参加できるソフト・コーディングの競争です。上位10人の優勝者はグーグル社の負担で、会社を訪問し、ソフト・エンジニヤと接したり、他の活動に参加したりします。

3. Google Research Awards
このプログラムは大学院生や研究者・学者向けのいくつかの別のプログラムから成り立っています。Visiting Faculty Programというその一つは、優秀な学者にグーグルで半年から1年間までの期間の間に、グーグルで働く機会を与えるものなのです。

僕がこの記事を読んだときに、二つのことを考えました。いくつかのプログラムは世界のどの国からでも応募可能なので、日本人の学生も応募を検討すべきです。これと関連して、現在、教育制度に見直しを見かけている文部科学省が、これらのプログラムを模範として取り上げることができるとも思いました。




2. 肥満の社員は社長になりにくい!
Leslie Kwoh. “Want to Be CEO? What's Your BMI? “Wall Street Journal. January 16, 2013.


数か月前に、日本企業の副社長を務めている日本の友達、浩一と食事をしました。浩一は、スポーツマンではないですが、20数年前に、知り合った大学院の時から大自然に憧れる、冒険をしています。前回彼と会ったのは、奥さんと娘さんも連れたアメリカの国立公園などの旅行帰りの直後でした。2011年末に、スポーツジムの会員を退会した時以来あまり運動していない僕が「今の新しいアパートからの通勤が便利ですが、駅まで、ちょっと歩くだけです。また、教えている大学の最寄りの駅から大学までも少し距離がある」と述べたら、浩一が「よかったです。少し運動できますね」と返事しました。運動するために、毎日、会社まで歩いている浩一の発言だったので、驚くには値しませんが、実際は、びっくりしました。周りの会社をざっと見ると、喫煙者が多いです。週数回お酒を飲み、運動不足のせいで、中年太りの人も少なくないようです。肥満が蔓延しているアメリカほど深刻ではないものの、日本には、飲みすぎる男性と喫煙者が多いという印象があります。日本はどうか分かりませんが、近頃、偶然、目にしているリンクされる記事が示すように、アメリカの肥満の社員は幹部になりにくくなりました。CCL (Center for Creative Leadership、非営利団体)が行った相関関係の研究によれば、腰回りが太くて、BMI (ボディー・マス・インデックス、あるいは、体格指数肥満度指数 = 体重(kg)÷(身長(m)の2乗)が高い社員は、正常の社員より、仕事の生産性と業績の両方とも低いと見なされるそうです。


3. PCは、やがて絶滅するかもしれない?
Mark Rogowsky. “The Death of the PC Has Not Been Exaggerated .” Forbes. April 11, 2013.


現在、46歳の僕は若くないとは言え、まだ化石ではないと思います。それでも、僕が幼い時、手動式タイプライターを使っていました。高校生になったら、マックが出る一、二年くらい前に、電動式タイプライターに変りました。大学に進学した時までには、PC時代が本格的に始まりました。それ以来、PCは王様のような存在ですが、リンクされる記事によると、PCが近いうちに王座から陥落するかもしれません。初めてこの記事とそれに賛同する他の記事を閲覧したときに、半信半疑でした。確かに、携帯機器が普及しているし、強力になりました。成長途上の中国で、PCを飛び越して、直接、スマホを購入している消費者が多いという報告を読みました。ここ日本でも、日々、電車でスマホを使っている日本人に囲まれています。しかし、一番この記事に納得したのは、僕が教えている学生とのやりとりがきっかけでした。先日、「プレゼンのパワーポイントのスライドをファイル形式で送信してください」と指示したときに、女子学生がこう質問してきました。「わたしはスマホしかないから送信できないので、どうしたらいいですか。」私が答えて、「大学のPC教室で、USBメモリーを使って、そこからファイルを送信してください」と提案したら、この学生は、暫くの間、戸迷ったようでした。やっぱり、PCは、もうあまり長く存続できないかもしれないと思いました。


このビデオには、専門家が、記事と反対する彼の意見を説明します。どちらが正しいと思いますか。

“PC Market Death Is Greatly Exaggerated: Bertelsen”
 


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クチコミ・マーケティングの世界的権威
単独インタビュー特別掲載!




