先日、6度目のクアラルンプール渡航を果たしてきた。ちょうど3年前の2022年、つまりコロナ以降でようやく海外渡航が解禁となった年からすでに6回目と言う事からも、いかに私がKLがお気に入りかが分かってもらえるだろう。
しかし、正直言うと、観光地としての魅力は、少なくともASEANにおいてはバンコクとシンガポールの後塵を拝しているかと思う。バンコクはカオサン通りに知られるよう、昔からバックパッカーの聖地、拠点と言う感じであり、今でも観光立国として大変な数の観光客がバンコクを闊歩している。シンガポールは実際に行くと、英語や歴史に興味がない限り実はそんなに面白くもないのであるが、それでもマリーナベイの夜景は何度見ても奇麗だし、噴水ショーのスペクトラも人間がやっている訳でもないのにかかわらず、何度見ても圧倒される。
それに比べると、正直KLは「絶対的な」観光地に欠けるものがあるのは確かである。一応、象徴的なものとしてペトロナスツインタワーなどがあるが、KLに渡航する度に訪れたいか、と問われるとそうでもないと思う。その他の観光地も、正直一回行けばいいだろう、的なものばかりである。なので、観光メインで訪れるつもりで行くとかなり期待外れとなってしまうかも知れない。実際、私も1度目はそうであり、もう来なくてもいいかな、とすら思ったほどである。
しかし、御覧の通りすでに6回目である。そこまでお気に入りの場所になったのには当然理由がある。と言う訳で、改めてここでKLの魅力を紹介していこうと思う。因みに、「日本ならこうなのに~」と常に日本と比較しがちな人には、ハナッから向いていない事を記しておく。
宿泊費が安い
まずは何といってもこれである。3年前は1リンギが31円ほどだったのに比べ、今では36円前後とかなり高くはなってはいるものの、それでもまだまだ宿泊代は抑えられる。少なくとも、日本円で1泊4000円ほど出せれば、日本のビジネスホテルレベルのシングルに泊まる事は出来るだろう。もしドミトリーや、カプセルホテルでもよければ、1泊1000円ちょいも不可能ではない。
なので、香港に1週間泊まれるだけのカネが出せれば、KLにはゆうで2週間は居られる事となる。もちろん、それなりの快適性を求めるのであれば1泊6000円程度を払う事にはなるものの、それでも香港なら重慶大厦レベルと考えたら天国のようなものだ。
食が豊富であり、かつ食費も抑えられる。
奇跡的な多民族国家だけあり、食の種類も豊富である。正直、コロナ前に香港中心に渡航していた頃は、食に対する拘りはゼロだった。夕食をコンビニで済ます事すらあったほどである。しかし、KLに来てその考えは180度変わり、食も海外旅行の魅力のひとつとまで考えるようになったほどである。
私は肉料理が嫌いなので、全てが全て食べれる訳でもないのだが、魚や野菜料理も豊富なので、困る事はまずない。KLと言えばアロー通りが有名なのだが、ここは観光地価格で割高だし、さらに店によって先払いなのか後払いなのかもまちまちだったりするので、KLに慣れたら自然と足も遠のいてしまう。しかし、東南アジアならではの熱気を感じるには最高の場所なので、一度は絶対に訪れる場所である事は間違いない。
とりあえず、万人にお勧めなのはデパートのフードコートだ。有名どころとしては、KLセントラルのNUセントラルのクイジーンと、ブキ・ビンタンのパビリオン地下にあるフードリパブリックあたりだろう。
飲み物としては、日本でも有名なミロが日本人の常識からするとありえないほど普及しており、まさに国民的飲料。フードコートなどはもちろん、マックやKFCでもメニューの一部なのだから恐るべし。ただ、ファストフードのミロよりも、フードコートやレストランのミロをお勧めしたい。とにかく甘く、こんな美味いものあるのかと思うレベルで美味しいのだ。
マッサージのコスパが高い
リンギが高くなっているとは言え、それでも日本の相場に比べたら半額ぐらいで抑えられる。海外だとどうしても日本にいるよりも歩く頻度た高くなるので、やはりマッサージのコスパが良いのは大きい。ただ、モールに入っているチェーンは高めなので、マッサージ激戦区のブキ・ビンタン周辺がおすすめだ。個人的な一押しは、前回も紹介したMy Wellness reflexologyだ。新しめのチェーンだが、コスパも技術も高くまよったらまずここに行けば間違いはない。
英語が通じる。
そしてKLの圧倒的な強みは、英語の通用度が非常に高い事だ。シンガポールほどメインではないものの、広告の半分が英語だし、高級モールでは英語しかない場所も多いので、英語もほぼメイン的な扱いと言っても過言ではない。そして、多民族国家であり華人比率も多いため、東洋人が英語を話しても全く違和感ない顔をされるのも大きい。
気候が安定
香港はもちろん、バンコクよりも南なので暑いイメージが強いが、意外にも涼しい日も多い。赤道直下のシンガポールと比べたら圧倒的にこちらの方過ごしやすい。地震も台風も来ないという、日本人からしたら夢のような土地であるものの、それでも突然のスコールも多いので折り畳み傘の準備だけはしておきたい。
以上のように、私が渡航先に求めるもの、東アジアの中で最も満たしてくれるのがこのKLという訳である。