日本企業のエグゼクティブやソーシャルメディア担当者 必読!

ハーバード、スタンフォードに並ぶ米東海岸名門ペンシルベニア大学ウォートンスクール

ジョーナ・バーガー博士がソーシャルメディア・マーケティングの最先端を語る!


昨年の12月、本ブログで、「クール・ジャパン」の関連で、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールのジョーナ・バーガー(Dr. Jonah Berger)博士の近著『Contagious: Why Things Catch on』(Simon & Schuster社、2013年、邦訳『なぜ「あれ」は流行るのか?』[日本経済新聞社出版])を紹介しました。その本は、ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナルの両紙でベストセラーになるなど、米国内で大きな反響を巻き起こしました。

今回は、超クールなジョーナ・バーガー博士との単独インタビュー(2014年2月26日インタビュー実施)を掲載しています。御社のマーケティング戦略、SNS戦略を立案するときに役立つのではないかと思います。

ジョーナ博士のインタビューに関するご感想/ご意見があれば、いつでも歓迎しますので、ご遠慮なく私までお伝えください。その場合、適宜、私(ガブリエラ)がジョーナ博士に直接取り次ぎます。お待ちしております。




今や「広告やマーケティングで、ソーシャルメディアを使わないという選択肢はありえない」といわれる時代だ。そうした状況をうけ、クチコミ広告(Word-of-mouth Marketing)やソーシャルメディア・マーケティング(Social Media Marketing)の研究の世界的権威、名門ペンシルベニア大学ウォートンスクールの新進気鋭のマーケティング学者ジョーナ・バーガー博士に、企業がソーシャルメディアで成功するための秘訣をわかりやすく解説してもらった。バーガー博士の近著『Contagious: Why Things Catch on』(Simon & Schuster社、2013年、邦訳『なぜ「あれ」は流行るのか?』[日本経済新聞社出版])は全米でベストセラーを記録するなど、今、世界が最も注目する30代の若手マーケティング学者だ。彼は、ニューヨーク・タイムズ紙(ウェッブ版)が「24時間」「1週間」「3ケ月」の単位で公表する「最も多くの人々に共有された記事リスト」に着目し、7,000記事を熟読した。その後、すべての記事の内容を肯定的・否定的、感情(畏敬感、悲しみ、不安)、興味、驚き、実用的な価値、文字数、著者の知名度・性別、ウェッブ上の掲載位置などの多様な項目で分類し、統計的な解析を行った。ともすれば、直観的かつイメージ的にとらえられやすい「クチコミ」の要因を、心理学の知見にもとづき科学的に解明しようとする彼のアプローチが今世界的に高く評価されている。その若さで有名学術誌に多数の論文を発表。その学術的知見をもとに、多くの講演活動を実施。コカ・コーラ(Coca-Cola)、グーグル(Google)、サムスン(Samsung)などのグローバル企業にもアドバイスするなどコンサルタントとしても活躍。また、彼は、2011年には、ウォートンスクール内の「アイアン・プロフェッサー」(鉄の教授)賞も受賞するほどの実力と人気を兼ね備えた教育者でもある。



ジョーナ・バーガー博士のプロフィール

Dr. Jonah Berger, Ph.D. 米ペンシルベニア大学ウォートンスクール准教授(専門:マーケティング)。2007年スタンフォード大学経営大学院修了。博士(マーケティング)。2002年スタンフォード大学卒業。近著『Contagious: Why Things Catch on』(Simon & Schuster社、2013年、邦訳『なぜ「あれ」は流行るのか?』[日本経済新聞社出版])はニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナルの両紙でベストセラーとなる。The Journal of Consumer Researchなど著名学術誌に多数の論文を発表。ニューヨーク・タイムズ紙、ウォールストリート・ジャーナル紙、ハーバード・ビジネス・レビュー誌などにも多数寄稿。世界的な企業へのコンサルタント、多数の講演会も含め、クチコミ広告、ソーシャルメディア・マーケティングに関して今、世界で最も注目されている学者である。写真はすべて、著者本人の提供。

ウォートンスクールのバーガー博士のウェッブサイト:
https://marketing.wharton.upenn.edu/profile/311/
バーガー博士個人ウェッブサイト: http://jonahberger.com/

なぜ「あれ」は流行るのか?―強力に「伝染」するクチコミはこう作る!


<インタビュー>

1 現在の米国のソーシャルメディア・マーケティングの最先端の状況を説明してください。

クチコミ(バイラル)によるマーケティングは、従来型の広告/宣伝よりも「10倍」も効果的だ。現在の消費者は基本的に広告を信じない。なぜなら、従来の広告の背後に企業が何とか商品を売ろうとしている意図を感じとるからだ。でも、消費者は自分の友達のいうことなら信じる。その結果、個人と個人の間のコミュニケーションが消費者の行動に大きな影響をおよぼす。どの映画をみるか。どのレストランに行くか。何を買うか。人々はソーシャルメディアを使って情報を交換し、そうした行動が他の人々の購買行動に強力なインパクトをもたらす。こうした状況から、企業は、広告投資を、従来型の広告から、ソーシャルメディアやオフライン型のクチコミによる広告にシフトするようになってきた。クチコミによる広告手法は、費用が安いだけでなく、消費者の行動に影響を与える点できわめて優れている。私は、そうしたクチコミの原理を応用するように、コカ・コーラ(Coca-Cola)社、グーグル(Google)社、サムスン電子(Samsung)社に助言し、すでにこれらの企業はきわめて大きな成果を手にしている。


2 特に、注目しているソーシャルメディア・マーケティングの成功企業を教えてください。


ソーシャル・メディアで特に成功している企業として、コカ・コーラ(Coca-Cola)社をあげたい。コカ・コーラ社の手法は、信頼がありかつ新鮮で、同社の顧客と「感情/情緒的な関係性」を醸成することに成功している。特筆すべきは、コカ・コーラ社が、単にソーシャルメディアを別の広告手段とみなしているのではなく、「なぜ顧客がソーシャルメディアを利用するのか」「その顧客が情報機器を使ってどのように情報を交換し、他人との関係性を築くのか」を理解していることだ。


3 クチコミ、ソーシャルメディア広告の成功の方程式はありますか?

ソーシャルメディア・マーケティングで成功するかどうかは、顧客の行動パターンを理解できているかどうかに左右される。そもそも、顧客はどうして、情報を共有するのだろうか。多くの企業が、ソーシャルメディアを使った広告をやればそれで十分だと思っている。そして、いろいろな情報提供技術は、単に「テクノロジーの問題」だと考え、それが「戦略の問題」であることに気づいていない。そうした情報技術を効果的に使う方法を理解していなければ、多額の資金が無駄になってしまう。

私の近著『Contagious: Why Things Catch on』のなかでも述べているが、クチコミ宣伝で成功するためには、「6つの原則」を理解することが大切だ。その6つは、科学的な実証研究にもとづくもので、人々が「語り、それを共有したい」と思うようになるための重要な要素だ。私は、英語の頭文字をとって「STEPPS」(ステップス)の原則と名付けた。それが、ソーシャル・カレンシー(Social Currency)、トリガー/きっかけ(Triggers)、感情(Emotion)、露出可能性(Public)、実用的価値(Practical Value)、物語(ストーリー)性(Stories)だ。わたしは、なぜ特定の商品やブランドがクチコミを通じて話題となり、またインターネット上の情報が拡散するのかをテーマとする精緻な学術研究を行って、この6つの原理を導き出した。このSTEPPSの6つの原則に沿いながらクチコミを生むような情報コンテンツ(たとえば動画)を作り出せば、企業なら人気商品を生み出し、個人でも考えや表現で大きな評判を獲得することができると考える。


■「STEPPS」:クチコミ成功のための「バーガーの6つの原則」

① ソーシャル・カレンシー (Social Currency)

社会的な評価・尊敬、他人にカッコいいと思われること、他人に自慢できること

② トリガー (Triggers)

 人に何かを思い出させるきっかけ、何かの連想につながっていくもの

③ エモーション(Emotion)

 感情や情緒を刺激するようなメッセージ性

④ パブリック(Public)

多くの人に共有してもらえるような露出可能性。たとえば、ある人が身につけているのを見て、それが真似されていくこと

⑤ プラクティカル・バリュー(Practical Value)

情報の実用的な価値、情報受信者にとって意味があるもの、関係があるもの

⑥ ストーリー/物語性 (Stories)

ある情報が共有されていくとき、それを包み込むような物語、ストーリー/ドラマ性


4 STEPPSのなかの「ソーシャル・カレンシー」とはどういう意味ですか?

アップル社のiPhoneを例にとろう。新型モデルが発売されるときはアップルストアの前に長蛇の列ができる。長い列にならんで、やっと新しいiPhoneを手にした顧客は、その直後にどのような行動に出るだろうか。ほとんどの人が、そのiPhoneをゲットした様子を写真に撮り、その写真をすべての友人に配信するに違いない。どうして彼らはそうした行動をとるのだろうか。それは、他の誰よりも早く新型iPhoneを手にしたことで、「自分がカッコいいと他人に思われる」と考えているからだ。他の誰もが持っていない「何か」を最初に手に入れることができれば、それはかなりのステータス・シンボルになる。また、「事情通」として他人から尊敬される。つまり、彼/彼女は、社会的な高い評価、すなわち、ソーシャル・カレンシーを得ることになる。よりカッコ良く見え、他人に自慢できるようになればなるほど、人はその情報や状況を他人に話したくなる。


5 ソーシャル・メディアの未来をどのように考えていますか?今後、企業として、どのような方向に着目すればいいですか?


ソーシャルメディア・マーケティングの将来は、それが、顧客の「インサイト」(Insight)、つまり、「心の奥底にある感情」に働きかけることができるかどうかにかかっている。顧客のインサイトをつかむことができなければ、最終的にその企業は業績悪化に陥ることにになる。残念ながら、現在でも、多くの企業が、ソーシャルメディアを広告の(技術的)一手段とみなしている。こうした企業は、単に広告をYouTubeの動画に載せればそれで仕事は終わったと考えている。しかし、企業が、「そもそも顧客はなぜ情報を共有しそれが大きな話題になっていくのか」を理解しなければ、多額の広告費用を無駄にすることになるだろう。


6 ソーシャルメディアについて、先進国米国からみて、日本企業やマーケターにアドバイスはありますか?


情報技術に重きを置くのではなく、消費者心理をより重視していくべきだと思う。そもそも、日本の消費者はソーシャルメディアをなぜ使うのか。そうした心理学的な知見を活用して、効果的な広告戦略を実施すべきではないか。企業は、単に情報の(表面的な)フォロワー(追従者)を増やすだけでは十分ではない。鍵となるのは、「エンゲージメント」(engagement)という考え方だ。一体何人の顧客が、自社の広告、商品の情報を実際に共有してくれ、最終的に購入してくれるのか。あるいは、そのブランドに、真の意味で、「強い思い入れ」や「愛着心」をもってくれるのか。クチコミによって、そうした真の顧客を増やしていくことが重要だ。



7 日本政府が、クールジャパン戦略として、日本文化を積極的に世界に発信していこうとしていますが、アメリカ市場をターゲットにする場合、ソーシャル・メディアをどのように有効に活用すればいいかアドバイスをください。


インターネット時代に入り、世界の距離はかつてないほど縮まっている。今日、日本で人気がでたものが、翌週にはアメリカで話題になっていることが普通にありえるようになっている。しかし、そうした状況を可能にするためには、流行や文化的な商品の場合、人間を介した「社会的な結びつき」を使って、地理的な壁を乗り越えなければならないだろう。

たとえば、日本の流行や人気が出た文化的商品が、まず、日本から、アメリカ在住の日本人に伝わり、そこから、アメリカ社会に広がるといった方法が考えられる。たとえば、2012年にアメリカ国内で大反響を巻き起こした韓国のミュージシャン、PSY(サイ)の「カンナムスタイル」はアジアのポップ文化が地理的な国境を乗り越え米国で人気を博した好例だ。YouTubeにアップロードされたカンナムスタイルの動画は世界の何億人もの人々に視聴された。もちろん、そうした状況が起こるためには、まず、数百万人の人々に視聴されなければならい。そのようなクチコミの行動を理解するためには、心理学の知識や発想が重要となってくる。



8 チャンスがあったら、日本を訪れ、講演会など開催される希望をお持ちですか。

私は、これまで、世界の多くの企業にアドバイスをしてきた。そうした経験から、各企業は同じような課題を抱えていることがわかった。「どのようしたら、顧客ベースを拡大できるのか」「どのような方法なら、新商品やあたらしい事業に人気が出て話題になるのか」つまり、企業規模、営利、非営利にかかわらず、クチコミがどのよう社会的な影響力をつくりだすのか、そのメカニズムを理解することがとても重要だと考えている。私の経験や知見を、多くの日本企業と「共有」できればと思っている。近い将来、その機会が訪れることを期待している。

(インタビュー実施:2014年2月26日)


■インタビューの企画/実施/翻訳■

ジョセフ・ガブリエラ Joseph Gabriella(東洋大学法学部 専任講師 博士/MBA/MS)。杉本有造(IES全米大学連盟東京センター講師 博士/MBA)。両者の共著に『「ヴィクトリアズ・シークレット」が全米の女性に愛されるワケ』『エレベーター・スピーチ入門』(いずれも我龍社)があり、ともに研究/教育以外にコンサルタントとしても活躍。



“CONTAGIOUS: WHY THINGS CATCH ON" by Jonah Berger

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Hillary Clinton

1.2016年、ヒラリー・クリントンは、女性初のアメリカ大統領になる?!
Pema Levy. “What if Hillary Clinton Doesn't Run for President in 2016?” Newsweek. February 13, 2014.

僕はヒラリーのファンではないです。でも、ヒラリーが必ず、2008年の民主党の大統領候補の指名を獲得し、共和党候補を下し大統領になる可能性が極めて高いと確信してしまいました。実際は、オバマの突然の出現で状況が極端に変化したことに本当に驚きました。今回は、そのような問題はなく、ヒラリーが立候補する確率が高いそうです。そして共和党にはヒラリーのように存在感のある候補者はいないので、彼女が立候補すれば、当選すると思います。でも、立候補しないという噂もあります。その場合は、どうなるでしょうか。リンクされる記事が説明するように、民主党にはヒラリー以外に目立った候補者はいないので、今回の東京都知事選のように候補者が乱立することが予想されます。


“Hillary Clinton 2016 Presidential Run: 'I Do' Wrestle With Running”



2. 微弱だが、重大な信号の検出方法
Martin Harrysson, Estelle Métayer, and Hugo Sarrazinhttp.”The strength of ‘weak signals’” McKinsey Quarterly. February 2014.

僕は、大学生のときに、ワークスタディという制度で、勉強しながら大学が用意してくれた仕事をし、生活費を稼ぎました。その当時は、医学系大学院に進むことを計画していたので、経験を積むために、(ペンシルベニヤ大学の)著名な小児科大学病院で、小児関節炎を研究していた医師の助手を務めました。勉強のために、医師の診断ののち、僕も同じ児童のカルテを見て確認しようとしました。しかし、実際は、それは許されませんでした。そのため、医師に症状を口頭で説明してもらいました。驚くことに、その医師は僕が全然気付かなかった手掛かりを見つけ、一方で、僕が重要だと思った情報を無視し、診断をしました。専門家の本質を目撃し感動したことを覚えています。ビッグデータ時代になった今は、同じように、微弱にも関わらず、重大な信号を見極めて、「雑音」のデータを取除くコツを覚えなくてはいけません。リンクされる記事には、次の提案が説明されます。
1. Engaging the Top (幹部にもソーシャル・メディアを閲覧する習慣を身につけてもらう)
2. Listening and Mapping (組織ぐるみで、ソーシャル・メディアを観察し、一緒に様々なメッセージの本質を描き出す)
3. Spotting Visual Cues (視覚的な手掛りを掘り起こす)
4. Crossing Functions (部門を超え、他部門が活かせそうなデータを共有)


3. ディズニー新作「アナと雪の女王(フローズン)」がスゴい!
“Disney's Frozen Official Trailer”



このディズニーの最新作は去年の11月にアメリカで公開され、この3月のホワイトデーに、日本でも公開されるそうです。とても高く評価され、ディズニーの映画のなかでも最高だという評価もあります。私の意見では、それは至極当然だと思います。なぜなら、この映画のあらすじは、ディズニーが新規に作成したオリジナル作品ではなく、著名な作家兼詩人であるアンデルセンの童話にもとづいています。デンマーク人のアンデルセンは特に童話で有名です。ディズニーが、今回、参考にしたThe Snow Queen (雪の女王)は彼の人気作品です。勿論、ディズニーらしく、いくつかの格別な趣向をこらしています。例えば、本来の女王は純粋な「邪悪者」だったのと対照的に、映画では、性格的に問題があり恐怖に怯える人物になっています。まるで、最近アメリカで流行っている臨床心理学者の治療が必要だと思わせる人物です。アンデルセンがこの世にいたら、こうしたキャラクターの性格の変更に納得するかどうか分かりません。でも、そうしたディズニーの大胆な試みによって、とても楽しい映画になっています。アンデルセンについて詳しく読みたい方は、リンクされる記事がお勧めです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Hans_Christian_Andersen


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<推薦図書>
本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。

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また、グローバルコミュニケーション能力の養成にご興味のある方は、我々が実施している研修にもご興味をもつと思います。研修の詳細は以下のリンクをご確認ください。

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皆さんのビジネスリーダーとしての知識欲をさらに刺激するために、毎月、2回の頻度で、「アメリカ・ビジネスの最前線」を主な対象にして、「アメリカ・ビジネスでいま何が起こっているのか」「どのような最新技術に注目が集まっているのか」「日本や日本製品はアメリカでどのように評価されているのか」といった点について、アメリカ人としての見解を掲載します。日本のメディアでは、日本人による単一的(あるいは一方的)な見解が主張される傾向が強いように思えます。このブログ記事では、「世界には多様な考えがある」ということを日本の読者に具体的なテーマで知ってもらうことを意識しています。日本や日本人に対する外国人の見解、考え方を知ることで、読者自身の世界観を広げ、最終的にはビジネスチャンスにつなげてもらえればと願っています。とりあげてもらいたい「旬の話題」や建設的なご提案など、お気軽に著者までご連絡いただければ幸いです。

ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
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IES全米大学連盟・東京センター
(The Institute for the International Education of Students, Tokyo)講師
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© 2013 Joseph Gabriella, Ph.D., MBA. All rights reserved. 無断複写・転載を禁じます。





Bystander Effect
「傍観者効果」:企業における集団心理



とても悲しく、とても残念な気持ちになりました。それは、私が、2013年10月に線路上に倒れていたお年寄りの男性を救った村田奈津恵さんの悲劇を報道で知ったときの思いです。当時、お父さんの車に乗っていた村田さんが助手席を出て、踏切に入りました。報道によると、村田さんのお父さんは、「間に合わない」と忠告しましたが、正義感の強い村田さんはとにかく、助けに行きました。その結果、その老人が救われた代わりに、彼女の尊い命が失われました。その後、テレビのニュースで、村田さんと同じ状況に遭遇したら、あなたは行動できますか、というアンケートを行っていました。じっと考えて「たぶん自分にはできない」と答えている複数の人の映像が印象的に映し出されました。村田さんのご冥福を心からお祈りいたします。

今回は、社会心理学の用語で、集団心理のひとつ「傍観者効果」をテーマにして考えてみたいと思います。自分の近くのただ1人の他人が危ない状況に置かれ、あるいは、緊急事態に遭遇したときは、人は行動を起こす確率が高くなります。でも、周りにいる人数が増えれば増えるほど、1人が行動を起こす確率は下がります。英語で「Bystander Effect 」(傍観者効果)と呼ばれます。これに関して有名な実験があります。3つの条件が設定されました。(1)被験者が1人で部屋の中で座らされる。(2)被験者1人と他人2人の計3人が部屋の中で座らせられる。(3)被験者1人と、被験者を装った「この研究の協力者2人」の計3人が部屋の中に座らせられる。それぞれに、アンケートを記入してもらいました。その最中に、突然、煙が部屋に入ってきました。第1の条件「1人でいた被験者」の75%がそれを通報しましたが、第2の条件「3人の被験者」が一緒だった部屋では、38%しか通報しませんでした。第3の条件「研究協力者2人がいた部屋」では、意図的にその協力者が煙に気付いたことを口にしましたが、無視しました。その場合、被験者の10%しか通報しませんでした。こうした違いは、どうして発生するのでしょうか?

主な理由は「diffusion of responsibility 」(責任の分散)にあります。人は、他人がいるから皆でその責任を負うべきだと考え、最終的には誰も責任を取らない悲劇的な結果になってしまいます。この場合、皆が、他の人が行動を起こすと思っているからかもしれません。傍観者が一般的に通報しないもう一つの理由は社会的に認められる方法で行動したいと思うことが影響しているといわれます。たとえば、緊急事態の状況が特に曖昧なとき、周りの人が反応しなかったら、本人も反応する必要はない、あるいは不適切だと考えます。この第二の要因は、責任の分散ほど影響が大きくないと想定できますが、「他人の行動」への関心が比較的高い日本では影響の度合いが大きいかもしれません。

では、この傍観者効果を企業に当てはめてみましょう。普通の企業では、致命的な危機がさほど頻繁に発生しないものの、全然ない訳ではありません。そのため、企業の多くは非常事態管理体制を整えています。しかし、日々、「問題」という小さな危機が発生しています。個々にみれば致命的ではありませんが、時間の経過に連れ、累積してきて、致命的なものになりかねません。僕がかつて勤めていた銀行はそうでした。以前からあちこちで、コンプライアンスのミスが発見されましたが、それに対する責任を取る人はいませんでした。そして、それが蓄積され大きな法律違反となり、金融庁の処分を受ける結果に拡大してしまいました。私が働いた日本企業での経験をもとにすると、こうした法律違反より、社会的な道徳観、倫理観に反した問題を通報しないことが多いようです。倫理的な問題なので、その上司に直接報告するまでもないと判断する場合もあります。自分の上司に報告しても、その上司が大きな問題ではないと、上層部には報告しないケースもあります。私の今までの経験では、接客している社員が、社会的な道徳観の悪影響に一番悩まされます。苦情を受けたとき、それに対応したいと思っても、他部門との人間関係で問題になりそうなら、遠慮します。他部門と問題を起こせば、業績評価の際に減点になる可能性があります。こうした判断でクレームに対応しなければ、顧客を失ってしまう場合が少なくありません。

どのようにしたら、これらの問題を乗り越えることができるのでしょうか。私の考えは次のとおりです。

1. 積極的な問題対応や危機管理の社風を作り上げる。具体的には、通報の重要性を明確にし、それを促進する方針を打ち出す。その場合、bystander effectのように、対応の邪魔になる傾向も社員に理解させる。報告する方法も指導する。つまり、問題が発生するときに、どのような行動を取ったらよいか指定する。もちろん、そうした対応を妨げることのないような規則も定める。

2. 業績評価制度に盛り込む。具体的に、問題になりそうな事件を通報する人を褒める。最終的に、間違った報告だと判明しても罰しない。一方、正式に業績を評価するときに、報告すべきだったが報告されなかった案件が発見されたら、減点する。

3.定期的に、密接に協力している部門の上司と社員との間で、現在の問題、あるいは、仮に見逃されたら問題または危機に膨らんでしまうと考えられる案件について、情報交換を行う。この場合に役立つ方法は、会議の前に、参加者に無記名で、気づいたことや気になっていることを書いておいてもらうこと。


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リンクされる記事がBystander Effectについての有名な実験を説明します。それを見た上で質問答えてください。このとき、以下の専門用語の定義を理解するとさらに分かりやすくなると思います。

Bystander Effect
http://explorable.com/bystander-apathy-experiment


1. What event inspired the researchers to conduct their experiment?
2. How treatment conditions are used in the experiment?
3. What is the independent variable? Dependent variable?
4. Describe the results of the experiment? Do they support the Bystander Effect?
5. The author raises three criticisms to the researchers’ interpretation of their results. Do you agree
with any of the criticisms? If so, which one(s)?


専門用語:

Independent variable 独立変数

Dependent variable   従属変数

Treatment group   実験群


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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラは、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!

1989年米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。


ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
東洋大学
gabriella@toyo.jp
jjapan1802@yahoo.co.jp

「世界のどこでも働ける日本人になろう」

「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!」

「Venture Into Japan」

杉本 有造  博士/MBA
IES全米大学連盟・東京センター
(The Institute for the International Education of Students, Tokyo)講師
gpmalibu@yahoo.co.jp

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